黒川の女たち鑑賞。
まずは、残さなければならないと自分のを話してくれた人、記録してくれた人の功績がでっかい。地元(というには少々遠い自県)のことだが全然知らなかったので、知ることができてよかった。
助けるために役目を負わされたそれ自体もきついが、帰国した後の生活のつらさ、同じ集落の人や助けた人たちからさえ恥でタブーだと扱われる、それが若い女性たちにとってどれだけの苦しみかと思うと、本当にやりきれない。年月が経っても苦しいことなのに、伝えることが使命だと、告白してくれた女性たちに頭が下がる。
また、女子校での黒川開拓団についての授業があるシーンで、生徒たちって当時の彼女たちとほぼ同じ年齢で、そこでこういう話について考えるっていうのはとても真に迫っていて、また当事者の女性たちの意志にも沿った活動だし、「語り継ぐ」意志がしっかり描かれているのも良かった。
(上映後に監督のトークもあって)取材した女性に関して、語ることで癒されるという実例を目の当たりにして〜という話もされていて、大変興味深かった。
#映画 #映画鑑賞 #黒川の女たち
映像特典に入ってた、エミリー(本物)→クメイルの「(自分の家族とは全然違うから最初は自分らしくしろ!とか男らしく自分の考えを伝えろ!って思ったけど、彼の家族は)尊重しあってるのだとわかった」って話も面白かった。
ORLIK鑑賞。
『LUGINSKY』の唯一無二さがグレードアップしていてすごく楽しかった。相変わらずストーリーも映像も刺激的なんだけど、前の劇物を脳に流し込まれるみたいな刺激とメッセージはそのままに(あるいはより強く)、さらに映画に対する愛と熱さを伴った作品になっていて、俺が!俺のための!映画を作る!と言わんばかりのオルリックの孤高の情熱に、最高だな😢とちょっと泣きそうになってしまった。が、最後、白いチョークで丸かいたのか!という終わり方には、最高だな!🤣と笑ってしまった。わからねぇやつらはわからねぇでいいんですよ🔥
トロッコのシーンもめっちゃ好き。
「寄り添いたい」みたいな映画にそっと背中を押してもらうこともあれば、「オラー!これが俺の映画だー!」にガツンと殴られて注入されるパワーもあるな、と思う。良い体験だった。
#映画 #映画鑑賞 #ORLIK
花束みたいな恋をした鑑賞。
羨ましい、良いなーって部分もあるんだけど、私にはピンと来ない映画ではある。20年早かったら刺さっていたかもしれない。というか、私は何をするにもだいたい10年か20年は遅いなぁという、なんとなくの無力感?も味わう。
好きなものがある人(というか、好きなものがある自分が好きっていう人)って、そうじゃない人をうっすらバカにしてる節があって、なかなか感じ悪い。まぁ、これは自省をこめて。
そことは全然関係ないけど、ある会話が身に覚えがありすぎて恥ずか死んだ。そうか…あんな風に見えるわけか…。
それにしても、オダギリジョーのキャスティング、ハマりすぎではないでしょうか笑
#映画 #映画鑑賞 #花束みたいな恋をした
逆火鑑賞。
作文が全部事実である必要なんて無いし、美談も全部真実である必要はないと思っているから、そもそも助監督が何をそんなにこだわっているのかよくわからなかった。"世間"がそういう美しい話を求めていて、そのために映画を作っているなら、その理想を忠実に映画にしました!で別にいいのに。どちらかといえば、主人公を寒い目で見てしまう。職場では頼られ、自分が追ってる疑惑の真っ只中ではあれど「父親のために献身的に頑張った娘」の張本人に「こんなお父さんだったら良かった」なんて言われてちょっと浮かれてる。そんな場合か?「仕事をしている自分」に没頭すれば、面倒なことは全部妻に押し付けている自分、家族と情報の共有も意思の疎通も怠る自分をかえりみずに済むからそうしているようにしか見えないし、そうなるしかないというか、やっぱり犠牲になった(と娘本人は思いながら死んだ)んだろうなぁっていう終わり方だった。まぁ、両親がちゃんとしていたところであの娘がなんとかなったとも思わないけど。
#映画 #映画鑑賞 #逆火
愛はステロイド鑑賞。つづき。
でもなんだろ。ルーは父親の支配からは逃れられたかもしれないけど、結局暴力性(あるいは暴力性の後始末)からは逃れられないのかもなぁ。本人はジャッキーへの愛ゆえってことで満足してそうだけど。やめようと思っても最後の最後までタバコやめられなかったのと一緒で、暴力性にふりまわされる性質や行動をやめられない。だから二人のキラキラ逃避行はキラキラ長く続く恋愛生活にはつながってない気がする。行き止まりに突っ走る話も嫌いじゃない、でももう半歩進んで、こんな二人で幸せになる未来がほしい。
