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With Love (Tamil/2026)をイオンシネマ市川妙典で。 

5番スクリーンは結構埋まってた。AJ監督はこんなに早く主演デビューしていいのか。演じ手への転向は才能が枯渇してからにすべきではないか。無害なロムコム。過去の有名作(96、Premamなど)と比べて突出しているということはない。平凡な男のこっぱずかしい恋愛という点ではDudeの方が変化があってずっと面白い。ヒロインの職業がインフルエンサーというものバカっぽい。ストーカー男へのダメ出し、相手のスマホを勝手に覗くことへの断罪を入れたのは現代的。Little Heartsなどで見られた人間の言葉を喋るけだものが(謎プロセスを経て)何とか人らしくなるストーリーとしてもマイルド。冒頭のバイクはAlai Payutheyオマージュか。学校を尋ねるシーンは96。アビシャンもアナスワラも高校生時代役をか何とか自身で演じられる見た目。TFがらみのカメオは大騒ぎするほど面白いものでもない。リードペアの過去の憧れの相手を演じたSacchin NachiappanとKavya Anilは良かった。最近の若者はbossの代わりにjiを使うのか。

Moothon (Malayalam/2019)をオンラインで。 

ラクシャドウィープが舞台とのことで鑑賞。島(どこかわからない)で生まれた漁師の男がムンバイに出奔して赤線地帯カーマティプラのプチドンになっている。人身売買や薬物に携わり、自身も薬やアルコールに溺れている彼は、島ではKuthu Ratheebの名手であった。Jeseri方言もこれまでになく追及されているという。ラクシャドウィープが舞台、それ以上の情報は何もなく望んだのでクイア展開に吃驚。この部分の描写はかつてないほどにインパクトがあり、丁寧だった。「We Are Faheem & Karun」「Sabar Bonda」を見た時も思ったけど、同性愛に敵対的な社会の中で、どうやって同じ性的嗜好性を持つ相手を見つけ、そのうえでさらに相思相愛であることを感じ取るかというのは、ヘテロの恋愛映画で描かれるFallin’ Loveとは比較にならないほどにデリケートな問題だから(ヘテロ映画でも一目ぼれソングで説明してしまうのが多い)。本作でのそのプロセスは本当に美しいものだった。一方で子供のジェンダーを巡る不思議な揺れはよく分からなかった。

俳優の映画プロモーション参加についての記事。後で読む。
Should actors sell their films?: Biju Menon row makes Malayalam cinema debate promo culture
thenewsminute.com/kerala/shoul

Trance (Malayalam/2020)をオンラインで。 

ストーリーとしてはGod for Sale (Malayalam/2013)を思わせるところがある。斬新なのは集金装置と化した新興宗教に薬物依存、あるいは投薬拒否などを組み合わせてサイケデリックなドラマにしたこと。ナーガルコーイルで精神を病んだ弟を支えて自己啓発セミナー講師をやっている男が、ムンバイの闇ビジネスにリクルートされ、コッチを本拠地とするキリスト教系新興宗教の教祖に仕立て上げられるという話。自身が霊感ビジネスの餌食にされそうな男が、逆に搾取する側に回るというのがある意味痛快。本国では案外不評だったというが、こんなファハド・ショーを見せつけられて星3つで済ませる評者が分からない。脅迫的なオブセッションに抗う青年・狂信的な伝道師・鋭利な青年実業家を演じ分けて目を離すことをさせない。悪役のチェンバン・ヴィノードとガウタム・メーナンも無駄にカッコいい。『ウスタード・ホテル』から8年もアンワル・ラシードは何していたのかとも思ったが、あの頃のお洒落番長っぽいノリも思い出してちょっと懐かしくなった。ラストはどこからが幻覚なのか。

Laalo – Krishna Sada Sahaayate (Hindi/2026)をイオンシネマ市川妙典で。 

2025年のグジャラーティー映画で、初めて100カロールクラブ入りしたため、今年になってヒンディー語吹き替え版が作られたというもの。現代に降り立ったクリシュナは観客の目にはほぼ明らか。その「いかにも」な風貌を演じる俳優にどんな人物を充てるかが見どころ。アッキーやパワンよりはずっといい。ファッションもすれすれのところでいい感じに仕上げている。借金漬けオートドライバーが飲酒におぼれ女房を泣かせ、いよいよ追い詰められ、後ろ暗い大金を隠した荒野の屋敷に忍び込むが、脱出できなくなり飲まず食わずで1週間近くを過ごした後、クリシュナのダルシャンを得るという話。正統派バクティ映画にふさわしく、メドレーと言っていいくらいに歌が詰め込まれている。サウラーシュトラ内陸部ジュナーガルの聖跡やその逸話について知っていたらもっと楽しめたと思う。主人公がとらわれる家が、豪邸でも何でもないけど不思議な解放感があり(ただし謎の電流が走っていて出られない)風がそよぎ牛が鳴き、飯さえあればずっといたいと思わせる。

