八犬伝鑑賞。続き。
本題はやっぱり虚と実について、なんだろうなぁ。南北の虚実に対する姿勢にショックを受ける馬琴が印象的だけど、(いちゃいちゃが多すぎて薄まってるとはいえ)馬琴と北斎にしても、やはりそこに向き合う人なのだと思う。虚を巧みに操って実に織り込む馬琴と、細部にまで実を宿らせた筆使いで完成される虚を描く北斎。善きことが勝つのがこの世の実であってほしいという願いと、現実のままならなさを突きつけられた人生。作品は大好きだけど作家についてはほぼ知識ゼロだったので、興味深かった。しかし映画としては、家族こそ実というわりに家族=息子でしかなくて、いろいろ蔑ろにしすぎよね…とも思う。お百にちょっとアン・ハサウェイを思い出すじゃん…。