ジェナ・マローン(の役)ってあんな感じなのかー。私の脳内ではどちらかといえばクリステン・スチュアート枠にいたのでびっくりだよ。まぁ、『エンジェルウォーズ』しか知らんけれども。
愛はステロイド鑑賞。
うーん、面白かったけど、もう少し行ってほしい。何がかというと、こういう映画は『テルマ&ルイーズ』を思い出すので、どうせ今作るなら『テルマ&ルイーズ』の一歩でも二歩でも先に行ってほしいと期待しちゃうんだけど、その点が、半歩くらいだったかな。
ジャッキーは住むとこないからルーの家に転がり込んだわけだし、ルーはジャッキーみたいな人がタイプなのにゆるふわデイジーと付き合ってたっぽいし(一目惚れのシーンはたまらないものがある。表情、すごく良い)、お互いどうしようもなさがあって、あまりキラキラしていないのがリアルかもしれない。そういうとこはむしろ普通の恋愛感があって良いし、ルーの苦痛に反応して発現するジャッキーの力というのも「愛」って感じでまぁ面白いんだけど。あと、面白いと言えば、姉の夫みたいなわかりやすい暴力男タイプの支配もあれば、父親みたいなやんわりじわじわ死なない程度に締め付けるタイプの支配もあって面白い。
#映画 #映画鑑賞 #愛はステロイド
大統領暗殺裁判 16日間の真実鑑賞。
面白かったけど!なんともいえない腹立たしさと悲しさがある。直前に予習として『KCIA 南山の部長たち』を観たので、知ってる場面がそのまま出てきてすごい。この秘書官があのシーンのあの人かぁ…なるほど…となったし、あ!この事件は『ソウルの春』だ!と繋がったりするのも面白かった。で、やはりすごく嫌な話でもある。事実ベースのフィクションなので結末はわかっているとはいえ。
名声のためというところからどんどん熱血になっていく弁護士の「なんとかしたい」という気持ちに感情移入してしまうし(父と自分というのを、秘書官とその娘に重ねるストーリーもわかりやすいしぐっとくる)、秘書官がまた清廉で頑固で、罪の意識に苦しんでも外には出さない、なんの言い訳もしないキャラクターだからなんとか助かって欲しくなってしまう。
裁判なんて言って形だけじゃないか!とすごく腹が立つ。全部あいつの手のひらの上でさぁ。あんな犬みたいに扱われて屈辱を受けるのも、悪役の嫌さが際立って、(重ねていうけどめちゃくちゃ腹は立つが)良かった。
#映画 #映画鑑賞 #大統領暗殺裁判
KCIA 南山の部長たち鑑賞。
ほぼおじさんしか出てこないのに、後宮の争いなの?と思ってしまう。おじさんの寵愛を争うおじさんたち。出世や権力、自分の命、またはまぁ、正義とか民主主義とか?求めるものは違っても、そのために通る道が大統領のお気に入りになることなので、ことごとくそう見えてしまう。また大統領の方でもお気に入りに対する態度と、気に入らなくなった時のつれなさ、それに加えて重大な仕事をさせる時の言葉が「君のそばには私がいる」なのがますますきつい。彼のために進んでやったように見えてしまう。なんなの…おじさんの心掴むのうますぎじゃない?
これが実話で、現代の、一国の上層部の話って、ものすごく怖いなぁというのと、だからこそ長い間実質独裁者でいられたんだろうなーとも思った。
#映画 #映画鑑賞 #KCIA
ザ・コンサルタント2鑑賞。
兄弟のキャラを観る意味で、前作からぐっと関係が深まって面白かった。ていうか、クリスチャンからは8年連絡してなかったということで、映画の外、空白期間は関係が何も深まってなかったのも笑った。ブラクストンだけ孤独にヤキモキして、犬飼おうとしてるの良すぎる。しかもぷりぷりのコーギー。可愛い種類がお好みか。
ああいう酒場では殴り合いの喧嘩が起きるな⁈の予想通りだったのは笑ったけど、それ以上に、クリスチャンが「弟の好みはきっとこっちだから」という理由で喧嘩騒ぎを起こしたっぽくて、それにちょっと泣きそうになった。良かったね、ブラクストン😢
2人の関係は置いといて、事件自体は人身売買組織とある殺し屋の人生で、前作の企業の横領とかよりは重苦しい嫌ーな事件で面白かった。
捜査官がかなり強めに否定していたもののそのまま流されちゃったし、捜査の流れで子どもを巻き込んじゃうのはどうかと思うなーというのはちょっとある。
#映画 #映画鑑賞 #ザコンサルタント2
ランド・オブ・バッド鑑賞。
"無人機"と言葉ではよく知ってるけど、爆撃の映像が迫力がありすぎてちょっと怖いくらいだった。そこにはいない人の手元のポチッだけであの威力…凄すぎてなんか気持ちが引いてしまったところはある。ラッセル・クロウのキャラや同僚との関係とか面白かったし、キニーのパートの緊迫感もすごいし、映画自体が嫌だったわけじゃないのに。
