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怪物鑑賞。
『藪の中』とも違って提示される事実は崩れないままで、それぞれに見える世界が全然違っていて、間違ってないけど間違ってしまうことってあるんだなーと重苦しく感じた。繊細な物語だからこそ、二人しかいない世界がゴールにはなってほしくなかったなぁ…。最後の景色が本当に鮮やかで美しいから、よけいにそう思う。生まれ変わってない今のままだって、先生やお母さんが迎えにきて、その世界でもちゃんと生きていけるっていう話にも、全然できただろうに。私がこれを観た子どもだったら、たぶん苦しいままだと思う。
「白線はみ出したら地獄ね」「普通の家族」という母親の何気ない一言が苦い。いじめや無関心じゃなくても、優しさや愛情、笑い、そういうもののせいで、悪意(がある人もいるけど)なく生き方が狭められ、そこから外れたら地獄なんだ。親も学校もやんわりとミナトの首を絞めていくから、ヨリと二人の時だけ本当に自分のままでいいって思えたんだろうなー。

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