八犬伝鑑賞。続き。 

本題はやっぱり虚と実について、なんだろうなぁ。南北の虚実に対する姿勢にショックを受ける馬琴が印象的だけど、(いちゃいちゃが多すぎて薄まってるとはいえ)馬琴と北斎にしても、やはりそこに向き合う人なのだと思う。虚を巧みに操って実に織り込む馬琴と、細部にまで実を宿らせた筆使いで完成される虚を描く北斎。善きことが勝つのがこの世の実であってほしいという願いと、現実のままならなさを突きつけられた人生。作品は大好きだけど作家についてはほぼ知識ゼロだったので、興味深かった。しかし映画としては、家族こそ実というわりに家族=息子でしかなくて、いろいろ蔑ろにしすぎよね…とも思う。お百にちょっとアン・ハサウェイを思い出すじゃん…。

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八犬伝鑑賞。 

すごい。すごいダイジェスト南総里見八犬伝だった。あの大作の面白いところだけ見せてくれるけど、これを観たからって南総里見八犬伝は面白い!とは全然ならない😂わかってたけど。親兵衛なんかどこの子だよって感じだし。小文吾、それ、甥っ子やで☺️
で、ダイジェストの合間合間に、馬琴と北斎がいちゃいちゃしているのを見せられる。何を観に来たんだろう私…という気持ちになる。でもまあおじさんたち楽しそうだからいいかー☺️という映画。個人的には芳流閣の戦いが観られたからもう満足。私は初めて八犬伝を読んだ小学生の頃から現八が大好きです。
自分の娘のこと姫って呼ぶのかーとか、他にもいっぱい言いたいことはあるんだけど、これだけは言っておくとすると、もう最初の八房がチープすぎてしんどい…😩しかし全編このクオリティだとわかるのでそこで覚悟はできる。

十一人の賊軍鑑賞。続き。ちょっとだけ褒めてる。 

官軍の山縣は頭悪くなさそうだったから、先遣隊?が報連相がしっかりできてれば砦周りのあれこれが発生せずに新発田藩攻略できてそうだったし。官軍はあのわらわらいる足軽のうち、一人でもさっさと伝令に出せばいいのに。
頭悪すぎというラインを除けば、やっぱり一番ムカつくのは家老の溝口。私だったら「せいぜい十人程度の賊を殺すのに数十人連れて行ったのに、おめおめと一人で帰ってきおってー」とか適当な理由つけて斬り殺してる。のに、ありがたがってる領民見て落ち込む。なんていうか、こう…政治って変わらないんだなーという絶望感みたいな。あーあ。
散々文句を言ったら逆にスッキリして(?)ストーリーのせいでみんなバカなだけで、基本的にはキャストも演技も悪くなかったし、爆発もやたら派手だし、まぁ面白かったかもなー、くらいになってきた。それと、おじいちゃんが一人だけ剣捌きがただものじゃなくて、すごくかっこよかった👍ここ(だけ)が見どころです。

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十一人の賊軍鑑賞。褒めてない。 

敵も味方もみんなバカに見えてイライラしちゃった。侍連中。一応味方ポジションの鷲尾にすらイライラする。長岡藩の旗使ったりめちゃくちゃ姑息なことしてるのに全員無罪放免にされると本気で思ってたとか、バカなの?まぁ、同僚?の入江とかを見るに、鷲尾も藩の中では下級武士っぽい感じではあるんだけど。だからこその捨て駒だし。それにしたって。今回の即席部隊は家族にもコミュニティにも見捨てられた罪人で(なんなら火付けした女性なんかは、身寄りもない?し、見捨てられた・誰も助けてくれなかったから罪人になってるわけで)お前らの家族や村が戦で苦しんでもいいのか!で説得しても、どこが響くのか全然わかんない。良いこと言ってそうなシーンがことごとく滑ってて、相当白けながら観た。別れる時「世話になったな」って山田孝之の役が言うのも、生き延びたってのはあるけど、今回巻き込まれて酷い目にあっただけで何の世話にもなってなくね?もうそういうのにもイライラする。こんなことで死んでたまるか!って散々言ってたのに死ぬし。なんかなー。

トラップ鑑賞。続き。 

レディ・レイヴン役の女優さん、メイクやまつ毛のせいもあるだろうけどすっごく目が大きくて、セクシーだけどあどけなさもあるみたいな不思議なバランスがあって…などと思ってたら監督の娘じゃん…すご…一番親バカなのってさてはクーパーじゃなくてシャマランだな…とうっすら笑ってたら、ライブもちゃんと本人が歌ってる?し、エンドクレジット観た感じだと歌詞もこの人が作ってる?っぽくて、娘さんもすげー才能だわ😳

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トラップ鑑賞。シャマラン映画だー、わーい! 

