美術館を手玉にとった男
原題はART and CRAFT
美術品の贋作者のドキュメンタリー
邦題がイケてないけど、原題を上手く訳すのも難しいだろなと思った。
逮捕はされなかったらしいけど事件の犯人の贋作者、それを追ってた捜査官、のちに個展を開くキュレーター、騙された人たち、ソーシャルワーカー、全部実在の人たちが出演してる。
急ぐでもなく怠けるでもなく淡々と生きて、やりたいことやらなければならないことをやり、必要があれば車を運転して遠出し、画材や素材を買い、騙す相手にメールを送り、複写する絵の描き方を研究し複写する。彼は休まない。贋作者という野生動物みたい。
まるで本能のように悪気もない様子で美術品を模試して美術館に寄贈する彼が、初めて捜査官に会うときの気まずさや個展当日の緊張という、本能ではない感情に戸惑う様子が興味深かった。
私のは芸術じゃない図画工作だよ、と最後に彼が言った言葉がタイトルと繋がってそういうことね!ってなった。