Pearl パール鑑賞。
『X エックス』の方が面白かったかも。
がんじがらめの生活から自由になりたい、スターになりたい。それは気の毒だし、結局母親の言う通りになってしまったのもさらにかわいそうではあるんだけど、パールがすごく子どもっぽくてうんざりしちゃった。恨み言長台詞を聞いてなお。遠くにある眩しい世界を垣間見ての憧れは、実のところ間近にある眩しい世界への妬みであって、そういうのってよくあると思うし、そのうえまあまあ自由にした結果が虐殺かぁ、ふーん、みたいな。それよりは、あれを見て添い遂げられる(事実添い遂げた)ハワードすげぇな…がデカい。そっちの心理の方が気になる。戦争帰りなのは関係あるのかな?とちょっと思ったりとか。
サブスタンス鑑賞。余談。
↑に唯一笑ったと書いたけれど、エンドロールで監督のスペシャルサンクスにキャスト名に並んで、「血まみれになってくれたエキストラの皆さん」的なこと書いてあったのも笑った。
あと、レイ・リオッタの名前もあって、デニス・クエイドの役って、もともとレイ・リオッタのつもりだったのか…
サブスタンス鑑賞。続き。
誇張表現が強いほど受け取る嫌悪感も増すので、何を見ても「うわぁ」と引いてしまったが、唯一笑ったのはやっぱ最後のステージのシーン。『キャリー』みたいだと思った。得意の絶頂となるはずのシーンで血まみれになるって。そこで、怪物を作ったのはおまえらだよ!と言わんばかりの惨状になるのが小気味よかった。でももっとやっても良かったと思う。返り血で勝手に阿鼻叫喚なのは面白いけど、彼女が意図的に傷つけたのは自分だけって思うと悲しいが強まるんだよ…。
本当なら自分が自分のこと好きだったらそれで十分なのに、容姿が良くないとみんなから愛されなくなり、自分に価値がないと思い込むこと。彼女自身がモンスターになってしまったけれど、モンスターを生み出したのは彼女にそう思い込ませた社会の方だよなぁ。と、製作の意図は受け取れている(と思う)けれど、こんなまとめ方をすると、映像の強烈さ・ユニークさに似合わず、なんとなくよくある優等生っぽい小ぢんまりした感想に落ち着いてしまう、変なバランスの映画だった。
サブスタンス鑑賞。
観ている間はいろいろと気圧されてしまって、あまり頭が働かなかった。エアロビシーンがテレビCMくらいの長さで、それがずっと圧倒的明るさで描かれる。だから映画全体として、ずーっと通販のCMを見てる、しかもすごく強引な押し売りをされているみたいな感覚があって、そのうえどんどん情報を詰め込まれる。商品は若さ・美しさ・肉体!今すぐこれを手に入れろ!持ってないおまえは無価値!広告やCMってそういう強い情報(価値観)が見ようと思ってなくても入ってくるから、浴びていると疲弊する。
それに加えて、エリザベスの頃は少なくともエアロビの番組ではあったのに、スーの番組では彼女の体は胸・お尻・脚・顔などと切り取られて映し出される。バラバラにされて提供されると、そこにいるのが一人の人間であるという意識が薄れ、消費が加速する。
#映画 #映画鑑賞 #サブスタンス
リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界鑑賞。続き。
そしてあの写真。不意の一瞬をとらえたように見える一枚が、自分を、自分の作品の魅力を引き出すために、あの状況で最大限に作りこんでいく様子に、彼女の行動力や知性、センスにもしびれた。
そんなわけで映画自体も面白かったけど、『サブスタンス』と近い時期に見て良かったなーとも思う。(かつて)容姿に恵まれた女性が、その縛りからとっくに解放されて、それを武器にしないで生きていられる。同時に、容姿どうこうとは別の理由での悩みや苦しみが尽きないのも人生で…という控えめなビターさもたまらなく好み。
リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界鑑賞。
トップモデルだった時代がありながら写真家に転身、戦場写真家として云々という経歴を、去年『シビル・ウォー』を観た時に周辺情報として知った。そのリー・ミラーについてなので、とても興味があった。モデル時代や転身という部分はこの映画では描かれない。写真家として成功した(そして家庭人としては上手くいかなかったようにみえる)彼女を切り取った潔さ。戦時下のファッション誌として女性ならではの視線で撮られる写真、あるいはおそらく彼女が女性だからこそ心を許す被写体みたいな描写、そしてもちろん戦場カメラマンとしての仕事、あらゆる部分でとても惹きつけられた。