こんな言い方は失礼な気がするけど、普通に面白かった。あまりに都合が良すぎてリアリティが無い面もあるとはいえ、そこはまぁ、面白かったから全然目をつぶれる。最初はクーパーが残虐な殺人鬼らしいとわかっても、どうやってこのアリーナから脱出するんだろう🤔となぜか応援?する気持ちで見てしまい、続いてレディ・レイヴンがどうやって彼を出し抜くのかハラハラし、さらにクーパーの奥さんがどのようにこの窮地を切り抜けるのか…と、どんどん主人公が変わっていくような、その感覚が面白かった。あと物販の人、めっちゃ面白い🤣
ジョシュ・ハートネットの一見魅力的で優しいパパ、実は人の懐に巧みに入り込む嘘つきで振り切れてる殺人鬼というの、彼がやるからこその説得力があってすごく良かった。ライブから始まったせいか普通のお父さんが実は…みたいな話なせいか、『96時間』を思い出し、なんなら顔もちょっとリーアム・ニーソンに似てきた気がする(気のせい)

アディオス・アミーゴ鑑賞。コロンビア西部劇。 

アメリカの西部劇だったりでせいぜいメキシコの革命あたりは見られても、コロンビアの映画を観るのは今回がほぼ初めてだし、コロンビアの革命…いやそもそもコロンビアの歴史を全然知らないなー…勉強しなきゃな…となった。監督の話とか聞くとよけいに。
最初の、記念撮影?からの銃撃で、ハラハラしたし、あれで心を掴まれた。行きがかりで旅の仲間が増えていく面白さ。謎の粉?でトリップ(あとその演技の仕方w)とか、精神世界で決着?をつけるとか、真面目な顔でちょっと笑えることするみたいなのがたいそう面白かった。
『続・夕陽のガンマン』みたいな絵面もあって、どこの国の人でもこういう画は撮りたいに決まってるよな!と思ったりして楽しかった。

死体を埋めろ鑑賞。ブラジルの映画。動物の死体処理を生業とする男の話。 

というあらすじから想像するのとは…、ちょっとねー、思ってたのと全然違った。好きな人には悪くないと思うけど…終末?黙示録?っぽい世界観は好きでもクトゥルフっぽいものって苦手なので私にはあまり刺さらず…。
積み重なる奇妙な雰囲気、馬が突っ込んでる車とか、ものすごく変で最高に良かったし、酒場で変な音が聞こえて…まではすごく好きだった。気持ちがちょっと萎んでしまったものの、カルト?の雰囲気とかも気持ち悪いし、ビジュアル面で色使いとか景色とかは美しくて面白かった。

士官候補生鑑賞。なんか、がっつり幽霊とか?も出てくるホラーでびっくりした。 

思春期の少年が軍隊学校でいじめにあって〜なホラーというより、彼を育てる母親が息子の変化についていけなくなる方向で、そこに「女のおまえにはわからない世界」との嘲笑や打ち解けられる相手のいない環境なんかが加わって心のバランスを崩していくみたいな話で面白かった。幽霊とかの要素はあるんだけど、なんとなく催眠っぽいなーとも思った。
Q&Aで「アメリカの映画だったらハッピーエンド方向の終わりにすると思ったのだが…」という話が出ていたけど、むしろ私が産んだモンスターだから私が(諸共)責任を取るというのは、アメリカ映画でもよくあったような感じがするし、ちょっと古いかなーと思う。
いろんなホラー映画を参考にしたというような話も聞けた。日本の映画をいろいろ(怪談・鬼婆・夢)挙げていらっしゃった。個人的には、ホラー演出としてはには『永遠の子どもたち』に似た印象を受けたし、内容的には『少年は残酷な弓を射る』と『フルメタルジャケット』を想起した。