QT:『ANIMAL』は日本人観客のどこに刺さるのか?<その②> 

劇場vs配給で前者の力が圧倒していることの例証で、①1990年代末にやっとインドの娯楽映画公開が復活した時、「興行保証を入れて下さい」と言われ、客の入りが悪いと劇場側にお金を払わされた②『ロボット』(2010)の配給を考えていたある配給会社は、「2時間半以下でないと上映しない」と劇場側に言われ、インドの製作会社に相談すると、「タミル語版はカットしてはダメ。ヒンディー語版を買うならそちらでカットしてもかまわない」と言われ、泣く泣くタミル語版に加えてヒンディー語版も買い、2時間半以内に収めてカット版を公開した、という逸話。
cinemaasia.hatenablog.com/entr

QT:「最後までずっと泣いてしまった」「いまこそ見て欲しい」絶賛の声続々『ツーリストファミリー』大ヒットスタート! 

編集部内の記事はどうでもいいと思って読まずにいたけど、「3日間の全国興行収入は673万円を突破」と興行収入推定値が書いてある。『バジュランギおじさん』に関しても「初日3日間興収:810万円/最終興 収:9700万円 ※2024年リバイバル上映含む」と具体的な数値。インド映画としては珍しい。

banger.jp/news/163341/

Sarvam Maya (Malayalam/2025)をオンラインで。 

バラモンコメディーらしいとの情報を得たので。実見してみて色々驚き。主人公はパーラッカード地方のナンブーディリ・バラモン。しかし無神論者で(寺院への立ち入りもしない)、エレキギターで音楽界に入り込もうとしているという設定。しかし音楽界への進出がうまくいかず、やむなく自宅(マナ)に戻っていたところを、拝み屋をやってるイトコから誘われ助手として働きだす。怪我をしたイトコに代わり単独で憑きもの落としをしたところ、以降自室に若い女の姿が見えるようになり会話までするようになる。この女が自分に憑くのを何とかしようとするコメディー。ホラー要素はあるものの、恐怖をあおる演出はゼロ。様々な局面で彼を助けるフレンドリー・ゴーストだが、自分が誰でなぜここにいるのかわからない霊のために素性を探していきついた先は、インド映画によくある不注意ここに極まれりの悲劇だった。最後の種明かしの部分でちょっとだけ時空を歪ませたのが洒落ていた。監督はサティヤン・アンティッカードの息子のアキル。「この家にはクルタを着るものはいない」などの小ネタがとてもいい。

Champion (Telugu/2025)をNTFLXで。 

僅かながら業務と関係があり優先順位を繰り上げてみた。主演ローシャンがシュリーカーントの息子だとは予想できたが既に何作か出ていたとは。父役でシュリーカーントの不景気面が出てきたら何となく嫌だと思ってたけど、代わりにDQが出てきてよかった。インド独立後、連邦に合流するのをハイダラーバード藩王国が拒み、ラザーカールが暴れまわっていた時期に、サッカー選手になることを望むキリスト教徒青年が、バイランパッリの戦いに巻き込まれて命を落とすまで。村民の玉砕によりインド中央政府はポロ作戦を敢行する決断をする。戦いのための銃器に象徴的ない意味を持たせるという点で『RRR』の影響を受けているか。全体のナラティブはナーラーヤナ・ムールティの赤色映画そのものだが、比較できないぐらいに洗練されている。共産主義にまつわるシンボルはほぼ出てこないが、紛れもなくテランガーナの極左映画の系譜に連なる。一方でラザーカールの暴虐をこってり描く点ではBJP映画的であるが、インド帰属を望むムスリムやラザーカールと行動を共にするデーシュムクなどを入れ込んでそれなりの配慮。

Anaganaga Oka Raju (Telugu/2026)を池袋HUMAXで。 

悪口が過ぎた。キーポイントの覚書。舞台の村の名は沿岸アーンドラ地方Peddapalem。ゴアに行きたいのに許されないヒロインのためにGoa branch in Peddapalemという寒々したものを作って遊ぶシーンが、あっけらかんとおバカでよかった。しかし田舎の村に絵にかいたような都市型の公園があるというのは作り物として安っぽい。呑気な(というか普通の)ジャータラも出てきた。それから必然性があまりないけど、ヒロインが韓流に夢中というのも新鮮だった。主人公は零落したザミンダールだとはっきり台詞で示されていた。一方、明示されないがヒロインの方は新興ブルジョアという感じか。しかし開発のために農民から土地を詐取しようとした悪玉をやっつけたというのに、ラストの落ちでヒロインの父が自分の土地が政府の新規開発事業予定地にあたっていたので(経済的に)命拾いしたというのはあんまりな気がする。ナヴィーンの冠タイトルはStar Entertainerになったのか。プラシャーンティ、プラシャーンティ、プラシャーント・ニール。