悲惨さを描く方法としてショッキングな画やセリフを見せればいいわけではないのだと、改めて認識した。映画では本来臭いって伝わらないのに言葉もなく鼻を覆ったり、シャッターを切る彼女を映した後は殺戮現場は見せずに写真が差し込まれたり。上品というと言葉が変だが、その抑えた演出でも十分残酷さが伝わってくる。鑑賞の体験として面白かった。
#映画 #映画鑑賞 #リーミラー #彼女の瞳が映す世界
ノスフェラトゥ鑑賞。続き。
その点で意地悪な見方をすると、トーマスやフレデリックみたいな"理性"の男社会から見ると、違うルールで生きている異国の男はモンスターだけれど、エレンにとっては昔馴染みで理解者なのでそんなに怪物でもなかったのかもしれない。つまり、妻の言葉に耳を貸さなかった男が自分で妻を昔の男に引き渡した上に、自宅のベッドで寝取られ死した二人を見せつけられるという、ホラーとは違う嫌さのある作品にも見えて、ちょっと面白い。
ノスフェラトゥ鑑賞。
元の『ノスフェラトゥ』は観てないんだけど、結構そのまんま『吸血鬼ドラキュラ』がベースなんだなー。船旅!禍々しくて良いー☺️(それはそうと、水を渡れない吸血鬼でもドイツだったら陸路で行けるのでは?)
今となってはエセ科学と呼ばれるものが最先端の科学だった時代の医療や女性の体・精神の見方とか、精神病院の"地下牢"とか。子どもっぽい空想や女性の自立心は抑えなければならない、閉じ込められなければならないもの。女性的・異教的なものは科学や理性に相手にされていない。そういう時代感とゴシックホラーな色合いは大好きなので観てて楽しくはあった。
ただ、結果としては病気(新型コロナを連想させる)にオカルトで対抗したフランツ教授大勝利ってどうなの?だし、エレンが自主性を持った責任を背負わされて死んだのを"愛"とか美談にされてめでたしめでたしに見えてしまって、今作る意味?今っぽさとの噛み合わせ?がうまくいっているかはよくわからない。
#映画 #映画鑑賞 #ノスフェラトゥ
パディントン 消えた黄金郷の秘密鑑賞。
巣立ちを寂しく思う物語。密入国した?パディントンがイギリス国民と認められたって考えると感慨深い。大好きなご家族を自分の故郷へ連れていく話。相変わらずかわいくてよくできてたなー。全体的にちょっとドタバタ感強くなって、空回りっぽさがなくはないけど。
絶対一回は女装入れてきて笑う。イギリス人(アントニオ・バンデラスは違うのだが)、女装好きだよね、知らんけど。あと1・2で警備員だったおじさんがCA役で出てくるのも笑った。オリヴィア・コールマンが存分に力を発揮…あまりにキャラが強くて引くくらい😅
しかしやっぱりサリー・ホーキンスの不在が寂しい。今回のお母さんがダメってことではないんだけど…。
どうでもいいけど、ドラゴンフルーツって中南米原産か。なんか勝手に東南アジアの方かと思ってた。あと遺跡。マチュピチュっぽいのはもちろんだが、エルドラドの入り口になってるところなんかは石の組み方が教科書で見たことある!クスコだ!ペルー!😊🐻😊と思った。子ども向けと侮ってたわけではないんだけど、勉強になりました。
#映画 #映画鑑賞 #パディントン3
X エックス鑑賞。
セックスとバイオレンス!セックスしてもしなくても景気良く死ぬ!血みどろホラー!なんだけど、なんだか悲しくなってしまう。なんだろう、このもやもやした気持ち。若者が田舎に行く系ホラーの盛り合わせ作品だから『クライモリ』も当然連想して、あれの何作目か忘れたけど、殺人鬼一家のセックスシーンがあったのを思い出した。あれはあれで絵面が汚くて嫌なんだけど、この老夫婦のセックスを笑いとかホラーとして受け取っちゃうってどうなんだろって、ちょっと思ったりもして。まぁ、そんなことはこの映画にとっては些末な点なのだけれど。とかいって、そこでモヤモヤしてるくせに、「心臓、そこでは大丈夫だったのに、ここではダメだったんだーw」って、笑っちゃった。ごめんな、じいさん。
ポルノが芸術かみたいな話を作中でしてたのもあって、湖の上からのショットとか美しくて、芸術点高いホラーって素敵。地味ガールが『ウェンズデー』のジェナ・オルテガだったのが嬉しい☺️
#映画 #映画鑑賞 #エックス
怪物鑑賞。
『藪の中』とも違って提示される事実は崩れないままで、それぞれに見える世界が全然違っていて、間違ってないけど間違ってしまうことってあるんだなーと重苦しく感じた。繊細な物語だからこそ、二人しかいない世界がゴールにはなってほしくなかったなぁ…。最後の景色が本当に鮮やかで美しいから、よけいにそう思う。生まれ変わってない今のままだって、先生やお母さんが迎えにきて、その世界でもちゃんと生きていけるっていう話にも、全然できただろうに。私がこれを観た子どもだったら、たぶん苦しいままだと思う。
