「ブラック・クランズマン」 

近年のアカデミー賞で話題になったデトロイト、グリーン・ブックなどと、当然比べたくなってしまう。グリーン〜が、外側を口当たりが良いテイストに仕上げていたのに対して、こちらは冒頭からメリケンサックをつけて殴りまくるような雰囲気を醸し出してました。
完全に好みの問題ですけど、私はこちらの監督の個性が前面に出ている映画の方が断然気に入りました。

マイ・ブックショップ 

I・コイシェの映画は女子の心情に寄り添う雰囲気がいつも漂いますね。
E・モーティマーのタレ目な表情が、田舎の保守的な雰囲気には負けないと断固とした決意を優しく包む感じしました。エピソード的には辛い事態を重ねていくのに、鑑賞に耐える感じになってたと思います。
意地悪の仕方がイギリス人っぽくて、P・クラークソンを筆頭にヒールらしい安定感ありました。
最後に、この作品見ていてずっと思ってたのは、
ビル・ナイが古書店のオヤジに扮する映画が見たい。(まだ無いでよね??)

ウトヤ島、‪7月22日‬ 

銃声にビビりまくりの悪夢の72分間。
予想通り事件の全体像を把握するにはP・グリーングラスの7月22日の方が適してます。
でも、事故災害テロにいきなり放り込まれた市井の人々って、何が何だか分からない状態でひたすらもがく事を強いられます。それはとても良く描写されてました。犯人の姿は見えないのにこんなに恐ろしいとは。発砲事件や紛争戦争のやトラウマがある方は、きっと花火大会行けないだろうかな。と思ってしまいました。
犯人の思想は過激ですが、でも一方的に糾弾出来ない程極右な方向性先進国各国で広がってますからね。このテロをどれだけ自分の周りの出来事や日本の世相と結びつけて考えられるかで評価が変わりそう。
衝撃大きいですけど、私は見て良かった映画だと思いました。

グリーンブック 

一言で言うと口当たりが良い見易いテイストの映画。2h超の長さは全く感じませんでした。
事実はこうだったと言うよりも、こういうエピソードがあったらいいなあ。という希望的観測だと認識しながら鑑賞しました。
公民権運動前の人種差別の世界は、21世紀の今の時代から振り返ると、この映画のようにふんわりした物じゃなかったんだろうなあと思います。
10キロ増量したV・モーテンセンはいつもとちょい雰囲気が違いましたけど、ガラッパチな用心棒の空気がとても滲み出てました。いい感じ。
史実と違うとか、S・リーが俺の好みじゃない。とか話してて、色々話題沸騰してましたが、やはりとんがってないというか幕の内弁当的な作りが、満遍なく広い客層にアピール出来そうな作りが、アカデミー賞勝利の要因なんでしょう。

メリル・ストリープは沢山受賞してるのに何故グレン・クローズは取れないのか。アカデミー賞…と今年も思いました…

ギルティ 

やった!今の所今年一番気に入った映画です。自分が好きになる映画の要素が凝縮されてました。
限られた空間、練られた脚本、気を衒わずに俳優の演技でじっくり見せる部分がとても良い。
これ、上手い俳優舞台劇でやっても面白そうな設定だと思います。
サンダンスの観客賞受賞だと昨年公開されたサーチもそうでしたが、低予算アイディア一発勝負の良い作品が目に付きます。
昨年は割と高評価の映画が多かったので、今年のやや不調な感じが気になってましたが、やっとそれを払拭出来た感じがします。

ビール・ストリートの恋人たち 

今回も出来が良かったです。
前作と題材は違えど、過酷な境遇の人々を純愛で包むという構成は同じですね。
バリー・ジェイキンズの作風は、映像の洗練度と脚本の巧さのバランスがとても良い人だなあと改めて思いました。

ナポリの隣人 

縁遠い家族よりも近くの知人??
生粋のナポリっ子の偏屈爺さんとお隣に引っ越して来た一家の交流から展開されるドラマ劇。
イタリア映画。苦手な事が多い。大袈裟な音楽と演出に乗れないことが多い。
今回は、人との繋がりを描きつつもしつこくない演出が好印象を持ちました。
欧州で良く見られる中庭があるアパートメント素敵だなあと改めて思いました。プライバシーを保ちつつも他人との適度な距離感が保てる作りの良さが今回良く出ていたと思います。

女王陛下のお気に入り 

鬼才監督Y・ランティモスの作品のモチーフは、海老・鹿と来て今回はウサギ。3作見た中では、今の所これが一番気に入ってます。
魚眼レンズで撮影した、奇妙なアングルの映像&ラトゥールやフェルメール的な絵画的美しさの映像美。
そして、人間の嫌な部分全部見せます的な、狡猾な部分をじっくりと描写した部分が好みでした。
賞レースでは、R・ワイズの方が健闘しているようですが、E・ストーン扮するアビゲイルの世渡り上手キャラの方が個人的にはインパクトがありました。

@makinko キューバサンドがめちゃくちゃ美味しそうでした!

