サーミの血-3
監督自身もサーミ人であり映画に登場するすべてのサーミ人役には実際にサーミに出自を持つ人たちを起用する徹底ぶり。
民族差別にたいする問題提起となるのは無理からぬものの映画は少女の回顧録としているところが良かった。
様々な差別の中で一番腹が立つのは「臭い(獣臭)」という直接的な言葉よりも「人類学専攻」なのと言いながらヨイクを歌わせるシーンだ。
ヨーデルとヨイクの違いもわからない彼女は好意からしたことだが、これこそ無自覚の差別だよなぁ。。
日本にもアイヌ民族の歴史があるが、日本人が本当の意味で正しく民族迫害を理解できるのだろうか。無理な気がする..。
人のことをどうこう言えるほどの立場でもない。
なぜながら私自身が無知だからだ。
もうホント無知は罪とはよく言ったもので己を恥じるばかりだ。
サーミの血-2
物語は妹の葬儀のため帰郷したクリスティーナがホテルの一室で捨てたはずの過去を回想するところから始まる。
サーミであることで差別を受けたエレ・マリャは名前をクリスティーナとかえウプサラへと向かう。生きる場所が違ってもサーミ人であることを忘れさせてはくれない。
名前を変えコルトを脱ぎ捨てても血からは逃れられない。
差別とは何か?
中でも一番怖いのは「視線」だ。いつでも周りを注意深く見ているその仕草が印象的だ。
多くの人がエレに感情移入するのは難しい。私たちは民族迫害されたことがないからだ。
しかしクリスティーナが多くを語らず、かわりに表情や視線で感情を表現しそこに少なからずとも観客は自身を重ねる余白がある。
エレと対照的な妹、エレの孫娘もまた対照的な立場だ。エレだけがサーミとの間で揺れている。二律背反を抱えたエレが救われる日が来るのだろうか。
サーミの血-1
<長いのでたたむし続くよ>
スウェーデンの北部にあるラップランドに居住する先住民族サーミ人のエレ・マリャが自身の民族に対するルーツについて差別のなかで普通であることを切望した少女の話
感想の前に...昨年から少しスウェーデン語を勉強し始めまして(ホントマジで少しなんですけどね)歴史も調べてみたらサーミ人という民族が各国によって迫害されたことをその中で知りました。
サーミ人はトナカイ遊牧民でサンタクロースが住んでと言われるラップランドの少数民族です。
20世紀に入るとスウェーデによる分離政策によって元々の差別に加えて問題が根深くなり..分離政策はサーミはスウェーデン人よりも人種的に劣っているという考えに基づいた法律。
こうしてサーミ人は土地を購入して住んだり、ほかの仕事に就いたりすることを禁止される。むろんサーミ語も禁じられスウェーデン語を強制される。子供たちは専用の寄宿舎に入れられ進学は許されない。
学術的調査として人前で裸にさせられ写真を撮られる。鼻の長さまで緻密に記録を取られる。
そしてこれらの民族差別が映画のテーマです。
これまでインド映画の恋愛もの、
その中の1パターンである、引き裂かれて別々の相手と結婚させられたカップルのストーリーを見てきて、姦通を絶対的に避ける不文律にどうよと思ったことは多々ある。逆に肉体関係を持たなければ心は結婚を裏切ってもいいというロジックに何か現金なものを感じたりもした。結婚を裏切らずに恋愛を成就させるためには、離婚するか、あるいはそれぞれの配偶者が都合よく死ぬのを待つしかないわけだが、これも事実上脚本としては禁じ手。まあでも、インド語の、少なくともタミル語の文学的コンヴェンションからすれば、心は主体から離れて勝手な動きをするということになっている。心を責めるなかれというのはここから来ているのか。
ナチスの強制収容所に、収容された捕虜が、
ガス室に、送られた息子を埋葬するため
ラビを見つけようと奮闘する話
ナチスの強制収容所の捕虜が題材なので
よくありそうな話っぽいですが、
主人公が、ラビを探すため
仕事もそっちのけ、仲間たちの企みも
そっちのけで必死なのと、
カメラワークが、主人公しか追わず
長回しで、その上、視野が狭いカメラで
周りが見えてない感じが
余計必死な感じがしますのと、
それに、この変わったカメラワークが
周りで何が起こっているかとか、
様子が全く見えず、
収容所の生活を、疑似体験してる
みたいな雰囲気にしてくれます。
そんなとこが、今までの映画と
ちょっと雰囲気の違う映画にしてますが、
そして、この収容所の疑似体験が
実際の収容所で、捕虜たちに
こんなコトを作業させてることが、
ちょっとナチスの収容所の恐怖
をより一層感じさせるようです
『マネー・ショート』の感想です。 (1/2)
いやぁ。面白かった。金融業界周りの難しい題材を、うまくエンターテインメントに仕上げていた。映画の出来はテーマでは決まらない。編集次第でいい映画になる。だから映画は面白い。アメリカの住宅バブル崩壊をコメディとして切る。さすがアメリカ映画・・・というか、こういった自己批判性はアメリカの良いところだよね。
サブプライム・ローン問題の仕組みを、分かりやすく、かつ、コメディタッチで描いています(・・・とはいえ、金融商品てのは元々複雑で難しいので、あまり、全体像がわかった!という感じにはならないです)。映画の中の説明により「日本でよくある食品偽装問題と同じじゃん!」ということが良く分かりました。
あとは、チョイチョイと実際のニュース映像やら2006年前後の時代の映像を挟み込まれていて斬新でした。ドキュメンタリーみたいです。
https://eigakansou.life/%e3%83%9e%e3%83%8d%e3%83%bc%e3%83%bb%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%bc%e3%83%88/
マスターオブゼロは義務教育