「白線はみ出したら地獄ね」「普通の家族」という母親の何気ない一言が苦い。いじめや無関心じゃなくても、優しさや愛情、笑い、そういうもののせいで、悪意(がある人もいるけど)なく生き方が狭められ、そこから外れたら地獄なんだ。親も学校もやんわりとミナトの首を絞めていくから、ヨリと二人の時だけ本当に自分のままでいいって思えたんだろうなー。
#映画 #映画鑑賞 #怪物
今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は鑑賞。
しゃべりすぎるんよなー、みんな。それさえなければ、もう少し苦手感も薄れるんだけど。観てればわかることをくどくど?ぐだぐだ?言われるとイライラしちゃう。もっと"見る"に重点を置いた映画の方が、好み。
さっちゃんの「初恋〜」は聴かないけど「セレンディップ〜」は読むんだー脈がないなーとかの感覚はめちゃくちゃわかるし、小西くんの他人と同じようには生きられないし同じようには生きたくないけど、他人を気にしてしまう自分も嫌いみたいな気持ちもなんとなくわかるんだけど。もっと私が若かったら刺さっていたかもしれないが、今や若いなーそれにしてもしゃべりすぎーと、ぼーっと観てしまった。
山根がいいやつ!この映画で一番普通というか、(しゃべり方は変だけど)地に足ついてる。
#映画 #映画鑑賞 #今日の空が一番好きとまだ言えない僕は
けものがいる鑑賞。続き。
あと書いておきたいこととしては、過去編のジョージ・マッケイはちゃんとシュッとしてカッコよく見えるのに、現代編だとちゃんと(ちゃんと?)気持ち悪い感じに見えるの、すごいと思った。レア・セドゥですら年齢で美容整形した方がいいとかダサい扱いされるの、しんどい。
今までそんなに思ったことないし、私だけかもしれないんだけど、言語が混ざる会話シーン、フランス語のやわらかさに英語の音が来ると音が強くて少しショックを受ける、という体験ができたのが面白かった。
けものがいる鑑賞。
過去編も未来編も、現代編のガブリエルが死ぬ間際に見た夢(走馬灯的な?)みたいなことかと思っていて、でもそういうのではなかったようだ。というか、全然わかってなくて、彼氏が買ってたパンフレットを読んで「そういうことだったんだー」と思った、だいぶ私に通じてない。映像の読解力が低い。
どの時代だとしても孤独とかやるせなさとか不安とか愛とか何かしらの、他の人にはわからない感情があって、それをルイだったらわかってくれた。たとえ死んだとしても、殺されたとしても、二人には通じる同じ気持ちが存在している。過去を知った今、記憶に紐づいた気持ちだけが縋れるものなのに、彼の側はそれを"浄化"で手放してしまった。ガブリエルはそこから逃げられないのに。行き止まりみたいな生きがいのない世界で孤独に放り出されることを、絶望と呼んでもいいと思う。
#映画 #映画鑑賞 #けものがいる
マインクラフト・ザ・ムービー鑑賞。
ジャック・ブラック、ジェイソン・モモアのおじさん両名がめちゃめちゃ楽しそうなのは良い、ものすごく良いよ。でも、ただそれだけなんだよなー。マインクラフトに全然思い入れのない人間だからか?とも思うけど、たとえばレゴに全く思い入れはない私でも『レゴ(R)ムービー』は最高に好きな作品の一つなので、それクラスを期待していたら、だいぶ肩透かしをくらった。マインクラフト世界は作り込んであるんだろうし、頑張ってるとは思う。
あと、面白いという意味ではジェニファー・クーリッジがめっちゃ美味しいくて、子どもたちより良いとこ持っていってる。映画全体として、もうちょっと子ども中心にしてくれても良かった気はする。まぁ、おじさんたちの心が子どもと言えば、それはそう。
#映画 #映画鑑賞 #マインクラフト
アンジェントルメン鑑賞。
いいなーと思ったものをなんでももらっちゃう男がヘンリー・カヴィルの顔をしている…かっこよさに愛嬌が滲んでとても良い。
原作・ベースが実話だし、船を盗んだという事実がでっかいので面白くはあるんだけど、一人一人のキャラが薄いのが残念だなー。ダメって意味じゃなくて、もっと彼らの活躍と個人個人のエピソードを見たいって意味で。なんかその後の経歴も面白そうだったし。銃でシュパシュパ撃ってくガスたちのパートはもちろん気持ちよかったし、スチュアート嬢とヘロンのパートもめっちゃ好き。モリタート流れてるー☺️と思ったら歌うし😍好き!
