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ボーはおそれている鑑賞。 

『ミッドサマー』は予想外のことが何一つ起こらなかったのだけれど、こちらは予想外の画しか出てこない独特さ。どこなの?何なの?いつなの?ずっと悪夢みたいな話。ずっと悪夢なのであればそれはきっと胎児の見る悪夢だ。何かにつけて彼につきまとう"水"のイメージに顕著で。最後に入っていく洞窟も胎内なのだろう。「胎児よ 胎児よ 何故躍る 母親の心がわかっておそろしいのか」は『ドグラ・マグラ』だけれど、母親の心がわかっておそろしかったら、生まれる前に死ぬほかないのだろうなぁ…という話だと私は思った。別にそれが中年男性である必要はないので、全然考え違いってことならそれでいい。っていうか、本当に、意味が、わかってない!まぁ、他にも胎児の夢だと思った理由があって、圧倒的に母と息子の物語だということ。あの屋根裏のあれとか、最悪な言い方だけど、生まれるまでは父親の存在ってソレでしかないし…とかね。最悪だ。絵面も最悪だけど自分の発想も最悪だ。

Batman & Mr. Freeze: Subzero鑑賞。映画かどうかっていうと微妙だけど、いつもの(TASの)形ではないって意味でとりあえずこっちに。 

うわぁ…何というかこう…バレンタインに見たいお話ですね💝(?)私はバレンタインを何だと思っているの?でもハッピーエンドかどうかで言えば、これはハッピーエンドだ、と私は思う。キャピキャピした"ロマンチック"ではないかもしれないけど、愛以外のなにものでもない話で、それがちゃんとね、達成されるのだから。泣ける…。
映像面では、TASよりグリグリ動くー!というのが新鮮で面白かった。特に乗り物系。キャラクターの見どころとしては、バッツとロビンはもちろん良いのだけれど、バットガール…というかバーバラがすごく良かった。強い!かっこいい!機転が利く!ってのはもちろんだけれども、手を差し伸べられる人間なんだよなヒーローってやっぱり、というところが。サラッと描かれているけど、本当に良い。ゴードン本部長の親バカぶりが楽しかった。ディック、一応認められてるやんw

犯罪都市 THE ROUNDUP鑑賞。
いやー、今回も強かったー。それにさ、最後のバス内もだけど、序盤の、敵の潜伏場所での対決も狭い場所アクションで、めちゃくちゃかっこよかった。マ刑事が強くて安心して見られるというのがあった上で、今回の敵、刺し方とかちょっと普通じゃなくて、テンションが特別変わらないというか、タメがないまま凶行にいたるというか、突然キレる、それもわりと捨て身でキレるアクションに入っていくのが怖くて良かった。
相変わらずな感じの上司も、そしてまさか続けて出てくるとは思わなかったイスさんも、いいキャラしてたw

枯れ葉鑑賞。
『デッド・ドント・ダイ』を見た時の自分の感想が「ずっと低空飛行みたいな映画」だったのだけれども、こちらもずっと低空飛行みたいな恋愛映画だった。これといった熱烈さ?はないし、間が悪いというか運が悪いというか…。ある意味ドラマチックな事件はあったけれども。ホラッパのあまりの間の悪さにちょっと笑ってしまった。それによって引き出されるアンサの面白さ。「妹です……信仰上の」でよく私の腹筋は崩壊しなかったなぁと思った。あと冷蔵庫のバラバラ死体の話も危なかった😂
いわゆる恋愛映画的な盛り上がりがなくとも、アンサの表情はじわじわ変わってて、電話を待ったり慌てたり、ほんのちょっと笑うとか、そういうところがたまらなくかわいいと思った。あと、ダメだってなった時にすぐ流しの下のゴミ箱に捨てるの、切ない。買ったばかりのお皿も捨てる。パタンと閉じて、まるで心にも蓋をするように。彼女はそうやってたくさんのことを終わりにしてきたのかもしれない。
ずるずると、それでも前に進まなければならない灰色の毎日と、ふとした出会い、ほんの少し色づく景色。面白かったなぁ。

犯罪都市鑑賞。
マ・ドンソク!覚えた!ワンパンで何とかしてしまう説得力。腕パンパンだ…すごい…とずっと思ってた。面倒見が良いし、仲間・上司ともコメディチックなやりとりがあって面白かった、まぁ暴力刑事(複数…というか概ね)ではあるんだけど。
そっかぁ、バンバン撃ったりしないのか!っていうのが気づきというか、意外だった。アメリカ映画の見過ぎですね、私は。手斧にナイフ、防刃ベスト、それと素手。むしろ素手。
中国系マフィアこと朝鮮族って呼ぶんだね?あってるよね?その一人がエクストリームジョブのお料理担当刑事の人で、人の顔覚えるのが苦手な私でも覚えられる、いい顔してる!と思った。(でもこっちの主人公がマ刑事で、向こうの彼の役もマ刑事なので混乱する)