最初に位置取ったところの運が悪かったとはいえ、前半のキニー、いいとこなしじゃん…(アンテナ作るとこくらいでやっとちゃんとした活躍!)最初の救助ヘリで帰れたとしたら「こいつ/こいつら、マジで何しにきたの?」だし、途中でアセットの情報がそもそも違ってたってことになったから、最終的に合ってたとはいえ、ほんとこの任務何なの…と、基地のバスケ観戦者たち何なの…の気持ちが強い。とりあえず、あの大佐は酷い目にあってほしい。偉そうにするだけじゃなくて仕事しろ。いや、そのせいで無駄にスリリングになったから映画としては正しいんだけど。
#映画 #映画鑑賞 #ランドオブバッド
原爆スパイ鑑賞。
以前クラウス・フックスの番組を見たことがあって、その孤独ゆえにたった1人の親友に心のうちを話したら…というなかなか心に来る捕まり方をしていたので、テッド・ホールの人生を観て、家族がいるって強いなーと思った。のだが、この人がどのようにローゼンバーグ夫妻や他のスパイと違って捕まらなかったのかが、ただ尋問に取り合わなかっただけ?そんなんでいけるか?『爆弾発言』って本にはそこらへん書いてあるから省いたみたいなこと?とか、そういう新しい・知りたい情報みたいなものが特にない、むしろ為人エピソード(しかもおおよそ奥さんが語るもの)だけで構成されていたのは期待はずれだったかも。
#映画 #映画鑑賞 #原爆スパイ
入国審査鑑賞。
嫌がらせ映画ー!!!命の危険があるとかの嫌がらせでは無いんだけど、不信感だけ植え付けてWelcome to the U.S.でエンドってめっちゃ嫌。2人でいないんだったら、アメリカにいる意味もないのに。2人の顔、最高だったな。その直後にエンディングでcongratulations♪って曲が流れる、悪意の高さ!
移民目的だと思われてされてる尋問ってのは一部はわかるんだけど、セックスの頻度や愛情・家族との関係とか、それって法律婚だとしても無い人は無いじゃん…という無意味な質問の嵐で、良くできた嫌がらせだった。威圧的な態度や、脅しも去ることながら、踊ってみせろっていうくだりは本当に屈辱的で、とても良い「嫌なもの観たなぁ」を味わえた。
#映画 #映画鑑賞 #入国審査
泥の河鑑賞。
見てよかったなぁ。子どもたちが無邪気に仲良くなる姿、子どもながらに感じる異質さ。ながらにというか、だからこそというか。「普通の子ども」であるのぶちゃんを通して輪郭がわかる大人たちの暮らし、生きることや死ぬこと。
船で生活する姉弟が自分たちはアウトサイダーで"良くないもの"とされていると感じている、感じさせてしまうのが苦しい。"良くないもの"と決めるのは大人で、それは子どもたちにも伝染する。お姉ちゃんがのぶちゃんのお母さんに見せる礼儀正しさと打ち解けてからの無邪気さが、健気でいじらしくて胸が痛む。
きっちゃんがのぶちゃんにとった行動。知っていてわざと見せたのかもしれない。とても大切な友達、優しい友達。それを、どこまですれば離れていくのか試しているようにも見えて、すごく悲しかった。
子どもたちの様子をしっかり見ていて「子どもの前だ」と粗野な大人をたしなめてくれる人もいる。そうやって彼らを気遣ってくれる人もいたことを、覚えていてほしい…。
#映画 #映画鑑賞 #泥の河
KNEECAP/ニーキャップ鑑賞。
なんとか守りたいのに母語というものが失われつつある地域で、国や出自にまつわるアイデンティティ、プライドがラップを通して、視聴者であり当事者、それも特に若い世代に爆発的な人気を集めたという事実が興味深いし、また語り口が軽妙でとても見やすい。父親がかなり過激な側にいて崇拝されたり捕獲対象とされたりしていることもあってちょっと次元が違う人?宇宙人っぽい?感じで面白かったし、お母さんの奮起と地元お母さんコミュニティあるあるみたいなのもめっちゃ笑った。
とはいえ、(そういうことが言いたいんじゃないってわかってるけど)人気の爆発も本人たちもクスリだよりじゃん…と見えてしまうので、全然私とは違う世界の話だなぁと、かなり心理的に距離のある作品だった。
#映画 #映画鑑賞 #KNEECAP
ルノワール鑑賞。つづき。
あのくだりは何だったのかな?とか、わからないことももちろん多いのだけれど、何回も観たら自分の答え(正解というのではなく)を見つけていけそうな予感がある。大人が思うほど子どもは何もわかっていないわけじゃないけれど、子どもが思うほど大人は子どものことを見ていないわけではないのだとも思える、良い映画だった。
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