ウトヤ島、7月22日
銃声にビビりまくりの悪夢の72分間。
予想通り事件の全体像を把握するにはP・グリーングラスの7月22日の方が適してます。
でも、事故災害テロにいきなり放り込まれた市井の人々って、何が何だか分からない状態でひたすらもがく事を強いられます。それはとても良く描写されてました。犯人の姿は見えないのにこんなに恐ろしいとは。発砲事件や紛争戦争のやトラウマがある方は、きっと花火大会行けないだろうかな。と思ってしまいました。
犯人の思想は過激ですが、でも一方的に糾弾出来ない程極右な方向性先進国各国で広がってますからね。このテロをどれだけ自分の周りの出来事や日本の世相と結びつけて考えられるかで評価が変わりそう。
衝撃大きいですけど、私は見て良かった映画だと思いました。
グリーンブック
一言で言うと口当たりが良い見易いテイストの映画。2h超の長さは全く感じませんでした。
事実はこうだったと言うよりも、こういうエピソードがあったらいいなあ。という希望的観測だと認識しながら鑑賞しました。
公民権運動前の人種差別の世界は、21世紀の今の時代から振り返ると、この映画のようにふんわりした物じゃなかったんだろうなあと思います。
10キロ増量したV・モーテンセンはいつもとちょい雰囲気が違いましたけど、ガラッパチな用心棒の空気がとても滲み出てました。いい感じ。
史実と違うとか、S・リーが俺の好みじゃない。とか話してて、色々話題沸騰してましたが、やはりとんがってないというか幕の内弁当的な作りが、満遍なく広い客層にアピール出来そうな作りが、アカデミー賞勝利の要因なんでしょう。
天才作家の妻 -40年目の真実-
邦題で内容はもうネタバレされてるので、置いておくとしましょう。
予想通り、「G・クローズのG・クローズよる、G・クローズの為の」と言いたくぐらい彼女を大幅にフューチャーした作品。もう、これは今までのキャリアを総括する意味でもアカデミー賞あげるしかないでしょう。
今迄、意地悪おばさんキャラが板についていた感がありますが、今作ではとても抑制が効いた演技でグググっと見る人を引きつけておりました。
対するJ・プライス演じる作家は徹底的に俗物として描かれているので、カレーライスにおける福神漬け的なぐらいの添え物にしか感じられ無い程度でした。
でも、こういう幼稚なおじさんってきっと日本にも数多く存在するるだろうなあと思いながら見てました。今は、こーいうのはウザイって一括出来る良い時代になりました。(まだまだ差別は腐るほどありますけど…)
バハールの涙
昨年ノーベル平和賞を受賞された方もヤジディ教徒でしたよね。主人公の女性がまさしく平和賞を受賞された方と似た境遇なので、とてもタイムリーな題材ですね。
今の日本の地上波TVのニュースや全国紙の国際面だけを見ていても、全く世界情勢について理解出来ない状況になって久しい。
この映画を見る前に少し中東の情勢について情報があると理解の助けになると思います。
凄惨な戦場のシーンもあるので見る人を選ぶ作品だと思いますが、戦闘員とジャーナリスト。2人の登場人物の描写に絞りつつも背景にある国際情勢もしっかり描かれている、脚本がしっかりした良い映画だと思います。
劇中の従軍ジャーナリストの「人々はサイトをクリックして終わり。みんな真実よりも将来の夢や希望を見たがっている」という台詞が印象に残りました。
お気楽や分かりやすさが重用される風潮に違和感を感じる方のココロには響くと思います。
ホイットニー オールウェイズ・ラヴ・ユー
音楽映画が当たってますが、これはフィクションではなくて、関係者へのインタビューと本人の映像を交えたドキュメンタリーです。
米のヒットチャートでヒップホップが席巻する前のアフリカン・アメリカンのミュージシャンはマイケルやジャネット、ホイットニーの時代がありました。
その時代を知ってる人は見て色々振り返るのも良いですし、名前は知ってるけど、それ以外は。な若い音楽ファンも見てみると良いと思います。とても才色兼備なミュージシャンがいたという事を。
それにしても、興味深いエピソードも出てましたが、
近親者&関係者へのインタビューを見ていて思いましたが、コイツらが食い物にしていたのかよ。という事でした。ショウビズの世界は光が強いとその分闇も深いですね。
B・ブラウンがテロップが出るまで、誰だか分からなかった…久しぶりに見たら。
フランス映画を中心にヨーロッパ映画が好き。