ディヴァイン・フューリー/使者鑑賞。父の愛ってことは神の愛ってことだもんなぁ…などと思いつつ、ヨンフの頑なでありつつも人を見捨てられないキャラとアン神父の優しくも飄々とした?キャラ、行きがかり上のバディがなかなか面白かった。成り行きでエクソシズムに関わった主人公が総合格闘技のチャンピオンなのでまぁ強い強い。エクソシズム(拳)。安心してみられる。ネオン×拳みたいな黒い廊下でのアクションシーンとかめっちゃかっこよかった。あとあの敵をズルズルッといった、アレのビジュアル、不気味で気持ち悪くて良い!

REBEL MOON パート1:炎の子鑑賞。
なぜかあまり期待してなくて、見るのを先延ばし先延ばしにしてきたのだけど、悪くない!あ、これでは言い方が悪い。面白かった!こういう、仲間集めてく系のやつ好きなんだよね。元から次があるってわかってるから物足りなさは全然我慢できる。タラクやネメシスのアクション、かっこいいし見てて楽しい。バリエーションが多いのって良いー🥰あと、私はセンス8の影響で、戦うぺ・ドゥナが好きです!🥰コラやガンナーのこれからもだけど、正直ジミーが一番気になる。
ザック・スナイダーってミュージックビデオくらいの単位の映像が最高にかっこいいよね、と思っている。私は映像のリアルさとかに全然こだわりがないので、むしろこういう絶対に無い場所とか無い戦いが見られるのはすごく楽しい。その単位で仲間を集めていく・仲間の見せ場を作る構成だから、嫌いなわけなかった。そういえば私は『エンジェルウォーズ』が好きだ。これでは『レベルムーン』の感想とは言えないかもしれないが、自分が好きなもの再確認できて良かった。

不思議惑星キン・ザ・ザ鑑賞。 

再見。改めて見ると(改めて見ても)めちゃくちゃ緩いな。ボタン押したら、何のタメもなくもう地球じゃないんだもの。
人種差別的だし屈辱だし全然意味わかんない奇妙な世界を味わったマシコフとゲデバン君が、"最初"に戻って、何だかちょっと寂しいな…と思ったところでの「クー!」はすごく良い。グッとくる。なんか寂しいけど、見捨てない選択をした人間の善性、忘れて(無くなって)もなお残るものを見せられたような、なんでこんなおもしろ話に素敵なオチを持ってくるんだ!悔しい!好き!

きみの鳥はうたえる鑑賞。うーん、私向けの映画じゃなかったな。 

こういうぼやっともやっとした関係、「わかるなぁ」だったり「バカだなぁ、若いなぁ」だったりのどちらにしても、違うタイミング・人生のシーズンで見ていたら何かしらの感想を持てたかもしれないけど、うーん…これといって何の感想も抱かない凪?凪どころか無だった。
一番強く印象に残ったのは、染谷将太って卓球上手い気がする。以上!
せっかく見たのに「無」ではあまりに誠実でないのでもうちょっと書く。今楽しければいいっていう生き方は別に好きにすればいいけど、本当はどうでも良くないのにどうでもいいふりをしていると、何もかも離れていってしまって結局自分には何も残らない。それってすごく寂しいと思う。で、彼/彼らをこう描いてきたのに、最後にあんな走るのは、ダサいと思った。そのダサさを愛せるかどうかで、評価が分かれるんだろう。私は(彼らのことは)どうでもいいなーと思っちゃうので無なんだと思う。

夜明けのすべて鑑賞。じんわり良い映画っていうのも、良いものですね。 

おかゆみたいなあたたかさ。寄り添うまで行かなくてもいい、見守るくらいがちょうどよいってこともある。あまりこういう映画を好んで見ていないので、何も起こらなさに動揺しつつ、ポロポロ泣いてしまった。何も起こらない優しい物語。理由があってもなくても生きていくのは誰しも大変で、でも「誰しも」という言葉で片づけられない自分の気持ちってものがある。病気や障害なんかの理由があればハードルは上がっていく。でも「無理せず」を受け入れて受け入れられていく。そういう関係を築いていく。しっかりした人から見れば甘いし向上心がない世界に見えるかもしれない。でも思いやりで回っていく世界って、「無理せず」と言いながらちゃんと気にかけてくれる人がいるってことだ。フジサワさん・ヤマゾエくんの会社の人、またヤマゾエくんの元上司の人の感じとか、そういう懐の深さ?柔らかさ?がまず良かった。そして、ヤマゾエくんが受け入れていくこと、また最初の頃は受け入れられなかったというとこまで、意外とはっきり言葉にされているのも良かった。

