コール・ジェーン鑑賞。続き。
ジョイが仕事として最初に会った女性が最初の施術相手というのとか、パンプキンパイ量産とか、真面目なテーマだけど見せ方も面白かった。
体を救ってくれる人の必要性と同時に、心細くて伸ばした手を握ってくれる人の必要性、また救い手を育てる必要についても感じる、強い物語だった。
コール・ジェーン-女性たちの秘密の電話-鑑賞。特別何かに追いかけられるとかいうこともないのに変な言い方だけど、手に汗握って妙なスリルを感じながら見た。
ジョイの施術のシーンはもちろんヒヤヒヤしたし、それ以外でも、もしたった一人でも術中にあるいは術後に何かあったら、それだけで全員の人生が終わるかもしれないし、実際に摘発されてもいる。ただメインはそんな話でも絵面でもない。それなのにずっとそれでハラハラした。私が勝手に緊張してただけなんだけど、そのスリルも魅力だった。
違法だとしてもやらなくちゃいけないこと、やらずにはいられなかったこと。ジョイの体の話を、男たちの誰一人ジョイをまともに見ないで決めていく世界だから。あの描写、すごくゾッとしたし、嫌さが効いていた。ジョイ自身が、ジェーンというグループを通して女性の体について学び直し…あるいは初めてきちんと学んだのかも?まぁとにかく、"ただの主婦"に押し込められたクレバーな自分を発見していく。
#映画 #映画鑑賞 #コールジェーン
DUNE 砂の惑星 PART2鑑賞。
音がすごかったー。めちゃくちゃリッチな体験だった。映像も贅沢で、思う存分世界に浸れる。見た環境(Dolbyシネマ)のせいもあるかもしれないけど、前作より世界にのめり込んで見られた気がする。とはいえ、前の話をしっかり覚えて見ているわけではない。ゆるくてごめんなさい。
宗教的な話だなぁとも思うし、母系・男系の強烈な話だとも思う。アトレイデス家の人間としての立場、死んで蘇る救世主という圧倒的に父権的なイメージ。一方で言語やサンドワームといったフレメンの文化への柔軟性、また母親であるレディ・ジェシカのお膳立てでもって(望まざれども)固まる地盤。その上、女にしか耐えられないという毒を飲む。ポールは立場もそうだしなんというか…男性性と女性性のハイブリッドとしてバランスが取れていたというか、バランスをもたらす者であるような気がするので(知らんけど)、覚醒してその方法しかないという手段が「皇帝の娘を娶る」なのって、バランス崩れそうだけど大丈夫?と疑問。
血統を掌握・管理しているらしきベネ・ゲセリット、本当に不気味ー。
#映画 #映画鑑賞 #DUNE2
ミラベルと魔法だらけの家鑑賞。
そりゃあそうなるでしょうと言われればそうなんだけど、魔法が答えではないというのが良かった。みんなの役に立たなくちゃいけない、愛されなければいけない、そうじゃないなら価値がない。そんなことはないのだ、ミラベルにしても、他の家族にしても。ミラベルには魔法はなかったけど、優しくて賢くて行動力がある、それは全部ミラベルのギフトだ。魔法が使えるからこそ、魔法しか見えなくなっていく家族。家のしきたりに押し込められるプレッシャーに下の世代は密かに苦しんでいるのに…。そういう、家族の限界が、「家が物理的に壊れる」という目に見える形になるのが面白かった。
#映画 #映画鑑賞 #ミラベルと魔法だらけの家
アンテベラム鑑賞。
「昔は良かった」の究極の、そして最低な形の一つ。この映画、1番の旨みは「えっ⁈」となることだと思うし、ネタバレも今まで踏まず、ポスタービジュアルもあらすじも読まずに見始めたため、「えっ⁈」のチャンスはあったはずなんだけど、そういえば学生時代に『キンドレッド』を授業で読んだなぁなどということを考えていたせいで意外性が一切なく、そこを逃してしまった。もっと集中して見るべきだった。あ、『キンドレッド』と話が似ているわけではない。
黒人でも白人でもない人種としては、隷属させられることの本質的な意味も、本気のごっこ遊びで支配したい気持ちもきっと正確にはわからない。昨今のあれこれを考えるに、そもそもその同じ舞台に立ててすらいない現状…とも思う。非常に居心地が悪いし、悪意を感じる、良い映画だった。
#映画 #映画鑑賞 #アンテベラム
善き人に悪魔は訪れる鑑賞。特別面白くはないけど、イドリス・エルバを見るためだったら良い作品。
悪人の更生の話かと思ったら、主婦の自立の話だった。自分を大切にしてくれない者など、捨ててしまって良いのだよ。
