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サブスタンス鑑賞。 

観ている間はいろいろと気圧されてしまって、あまり頭が働かなかった。エアロビシーンがテレビCMくらいの長さで、それがずっと圧倒的明るさで描かれる。だから映画全体として、ずーっと通販のCMを見てる、しかもすごく強引な押し売りをされているみたいな感覚があって、そのうえどんどん情報を詰め込まれる。商品は若さ・美しさ・肉体!今すぐこれを手に入れろ!持ってないおまえは無価値!広告やCMってそういう強い情報(価値観)が見ようと思ってなくても入ってくるから、浴びていると疲弊する。
それに加えて、エリザベスの頃は少なくともエアロビの番組ではあったのに、スーの番組では彼女の体は胸・お尻・脚・顔などと切り取られて映し出される。バラバラにされて提供されると、そこにいるのが一人の人間であるという意識が薄れ、消費が加速する。

サブスタンス鑑賞。続き。 

誇張表現が強いほど受け取る嫌悪感も増すので、何を見ても「うわぁ」と引いてしまったが、唯一笑ったのはやっぱ最後のステージのシーン。『キャリー』みたいだと思った。得意の絶頂となるはずのシーンで血まみれになるって。そこで、怪物を作ったのはおまえらだよ!と言わんばかりの惨状になるのが小気味よかった。でももっとやっても良かったと思う。返り血で勝手に阿鼻叫喚なのは面白いけど、彼女が意図的に傷つけたのは自分だけって思うと悲しいが強まるんだよ…。
本当なら自分が自分のこと好きだったらそれで十分なのに、容姿が良くないとみんなから愛されなくなり、自分に価値がないと思い込むこと。彼女自身がモンスターになってしまったけれど、モンスターを生み出したのは彼女にそう思い込ませた社会の方だよなぁ。と、製作の意図は受け取れている(と思う)けれど、こんなまとめ方をすると、映像の強烈さ・ユニークさに似合わず、なんとなくよくある優等生っぽい小ぢんまりした感想に落ち着いてしまう、変なバランスの映画だった。

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サブスタンス鑑賞。余談。 

↑に唯一笑ったと書いたけれど、エンドロールで監督のスペシャルサンクスにキャスト名に並んで、「血まみれになってくれたエキストラの皆さん」的なこと書いてあったのも笑った。
あと、レイ・リオッタの名前もあって、デニス・クエイドの役って、もともとレイ・リオッタのつもりだったのか…

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