デッド・ドント・ダイ鑑賞。2度目かな。結構好きなんだけど、なんで好きなのかよくわからない。爆笑ではない笑いと、ずーっと低空飛行みたいな雰囲気はいつ思い返しても心地よい。が、死んでからも執着した生き方を踏襲(?)するのって、生きている間から死んでいるのと同じことだと思うとちょっと怖いね。
ワイルドアニマル?セベラルワイルドアニマルズ?ふふふ🤭

呪術召喚/カンディシャ鑑賞。 

バカなことしたから落とし前をつけるっていうだけの話なんだけど、そもそもの発端は復讐心なので、なんかそこらへん…もっとさっぱりした話にしてあげたっていいじゃんと、モヤッとする。1番悪いやつあっさり死ぬし、特に悪いことしてない人が悲惨に(グロめに)死ぬからスッキリしないのかな。
召喚されるモノのヴィジュアルは大変良い。もともとああいう形だったわけじゃないのに「○○(蹄があるとか、山羊の足だとか)らしいよー」みたいな話が広まるうちにアレがああいう形になっていったんだったらいいなぁ。ただの私の希望。

Soodhu Kavvum鑑賞。邦題:キケンな誘拐。 

有力者は誘拐しない、高額は要求しない、殺すタイプの脅迫しない、武器は持たない、捕まったら即投降する。無職の三馬鹿が偶然出会ったのは、誘拐五箇条を信条として小金を稼ぐ誘拐犯だった。のに、大物に手を出したら…というゆるーいクライムコメディ。あまりにもゆるくてあまり人が死んだりもしないし、リーダー🐻がちょっとおかしいのも突っ込んだ説明がない!いるならいるんだよ!彼女がお着替えするのもかわいいwなんだかんだで誘拐犯を応援してしまうし、いろいろとそれでいいのか…みたいなブラックさもある、面白い話。
ヴィジャイ・セードゥパティ、やっぱり好きだなー。クマ感🐻がある方が好き!

哀れなるものたち鑑賞。 

概ねセックスばっかで笑ったとはいえ、奇妙で爽やかな…あるいは奇妙に爽やかな、面白い映画だった。『フランケンシュタイン』みたいな話かなぁとは思っていて、実際そうでもあるんだけど、大人の女性の体に子どもの精神…しかもそれを利用、もっと言うなら消費しようとする男ってグロすぎん?というところからだいぶ突っ込んでいくので、本当に哀れなのは…と考えると、笑えるって意味でも面白かった。
以前見た映画で「『フランケンシュタイン』と『マイ・フェア・レディ』は同じ話だ」と言うセリフがあった。ベラを小娘と侮って世界を教えてやってるつもりだったダンカンは、彼女が成長するにつれ溺れて哀れで惨めでどうしようもない小物になりさがる。そのなっさけない姿…マーク・ラファロは最高だったなと思う。もちろん、世界を見て、自分を改良していくベラ、エマ・ストーンが全部良かったのがあってこそ。
ベラの体はベラのもの。ベラの自由もベラの意思も、ベラのもの。そういう話だから、描写?絵面?は奇妙でも、わかりやすい話だった。

市子鑑賞。 

うっすらと戸籍がどうとかという話だとは知っていたので、市子として生きられないのは市子のせいではないのに…と思っていて、ところが(市子に対して社会が容赦ないのは当然としても)市子がしたことも、意外と容赦のない話で驚いた。そうか、サスペンスか。それも、市子が何者なのかという以上の物語。
手放せず鞄の底に忍ばせた幸せだった頃。幸せになりたい気持ちと、どうにもなれない閉塞した人生。長谷川が悪いわけでは1ミリもないんだけど、結婚という形を選ばなければ始まらなかった失踪でもあって、重いー。いやー、良かった。市子の切実さとやさぐれ加減、そしてモヤリとした得体の知れなさが絶妙。長谷川も必死さと良い人さがよくわかってとても良かった。グショグショに泣くの、めちゃくちゃいい。

ベンジャミン・バトン 数奇な人生鑑賞。
なぜか(私がバカな映画大好きってのはおおいに関係あって、なんかちょっとヒューマンドラマ系苦手なんだよねーみたいな感じで)今までこの映画を避けていて、やっと見た。ヒューマンドラマっていうか、設定ががっつりファンタジーで、不思議な質感の映画だった。誰もが進んでいく中、戻っていく人。でもその戻っていく人の語りで進む、奇妙さ。始まりと同じところへ。じんわり、良い話。私がもっと誰かのことをしっかり好きになって大切に思える人間だったら、きっともう少しはこれを好きになれるんだろうけれど…この映画は私みたいなやつにはもったいない作品だなぁと、謎の立場で見てしまった。
内容とは関係ないけど、WBのロゴの画面がボタンでできてて凝ってる。