バーニング 

昔読んで割と気に入っていた村上春樹の作品。
年末のTVで放送された短縮版が不満だったので、早々に見てきました。
少し長く感じましたが、映像の美しさ共々個人的には気に入りました。
あれこれ考えながら見るよりも、ゆったりと作品に身を任せて見てる方が心地よいと思いました。

天才作家の妻 -40年目の真実- 

邦題で内容はもうネタバレされてるので、置いておくとしましょう。
予想通り、「G・クローズのG・クローズよる、G・クローズの為の」と言いたくぐらい彼女を大幅にフューチャーした作品。もう、これは今までのキャリアを総括する意味でもアカデミー賞あげるしかないでしょう。
今迄、意地悪おばさんキャラが板についていた感がありますが、今作ではとても抑制が効いた演技でグググっと見る人を引きつけておりました。
対するJ・プライス演じる作家は徹底的に俗物として描かれているので、カレーライスにおける福神漬け的なぐらいの添え物にしか感じられ無い程度でした。
でも、こういう幼稚なおじさんってきっと日本にも数多く存在するるだろうなあと思いながら見てました。今は、こーいうのはウザイって一括出来る良い時代になりました。(まだまだ差別は腐るほどありますけど…)

ジュリアン 

両親の離婚に際し、週末ごとに両家を行き来することになるジュリアンの超嫌そうな顔にインパクトあり。
昨年見たラブレスが沸点が低い夫婦別離なら、こちらは沸点が高い夫婦別離という感じ。
クズな親って、どこの国にも居るんだなあというとても真っ当な感想しか思い浮かばないです。
私は、こういう、身も蓋も無い話はとても好きです。第三者に進んでお勧めはしませんが。

Netflixのライン・オブ・デューティをまとめ見してます。キャストの派手さよりも脚本の巧さで引っ張る感じが好印象。とりあえずシーズン3まで見終えました。

せっかくNetflix に加入したので、昨日より配信開始になりました、グラフィック・ノベルであるPolarの映像化作品を見てみました。
主演のマッツ・ミケルケン目当てでしたが、そこそこ楽しめました。原作買ったけどまだ読んでないので、早いとこ読んでみようと思います。

バハールの涙 

昨年ノーベル平和賞を受賞された方もヤジディ教徒でしたよね。主人公の女性がまさしく平和賞を受賞された方と似た境遇なので、とてもタイムリーな題材ですね。
今の日本の地上波TVのニュースや全国紙の国際面だけを見ていても、全く世界情勢について理解出来ない状況になって久しい。
この映画を見る前に少し中東の情勢について情報があると理解の助けになると思います。
凄惨な戦場のシーンもあるので見る人を選ぶ作品だと思いますが、戦闘員とジャーナリスト。2人の登場人物の描写に絞りつつも背景にある国際情勢もしっかり描かれている、脚本がしっかりした良い映画だと思います。
劇中の従軍ジャーナリストの「人々はサイトをクリックして終わり。みんな真実よりも将来の夢や希望を見たがっている」という台詞が印象に残りました。
お気楽や分かりやすさが重用される風潮に違和感を感じる方のココロには響くと思います。

バジュランギおじさんと、小さな迷子 

細かいエピソードは、現実にはある訳ないだろってツッコミを入れたくなる部分も多いですが、映画は皆んなが見たいフィクションを綴った物。と考えれば腑に落ちる展開だったと思います。
インドとパキスタンだけじゃなくて、日本も近隣国との軋轢を一部抱えてますので、映画の世界だけでもこの作品のような話が出来ると良いんだけど。と見ていて頭をかすめました。
月並みですが、やはりミクロレベルからの人の問題だと思います。外交も国際交流も。
インド映画を見慣れていないので、歌とダンスで綴られるパートが多過ぎて、これ全部削ったら40分ぐらい短く出来そうと思ってしまいました。

@namikirin 私も今回は有料で加入しました。やはりROMA見たさで。昨年1Mフリーのトライアル時にその時見たいものはざっと見てしまいました。去年のカンヌからネットフリックス直配信の映画が出てきたので、その辺を攻めて見てます。ドラマだと、今見ているライン・オブ・デューティが面白いです。

@mame8 先月台北で見ました。ストーリーが少しローグワンっぽかったです。IMAXの方が楽しめるかもしれません。

ホイットニー オールウェイズ・ラヴ・ユー 

音楽映画が当たってますが、これはフィクションではなくて、関係者へのインタビューと本人の映像を交えたドキュメンタリーです。
米のヒットチャートでヒップホップが席巻する前のアフリカン・アメリカンのミュージシャンはマイケルやジャネット、ホイットニーの時代がありました。
その時代を知ってる人は見て色々振り返るのも良いですし、名前は知ってるけど、それ以外は。な若い音楽ファンも見てみると良いと思います。とても才色兼備なミュージシャンがいたという事を。
それにしても、興味深いエピソードも出てましたが、
近親者&関係者へのインタビューを見ていて思いましたが、コイツらが食い物にしていたのかよ。という事でした。ショウビズの世界は光が強いとその分闇も深いですね。
B・ブラウンがテロップが出るまで、誰だか分からなかった…久しぶりに見たら。

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