#映画 #映画鑑賞 #アンジェントルメン
異端者の家鑑賞。
いやーなおじさんを嬉々として演じるヒュー・グラントが楽しそうで良かった。予告のせいで『CUBE』やデスゲーム的なあれこれを想像してたんだけど、そういう話でもあまりなくて、リードが同じ場に降りてきてくれるタイプのゲームマスターで、でも主導権は彼にあり、笑顔でマウント取ってくるからめっちゃウザい(演技が楽しそうという良い意味で)。論破してはリード教に改宗させてるみたいなの、気持ち悪いなー。
自分が引き止めているわけではないし、君たちに無理矢理要求などしていないと言いながら、そもそも彼のルールで彼のフィールドで進められる議論?ゲーム?それをパクストンとバーンズ、かわいい若い女の子に対抗させるってちょっとグロいなと思うんだけど、唯一絶対の宗教とは…というリードの提示する正解へたどり着いてなお、心を折られずにパクストンが迎えた結末、またその助けとなった宗教的な一撃はスッキリした。
スパイダーマンでクスッとして、スワンプシングで(心の中で)拳を突き上げた。
#映画 #映画鑑賞 #異端者の家
ベテラン 凶悪犯罪捜査班鑑賞。
今回もご機嫌なオープニングから始まってにっこり。それに、予習の為に前作を観たばかりだったので「主婦賭博団の捜査、本当にしてたんだ!!!」というのも笑った。司法が信頼できなくて正義が傾いたり、それで腐ったりもするけど、それでも犯罪は許さないし、信頼できる仲間がいるってのは、ベタだけどスッキリする。
パルクール大好き!土砂降りバトルがすっごいかっこよかったし、たぶん全体的にアクションに磨きがかかっている!相変わらず痛そうだし、最後なんか満身創痍。かっこよかったー。
最後のラーメン、美味しそうだった!しょっぱいって言ってたけど😅あのシーンがあればこそ、この家族ってたぶん大丈夫なんだろうな(大丈夫であってくれ!)と思った。
#映画 #映画鑑賞 #ベテラン2
ベテラン鑑賞。
ご機嫌なオープニングから始まって、ドチョル刑事も仲間たちも面白いので、軽い気持ちで見ている部分もあるんだけど、被害者のズタボロ具合と黒すぎる権力にちょっと引く…やばすぎぼっちゃん…。アクションがかっこよい+めちゃくちゃ痛そうで、ハラハラした。金でどうにかできる人間だと見下されてる!という時のドチョル刑事の奥さんの反応が痛快だし、そのあと弱さを滲ませるとこも良くて面白かった。あと、去年初めてユ・ヘジンの名前を覚えて、去年だけで3本観たのに全部だいたい良い人の役だったから、デキる極悪人みたいな役にビビった。
事件はハードめだけど、主人公と上司のちょっと気の抜けたやり取りなんかに『犯罪都市』と似た空気を感じるなぁと思っていので、終盤で「すげー!」って笑っちゃった。
#映画 #映画鑑賞 #ベテラン
雑食性映画好き社会人の映画鑑賞記録用アカウント。
本アカ→ @harush11
ここにもいます→filmarks.com/users/harush11