Saltburn鑑賞。続き。 

と同時に、聖人ぶってるフェリックスもその家族も自分を惨めにする存在であって憎くてたまらない。太宰治の『駆け込み訴え』に近い気持ちというか、あれが好きなので私の考えがそっちに寄ってしまう。で、フェリックス(とその家族)の施しは普通であるという善意=無意識の傲慢が、オリヴァーの哀れで情けない信仰心に噛み合ってしまった、と思っていた。そこが良いなぁと。
なので、告白のくだりが…なくてもいいかなぁ…。せめて、最初の自転車の出会いだけでも偶然だったと考えられる余地…単なる愛や崇拝であると考えられる余地がほしかった。あの告白をぼやかしても全然作品として成立すると思うんだよね、たぶんそうなんだろうという気持ち悪さは消えないから。わかりやすさを省いてでも純粋さに残っていてほしかった、私は。最初から全部計算ずくだと明示されてしまったので⭐️3.8。と思っていたけど、この作品を「太陽がいっぱい」に準える感想も聞いて、その発想が1ミリもなくて、あーそうか!と新しい視点が開けたので⭐️4.5。

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Saltburn鑑賞。非常に気持ち悪いシーンもあるが力作ー!!! 

ダウントンアビーほどではないけどわりとあんな生活を普通にしてるご家族が"蛾"を招き入れたことで食い尽くされていく…うーん、めちゃくちゃ面白かったけど…信仰の話だと思っていたからなぁ。愛憎半ばする崇拝。フェリックスの下にはたくさんの人が集まるけど自分はあんなご機嫌取りみたいなやつらとは違う、本当のフェリックスを理解している。かわいそうであればフェリックスが自分のことを見てくれるのなら、他人からどんなに惨めに見えようとかまわない。フェリックスのために何かする(部屋の掃除とか)ような対等の人間では突き放される、恵を享受するだけの何もできないかわいそうな人間であれば深く気にかけてもらえる。近づきたくて側にいたくてたまらないから、何にでもなれる。お父さんにはごまをすり、お母さんには友人の悪口に乗り、お姉さんがコントロールされたがっているならdomに徹する。

アクアマン/失われた王国鑑賞。 

オーム君を100倍好きになる映画だった!アーサー一家をみんな好きになれ!
実は最初の方、なぜか情報が全然頭に入ってこなくて「あれ…私…楽しめてない…」と思ってたんだけど、オーム君が出てきたあたりからはしっかり楽しめた。スターウォーズやキングコングやモスラみたいなのいっぱい出てきて楽しいねぇキャッキャッ😆ブラックマンタとのトライデント殺陣、最高にかっこよかった!アーサーとの関係をやり直せたオーム君はアーサーの呼びかけに応えられたけど、用済みにされたブラックマンタの表情…復讐心も利用されていい面の皮だな…と思ってたので、彼の選んだNeverという結末は、私は支持できる。矜持!
キャラクターはめちゃくちゃいいけど、ストーリーはそれほどでもなかったかも。島一個無くなってるし、極地の氷もガンガン崩してたが、地球温暖化はアトランティスの技術力でなんとかなるんです?
映画外の事情というのは百も承知だけど、予告で見たほどメラ様削られてないじゃん…映画の外はともかく、メラというキャラクターは好きだからちょっと嬉しかった。

Puriyatha Puthir鑑賞。 

始まりや覗き見ショット、不穏さが時々入りつつも、カシールとミーラのラブストーリーと思っていたのに。「おまえが愛した人間をおまえから奪ってやる」の究極形はしんどい。面白かったけど。
若気のいたり&友人同士の馴れ合いが最悪な結果を招いた。カシールは全然悪い奴じゃないし悪友たちの態度とも違う比較的真っ当なというか、ごく普通の善人といえる人なのだけれども、「悪いことは何もしなかった」は最善ではない、止めることもできたはずなのにそうしなかった/できなかった人でもあって。カシールと同様、ミーラもまた友人の死に加担した1人でもある。全部しんどい―。現ルームメイトを疑わせる→実家突撃→ミトゥは何年も前に死んでますが?…ミーラが撒いたヒントが悲しい…。カシール視点で心底愛した人を失うのは悲しいと思うけど、ミーラ視点もめちゃくちゃしんどい。復讐物語は嫌いじゃないけど、復讐の為だけに生きて、自分の体の命も何もかも復讐の為に使ってしまうのは辛すぎた。
それはそうと全裸レインコートの刑はすげぇ…。

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映画ドン-映画ファン、映画業界で働く方の為の日本初のマストドンです。

映画好きの為のマストドン、それが「映画ドン」です! 好きな映画について思いを巡らす時間は、素敵な時間ですよね。