大丈夫と約束して鑑賞。スロバキアの映画。 

山間の小さな村の佇まいや少年たち、中でもやはり主演のエニョ役の子が素晴らしく良い演技だった。
悪いことをしたくないし、悪いことをしてほしくない。自分の思いが、大切な人に届かないこともある。その人を盲目的に信じるには大きくなりすぎた。こういう環境で子どもらしくいるのも大人になるのも、また親の側の準備?覚悟?のできてなさも難しいなぁ。

冷たい風鑑賞。イランの映画。登山隊に起こった殺人?行方不明事件の捜査。 

ほぼ証言だけで進む、事件の捜査。設定は面白いんだけど、登場人物も多いし(馴染みのない名前が多すぎて)なかなか集中して見られなかった。
見えないものから人はどこまで想像できるのか。聞いたものから想像して欲しい(オーディオブックをコロナ禍でよく聞いたから)という監督の話が面白かった。
「冷たい風」の迷信?それに当たると許される罪だと、許されないなら死んでしまう。というような話、なんか日本の民話?にもあったような気がする。各国にあるんだろうか、当たると死んでしまう風系のやつ。

トラフィック鑑賞。東京国際映画祭にて。 美術品盗難事件。 

重かったー。重かったけど、観て良かったなー。「灰を捨てる」描写が、あー…あー…↓↓↓と最後腑に落ちるのがほんとねぇ…。
芸術を楽しむのにはある程度の余裕が必要で、食うにも困る人との格差に、映画を観るという行為自体に落ち着かない気持ちになる。こうしてナタリアたちの生活を見せつけられると、美術展での演説も大切なことを言っているように思うのに上滑りに聞こえてる。国には仕事はなく、国外でようやくついた仕事の給料は払われない。まともな仕事に就きたくても借金を重ねて回される悪事から逃げられない。せめてナタリア母娘は救われて欲しいんだけど、あの生活から逃げられるルートが見えない…。
1日の終わりにすごく落ち込む映画を観た、良い意味で。後からもうちょっといろいろ感情をまとめたい。

Flow鑑賞。東京国際映画祭にて。猫のアニメーション。 

猫、水、自然、友情、生と死。セリフがないからってのもあるし、個性的でかわいい動物たち、映像も音楽も自然の音も美しいから、すごく癒される。そして、たいそう美しいけれども、どこか私を感じるような暗さもある。ベックリンの『死の島』みたいな。でもそこも含めて、不思議と癒される。
異種族間の友情にほっこり。猫の緊張や不安がすごくわかるし、最初、猫だけ(誰かの?)家で暮らしてるってとこも、猫だなーって思った。犬、いいやつなんだろうけど本当にアホって感じがして、とても犬らしくてかわいい。楽天的で空気読まずにぐいぐいくるとこがかわいいねぇ☺️

10セカンズ観賞。続き。 

なんか勝手な思い込みといえば、オズギュルのことをなぜか男の子だと思い込んでいたんだけど、女の子だとわかって(ストーリー的には生徒に手を出すとかダメなことはダメだし)だからどうってことはないんだけど、なんというか、ステージに上がっているのが女性だけということで、よりテンションが強まったような気がする。
最後、何がそんなに先生をキレさせたのかちょっとぼーっとしちゃって覚えてないんだけど、それはともかく、本来みんながオズギュルのことを考えねばならないはずなのに最終的にオズギュルそっちのけじゃん…っていうのもあって、そこだけちょっと弱い感じはした(あるいは私の読み取り不足)けど、全体的には満足だった。

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10セカンズ鑑賞。東京国際映画祭にて。我が子の退学をめぐって、母vsカウンセラー。 

あらすじを観た印象と全然違う😳なんか勝手に、苦労人のご家庭の優秀な子が名門校を退学になってお母さんが頑張るみたいな話かと思ってた私が悪いんだけど😅むしろ金持ちマダムvsカウンセラーの主導権争い。全身ばっちりブランドもので身を固めたお母さん。チェスボードのような床。ドアの前に毅然と立つカウンセラー。そういうものがいちいち緊迫感を高めてくれて、面白かった。
少しずつ手札を出して相手を削っていく。自信の揺らぎが、画面のぼやけ具合や回転でヒシヒシと感じられて、ただの話し合いなのにとてもスリリング。あのお母さんの、普段の貼りつけたような笑顔もさることながら、孤独や階級?につけこんだり、他人の弱みを見つけたりする時の肉食獣のような残忍な笑顔が大変素敵。それがあるのでよけいに、終始落ち着いて迎え撃つカウンセラーの態度も良く見えた。