「刑事ルーサー」でイドリス・エルバを知ったので、ただの良い人よりは悪人に寄った役をやってほしいなーと思う。その意味でこれは大変美味しかった、悪人寄りというか完全にサイコパス殺人鬼そのものだけど。あの図体って普通に考えたら怖いのに、話術も巧みでスルッと人の懐に入り込む魅力がある。セクシーだし(無駄に濡れるし無駄に脱ぐ)、それにちゃんとキレていて怖い。
しれっと旦那がクズ野郎で笑っちゃった。
#映画 #映画鑑賞 #善き人に悪魔は訪れる
私ときどきレッサーパンダ鑑賞。続き。
だから、13歳で、わだかまりの発生直後?に爆発して対決できたのは、良かったなぁと思う。というか、救われた。もしこのまま成長したら『エブリシング・エブリウェア・オール・アットワンス』になっちゃうんじゃないか。お母さんだけなんか勝手に納得できて良かったですね、過去や現在の私が救われるわけじゃないけど、みたいな和解といえるかどうなのか…という母娘。もっと拗らせたらやっぱり『キャリー』路線になっちゃうんじゃないか。それを考えたら、13歳というのはファンタジーでふわっとさせておける、すごく良い(ある意味ずるい)年齢設定だと思った。ディズニーだし「モンスターは死すべし!」な流れにならないのは当然とはいえ。メイが親の理想じゃない"自分"を自分で受け入れることができたという結末にホッとしたし、ミンの結末・母との和解にもホッとした。これからもぶつかることがあるかもしれない、でもぶつかってもきっと大丈夫なんじゃないかな、この家族なら。と思えたので、苦手な話だと思い込んでた割には総合的に悪くなかった。
私ときどきレッサーパンダ鑑賞。
本当のことを言うと、終盤までは、あまり好きな映画じゃなかった。最近だと『ボーはおそれている』もそうだったし、ああいう大人になっても親が怖いって話って、『ジプシー』を見て以来結構苦手に感じていて。父親がフォローにまわるのも(よく考えれば、これは甘やかしているわけではないし、夫婦・家族の形として全然アリというか良い家族だし、同時にジンがミンのことをずっと昔から好きで今でも夫婦の関係が悪くないことの証拠でもあったんだけど)今まで空気だったのにこういう時だけ男がしゃしゃり出てきて"いい人"やるのって都合よくない?とちょっとムカついたし。
でも、メイの爆発もさることながら、ミンが爆発してくれたのが良かったなぁと思う。根深い意識だった。期待に応えられない、ダメな人間でごめんなさいって。ミンもミンの母親も子どもにそんな思いをさせることを望んではいないのに、結果としては子供を愛しているのに「期待に応えられなくて親が怖い」の気持ちを再生産しかけていた。
#映画 #映画鑑賞 #私ときどきレッサーパンダ
#MCTG
舞妓はレディ鑑賞。
上白石萌音の芋くささが最高にハマっていた。頑張ってるし、応援したくなる、絶妙な芋。(まぁ芋くさい最初の方でもダンスシーンの姿勢の良さとかただものじゃなかったが)それに最後の大変身!これを見るためだけでも、この映画を見て良かった。本当にかわいくて、良かったなー。そこは良かったし、私は藤純子が好きなのでおかあさんが初恋の話をするシーンも好き(すごい、ミュージカル映画らしい!という絵だった)
おかあさんの人生哲学、もうそんな時代じゃないから女の子たちも自由で自立して生きられるように〜まで言ってるのに、最終的に、「先生のこと大好き」と『マイ・フェア・レディ』に合わせなくてもいいのに。全然わからん。あの先生、いいとこあったか?顔?濱田岳の学生さんの方が正直で良い人だと思う。
#映画 #映画鑑賞 #舞妓はレディ
捜索者鑑賞。
ジョン・フォード監督作品。初めて見たような気もするし、でもやっぱり姪のあの展開を知っていたような気もするし…。よくあるっちゃよくある話なんだろうか。でもまあ、何度見ても良いものですね。
イーサンの鬼気迫る様子が怖いくらいなので、どちらかといえば血気盛んな若者側のマーティン・ポーリーがストッパーになるのが面白い。コマンチも怖いかもしれんけど、正直なところ、イーサンも怖い。
殴り合いの喧嘩をみんなで眺めたり(レディたちが身を乗り出してみている!)、マーティンとローリーとのやりとり(3つの時からステディな関係よ!)だったり、ロッキングチェアこだわりおじさんとかも面白くて、おおらかな感じも良かった。
#映画 #映画鑑賞 #捜索者
