MaXXXine マキシーン鑑賞。続き。 

父親殺しまで含めた成功譚となればマキシーンの栄光には一生父親の影がついて回るわけで、独り立ちしても殺しても、いつまでも支配されてるのと同じかもしれないな、と。特段実力もない(と私は思ってるんだけど、実際どうなんだろう?)のに、時の人になることで成功する。それを「才能」と取ってしまうところがマキシーンの悲劇だったりするのかな。

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MaXXXine マキシーン鑑賞。 

一言でいえば、期待外れだった。
なんだろう、絶望してほしかったのかな、マキシーンに。そんな楽しみ方、性格悪すぎない?って自分に対して思うんだけど、そういうのがないと彼女の魅力っていまいち光らない気がする。あと、ナイトストーカー要素のかみ合わせがビミョー。年代を同じに設定しただけで関係ないといえばそれまでなんだけど、事件自体それほど寄せてるわけでもなく…。
支配的な親・親殺しという共通点でパールとマキシーンを見ているので、パールの母親と違ってマキシーンの父親は…と話がひっくり返るのが面白さなのかもしれない。ストーリー的な納得はいくけれど、あれだけドラマチックに盛り上げたにもかかわらず、そこにカタルシスを感じなかった。ただ、父親の丁寧なお膳立て&きちんと踏み台にするマキシーン、と考えると、ステージママ/パパの行きつく先にも思えたのは面白かった、かも。

We Live in Time この時を生きて鑑賞。続き。 

アルムートもトビアスもそれぞれ自分の考えがあっても折り合いをつけながら一つの家族を作り上げていく。自分の意志も大切だけど、それよりも大切にしたいと思える関係、思いやりってこういうことなんだろうなぁ。
トビアスとたぶん同じくらいの年齢というのもあって、(最近見たいろんなキツい作品よりももっと今の私の核心に迫る)キツい部分もあった。タイムリミットとか選択とか。弱っていく自分、「死んだ母親」になるのが嫌なのは、アルムートが命を燃やし尽くしても価値がある生活を送っている、成功している強い人だからだ、と思ってしまう。そういう拗ねた見方をする自分が汚ぇなーと思う。

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We Live in Time この時を生きて鑑賞。 

単なる難病ものだったらシラケて見ちゃうかもしれないところを、子供の存在やプロポーズの時期等の「答え」を知っている状態から、彼らの人生をタイムラインにあてはめていくことになる。読み解いていくような感覚があるので「悲しい物語」としてではなく楽しく見られた。アルムートはレズビアンかバイセクシャルだったようだし、二度目の病気発覚の後「異性愛を全力でやりぬく」のシーンがあったので、子供はいても結婚は必要としてないカップルだったのかな。彼女が子供を産むと決めた理由・彼がプロポーズをすると決めた理由/その内容は言葉にされたりしない。描かないってことは限定されないってことで、鑑賞者が自分の経験や感情に結び付けやすいんじゃないかなーという気がする。まぁ、それこそめちゃめちゃ異性愛規範な鑑賞者像だけど。

JUNK HEAD鑑賞。
独特のビジュアルと世界観、突然食われたりするハードな環境…の割にゆるゆるっとした見た目と良い感じの話で、もにゅもにゅした動きも気持ち悪くてかわいい。終盤のアツい展開もすごい。おまえらだったの?!って思わずつっこんでしまった部分が一番だけど、とにかくそこここで面白シーンがあって、こういうの、好き。
それにしても、だ。制作風景が最後に流れるんだけど、すげー!!!としか言いようがない。こういうの作る技術もそうだけど、根気もすごい。しかもほぼ一人!

テルマがゆく!93歳のやさしいリベンジ鑑賞。続き。 

詐欺師が骨董屋の主人で、酸素ボンベを下げた老人である彼が言う「古いものなんか誰も興味を持たない」は、きっとテルマにとっての真実だ。500ドルの恩情の理由は、ギリギリの仲間意識かもしれない。それでもなお、腐らずに人生をまっとうしようとする、一人で生きられる限りは一人で生きたい!というテルマの姿は、かっこいいし、応援したくなる。良い家族や友人がいるからあのテルマなのかもしれないし、あのテルマだから良い家族がいるのかもしれない。
私の大大大好きなコールソンさん(のクラーク・グレッグ)が出ていたのもとても良いですね☺️

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テルマがゆく!93歳のやさしいリベンジ鑑賞。 

ものすごく『ミッション・インポッシブル』シリーズだった。いろんな意味で。全然ゆっくりだし、最先端(超先端)なガジェットも出てこないけど、身近な電子機器とコネを駆使したオレオレ詐欺への復讐。やたらスリリングに盛り上げてくる音楽。コネといっても93歳だから、おおむねあっちに行ってるか、病気か、施設に入ってるかだ。盗んだバイク(スクーター)で走り出したら持ち主に追いつかれて旅の道連れにする。〇〇さんに似てるわ!とか言って話しかけに行っちゃう老人あるある。そういうものすべて、愛しくて面白かった。邦題には「やさしい」とあるけれど、リベンジってつまり、自立して生きたいという願い、できると証明しなきゃいけない、社会のお荷物ではいたくないという切実な感情で、「やさしい」と括るのはあまり上手くないような気もする。

リライト鑑賞。 

最初のパートはなかなか寒くてつらかったけど、そこさえ我慢すればちゃんと面白かった。のだけど、よく考えるとすげー怖い話だと思う。
みんなよりハードな現実を生きていて世界を少し恨んでいるトモエが、みんなが求める転校生を独り占めすることで世界に復讐する話だもの、これ。未来の自分から騙されていたことも教えられているからヤスヒコを含めて恨んでもおかしくないわけで、クラスのみんなから好かれているたった一人を、別に好きでもない(かはわかんないけど)のに、自分に依存させて未来に帰らないようにさせてしまう。そして学生時代に気づいていればおそらく救いになったであろうシゲルの好意も見落としたまま大人になっている。それぞれに今の生活に満足しているけれども、全然誰も救われていない。
誰への気持ちが一番大きいかといえば、ヤスヒコへの恋心よりも、作品を書けた(かつ、どうしても書いてもらわなければならないし、潰さなければならない)ミユキへの執着が大きい気がしてる。青春キラキララブストーリーよりも、青春ドロドロ愛憎劇の方が好みなので、私はこっちの解釈で行きます。

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