ヴァチカンのエクソシスト鑑賞。
まさかの時のスペイン宗教裁判!\じゃーん!/だった!😆(違うよ)
面白かったー。なんで映画館で観なかったんだろう。そもそもスペイン異端審問が〜とか、司祭による(?)性的虐待は〜とか、全部悪魔のせいにして隠蔽するなんて、悪魔、便利!
悪魔を封じ込めた元修道院という、ああいういわくありげで陰気な佇まいのお屋敷、素敵!大好き🥰なんとなくだけどアモルト神父の回想で『コンスタンティン』を思い出した。
アモルト神父…ラッセル・クロウの風体はもうなんか神父に見えなくて最高だなーと思いました。ちょっと茶目っ気があってかわいい。カッコー。

まる鑑賞。続き。 

ミャンマー人のコンビニ店員ってのはいいとしても、森崎ウィンにそんなカタコトで話させる必要はあったのか…まぁ多少の意味はあったと思うけど、あまり良い描写には見えなかったかも。人当たりが良くてポジティブで、その人自身が実際どうなのかはともかく"一見能天気に見える外国人"モーさんという人を描いておいて「そうじゃないとやってられない」って言わせるの、意地が悪いというかもはやグロい、精神的に。というところは引っかかってる。
映画自体の話ではないので余談。途中で何度か会話が途切れて無音になったり、音が遠くなるシーンがあって、堂本剛が突発性難聴だっけ?そういうのを患ったことに掛けてる演出なのかな、でも「音楽を作る」と「絵を描く」は方向がまた違うから、なんか意味あるのかな?まで思ったんだけど、普通に機材トラブルだった模様。

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まる鑑賞。 

予告から、世にも奇妙な物語にありそうな話…という印象を受けたから、救われない方向の話だったら嫌だなと思ってたんだけど、そうはならなかった。惑うのもまた良し!という点では、爽やかさを感じられる映画だった。青年期の青臭さを引きずったまま、何事もなしてない中年を迎えつつある?突入してる?大人の青春のような。惑っても良いと言われて目が覚めるみたいな。なんて言ったらいいかわかんないけど。柄本明演じる、謎の先生の、茶室のシーンがすごく好き。まんまと仙厓義梵をWikipediaで調べてしまった。ゆるふわ絵、描いてる!w

ボルテスV レガシー鑑賞。 

映画がつまらないとかではなく単に睡眠不足なんだけどだいぶ寝ちゃったので、感想を書けるほどしっかり観てない…ごめんなさい。しかし、合体シーンはもちろん、でっかいロボットのアクションの映像は全体的にすごくかっこよかった。というか、そのシーンかっこいいから、人間が演じてる部分が安っぽく見えてしまうw今の(日本の)特撮をめっきり見ていないのでどんなものか比べたりは全然できないんだけど、特に悪役側のコスプレ感やストーリーの古臭さはいなめず、ちょっと笑ってしまうところも…。
でもほんと、ロボットらへんはめっちゃ力入ってるから!

破墓/パミョ鑑賞。 

宗教ってほどじゃなくてもご当地信仰や習俗の描写って異文化を感じられて好きなので、祈祷の舞・音楽や風水師、陰陽五行のあれこれがいっぱいで面白かった。霊的なものの描写が序盤は控えめなのが良い、後半でがっつり武将出ちゃうけど。デカいし。火の玉がとんでもない劫火!ああいうのは、なんか初めて見たような気がする。怖いのに魅入られちゃうような描写も良かった。地球の裏側までひとっとびで行けるのに、招かれないと入れない韓国の幽霊も良い。良い/悪い土地とかもだけど、そういう怪奇現象の側にもルールがあるのって好き。(万能だったら怖いからさぁ!)
100年前の陰陽師…そんなマロみたいなやついるか?とか、関ヶ原の戦いで殺された将軍(将軍?!)とか、時系列の把握しづらさ?ツッコミどころ?がないわけじゃないんだけど、全体的に満足度がとても高かった。俳優陣の演技力のおかげだ。見ごたえがある。
「パミョ!」なんてことはやってないけど、改葬はそういえばやったことあるわ。しょう抜き?とかいって、お経あげてもらった。あれもまぁ、外から見ればよくわからん儀式だなぁ。

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