月に囚われた男鑑賞。
はぁ…良い映画だった。しんどいはしんどい、納得したハッピーエンドだとしても。彼だからこそ、つまり自分だからこそと考えて託した気持ち。一緒にいたのが彼だからこそ、死にゆくときに写真や映像じゃない本当のテスの思い出と共に逝けたのかな…と思っていたので、あのサムの視点で脱出していくのが見えた時、息がつまった。全然話は違うんだけど、ほんの少し『ガタカ』を思い出した。
人殺しなんかできない自分のことをよくわかっているところ、ガーティの"Kick me"を剥がすところも好き。ガーティも何だろうね、それがサムにとって…これまでの無数のサムと今のサムにとって…正しいとわかって行動したみたいなところが、さみしくて良かった。
#映画 #映画鑑賞 #月に囚われた男
SISU/シス 不死身の男鑑賞。
時代も場所も違うのに、なんとなくこれは西部劇だと思った。主人公ジジイだし全体的に灰色だし全然喋らないし激渋。「あれはコシチェイ…!」みたいなこと言われても知らんし…ってなるけど、そういう説明セリフとかは全部敵側だったり、渋いけどなんか面白くって、バランスが良い。戦闘シーンは全部良いんだけど、女の子たちに銃を差し出すのと、受け取った女の子たちもまた良い。トラック横付けするシーン、煙が薄れたら横並び行進シーンとかね、キメッキメで大変良かった。良いしか言ってねーな、本当にw
犬ー!!!と思ったら、馬ー!!!で泣いた。でもその後、地雷…そんな…頭で…ってなったりで笑っちゃったし(笑うな)、終始シリアスなので全然ギャグぶってはない…とはいえなんか笑っちゃう面白さ。不思議。
犬質なんて卑劣な!と思ったら、悪人はもっと卑劣だった。あんなことさせるなんて!ひどい!犬はかわいい。癒し。
#映画 #映画鑑賞 #SISU
ARGYLLE/アーガイル鑑賞。続き。
減点するところだっていっぱいあると思う。例えば、サム・ロックウェルもヘンリー・カヴィルも大好きなんだけど、流石に二人の入れ替わり立ち替わりが多すぎて画面がガチャガチャしてしんどい。面白くてもこのしょーもなさはしつこい…。けど、終盤カラフルスモークでダンスするのがマシュー・ヴォーンっぽいなーと思ったらマシュー・ヴォーンだった。あの人なら仕方ないかぁ。知らずに見てたのに当てるとか、私、やるじゃん!の意識で、なんかそういう減点部分がうやむやになってしまう。
ARGYLLE/アーガイル鑑賞。そうはならんやろ…というのがだいたい全部なる、サメ映画みたいなスパイ?ムービー。
あっはっはっ😂もうこれは!こんなのは!エリーのお父さん(の設定)が歯科医…?となった瞬間にスイッチが入ってしまって、私の負けが確定した。「本屋に行ったら歯医者がスパイだった」あのスケッチが、超豪華キャストで映画化されてしまった。違う。違うけど、思った通りお父さん(の人)もスパイだったし。これは間違いなく英国歯科医師協会の協賛…モンティ・パイソンポイント100億点で優勝。
真面目な話をすると、小説家のエリーと、その人生に突然現れた本物のスパイであるエイダンの話だと思っていたので、ロンドンに入って最初の捜査で、なんで?となった。アーガイルのセリフを言うのがエリーで、相棒のワイアットのセリフを言うのがエイダンになるから。ちゃんと意味があった。むしろそここそが意味だった、というのがめちゃくちゃ好き。それと、ジャンルが変わったー⁈と驚けるような話が好きだし、単に、バカみたいな話も好き。この映画はそれがいっぱい詰まっていて、どんどん加点される。
#映画 #映画鑑賞 #アーガイル
Uyyala Jampala鑑賞。イライラする恋愛もの。
少しも面白くなかったとは言わないけど、いじめっ子的な恋愛とか、他の人と付き合って気を惹くとか、子どもの頃に卒業しておけよ…。主人公もヒロインも若いと言ってしまえばそうなんだけど、なんだかなぁ。これが楽しめる人は幸せな人だと思う。
前半に出てくるキモイ男くらいムラリがすげー悪いやつだったりしたらいいけど、ただただ子どもの頃からウーマのことを好きなだけの良いやつなのでモヤモヤする。古今東西いっぱいある、この手の話はいつもモヤモヤする。その上ウーマがスーリを好きなのが全然わからんので余計にモヤる。隣に住んでる顔がいい男というだけなら(悪党退治&迎えに来てくれたりはしてるけど、それはそれ)お見合い結婚でもムラリとの方が幸せになれそう。
好きなところがあるとすれば、スーリの母親の「将来を本気で心配するほど、赤ん坊のあなたは泣いてばかりいた。あの子が人生に現れて初めて笑ったあなたが、あの子が(結婚してここから)いなくなったら、この先泣き暮らすかと思うと心配で心配で…」の言葉は面白かった。
#映画 #映画鑑賞 #UyyalaJampala
どん底作家の人生に幸あれ!鑑賞。ネタバレって話でもないけど『ソルトバーン』のネタバレな追記。
脇役だけどユライアで強烈に『ソルトバーン』を思い出して、そっか…やっぱりディケンズの時代からそうなのか…となる。ディケンズの時代というかもっとずっと昔からそうだしこれからも、上流と下流(の意識)がある限りその恐れ/下剋上精神はどちらの側にも根付くのだな。安直だけどその究極の形は『タイムマシン』だろう。直そうとか変えたいとか…までいかなくても…居心地の悪さだけでも生まれればそれは良いことかもしれないけど、作品読んで面白かったーで終わっちゃうだけならその作品自体って意地が悪いと思う。好きだけど。
どん底作家の人生に幸あれ!鑑賞。
良かったことも悪かったことも、人生の切れ端を書き散らした紙をいっぱいに詰め込んだ、目まぐるしくも楽しい物語。
『デヴィッド・コッパーフィールド』を読んだことがないのだけれど、あらすじを読んだ限り割と展開としては忠実で、波乱万丈なのはそのままなのか!と面白かった。だいぶ駆け足だと思う。思うけれども、すごーくこだわってるのだと伝わってくるし、キャラクターがそれぞれものすごく立っていて、演じる人たちのバリエーションが豊かなのも面白かった。
きったないロンドンの街やカンタベリーのおばさんの家…特に庭が大変美しかった。また、一番良かったのは海辺の船の家。幸せだった子供の頃はものすごく楽しく見えた場所が大人になって訪れるとあの頃の魔法が消えたように見える、みんなの優しさはあまり変わっていないのに…みたいなところ、ぐっときた。
ディック氏(ヒュー・ローリー)やミコーバー氏(ピーター・カパルディ)が変人すぎる良い味出しまくってて最高に好き。すっとんきょうってこのことか。愛しい🪁🪁🪁
#映画 #映画鑑賞 #どん底作家の人生に幸あれ
ナイトクローラー鑑賞。
へぇー…面白かった。好きじゃないけど、面白かった。積極的に悪事を犯すわけじゃないんだよね、ただものすごく倫理観がずれているだけで。じわじわと話の通じなさや押しの強さが現れてくる。人から吸収して人を思い通りに動かしていく。そして吸い尽くして使い捨てる。ルイスのヤバさは、派手で酷であるほど価値が高い事件映像とがっちりと噛み合う。"本当"よりも"みんなが見たがる"が重要で、人は作られた話を喜んで消費している。月並みな言い方だが、面白かったけど、面白がることの怖さも感じる。
事故の映像が結構派手で怖いし、事件を追っかけるスピードも怖い。ルイスはろくな死に方しないだろうなというか、ろくな死に方しないでほしい。
ジェイク・ギレンホールってちょっとかわいい顔だから、そういう人から、主人公ルイスのえ?なんかこの人ってヤバいんじゃない?感が漂うと、さらにヤバい感じがして大変良かった。
#映画 #映画鑑賞 #ナイトクローラー
ボーはおそれている鑑賞。続き。
で、それはいいんだけど、3時間もそれをやる必要あったのかなー。乱暴な言い方をすれば、あの初恋?のくだりだけあれば、他はなくても良いかなー個人的には。3時間あの世界に浸れるほど読み取れていないし、読み取ろうという気にもならない。今のところ、理解できてなさ的に『ヘラディタリー/継承』と『ミッドサマー』の中間な感触。アリ・アスター、やっぱりあまりピンとこない。
初恋?の部分、ちょっと『ロリータ』っぽさを感じる。そういえば『ロリータ』もロードムービー的な話だし。"ぽさ"というのはロリータ周りじゃなくて、ハンバート・ハンバート氏周りで。同じく彼の初恋あたりの話を。で、そこからの単なる思いつきなんだけど、『ロリータ』に言葉遊びがたくさんあるようにこれも(私はきちんと拾えてないけど)そうなんだろうなーと思う。ボーはBeautyのBeauなのかなぁとか、Beauが生まれるのが始まりでBoatが残るので終わるのとか。
雑食性映画好き社会人の映画鑑賞記録用アカウント。
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