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Anaganaga Oka Raju (Telugu/2026)を池袋HUMAXで。 

席の埋まりは5割ぐらいだったか。これもまたサンクラーンティ映画。ナヴィーン・ポリシェッティが田舎映画をやるとは。『Jathi Ratnalu』、『Miss Shetty Mr Polishetty』と低空飛行だったので、まあ何とか持ち直してきたのは良かった。ただし、不満は残る。ナヴィーンの化粧が濃すぎること。田舎の設定がいかにもご都合主義で、学芸会のようであること(チランジーヴィがやったらそれなりにはまったかもしれない)。相変わらずの映画ネタは、ただ引用して喜ぶだけで、プラディープ・ランガナーダンのもののような批判精神がないこと。明確にクラスの違うスーパースター映画の緩い引用は、スーパースターダムに寄生してる物まね芸人のような情けなさが先に立つ(ナーニがよくやるものと同じ)。ターラク・ポンナッパの悪役は不発気味。しかしこの人は吹き替えに頼らずに自分でテルグ語を喋るようだ。ヒロインにSankranthiki Vasthunamのゆっさゆっさ婦警さん、アイテムのSaanve Megghanaもちょっと吃驚。

クーリエ・ジャポンの創刊&現編集長と行くスタディツアー8日間インド「エンタメ・ビジネス」の最前線へ: 

という参加費1人100万円のツアー、無事催行されたようだ。参加者(主催者)のFB上でのポストを観たんだけど、RFCでの記念写真に添えた文章で「映画Baahubaliの主人公の巨大像」と書いてあるのを見て滑った。
courrier.jp/event/india_tour_2

2026年1月催行の、 

近畿日本ツーリスト主催『トワイライト・ウォリアーズ 決戦 九龍城砦 香港の聖地と舞台をめぐる旅 オフィシャルツアー』第1回、聖地巡礼だけではなくプロデューサーとのファンミートなども含み、2泊3日189,000円~。もちろんバックパッカー脳には目を剥く値段だけど、結構顧客満足度が高かった様子がうかがえる。ニーズに合致してしかも手の届く範囲でまさに理想形。印オタ界が微妙な有志ツアーで揉めてるのと比べると、東アジアと南アジアの違いが浮き彫りに。
entame.knt.co.jp/tour/2026/01/

War 2 (Hindi/2025)を池袋グランドシネマサンシャインで。 

邦題は『WAR/バトル・オブ・フェイト』。1/2封切りの本作も一番館では明後日が最終と知りやや慌てて。観客は10人以下だったかも。重量級のものを観た後だと174分がちょろく思える。最低の出来を覚悟して行ったので、実見して落胆はなかった。ビキニの姐さんや空中戦や火力高い爆破などYRFSUとしてそつなく仕上がっていた。しかしパターンやタイガーのシリーズと違い、Warシリーズは今後もダンスの上手い俳優を組ませないといけない感じになってないだろうか。ご褒美ダンスシーンは、2人にしては省エネ盆踊り風だったかも。ジュニアのキャラはJLKから流用か。今後のYRFSUにもジュニアはチラ見せゲスト出演の可能性がありそう。正直なところYRFSUだと監督が代わっても違いはあまりよく分からない。腐界が大喜びというのはよく分かった。あとそれとは別に「大バカが考えた鎌倉…で知能指数をがっつり下げ」というのも。鎌倉以外の場所は割とリアリティーがあるのになんでだろ。エンドロールで2人がカリの首魁を次々始末していくシーンのコスプレショーは良かった。

Mana Sankara Vara Prasad Garu (Telugu/2026)をイオンシネマ市川妙典で。 

1月公開の諸作の中で最もサンクラーンティ縁起もの映画らしい1本。ストーリーラインは『Viswasam』とほぼ同じで、ヒロインまで共通。同作にさらにイカれたコメディーとアクションを増量し、一方で子供は可愛いだけの存在とした。ナヤンターラはちょっと塗りすぎ(キャサリンもだけど)で、なおかつソングシーンでのノースリーブサリーなどアスリートみたいなんだけど、あれは過度にフェミニンになるのをむしろ避けているのか。サンクラーンティ映画として「こういうのでいいんだよ、こういうので」をきっちり押さえている。悪役は安定のスデーヴ・ナーヤルだが、やや器が小さい。ハルシャ・ヴァルダンが筆頭コメディアンのクラスにまで来たか。さんざんタメを作って終盤に登場したヴェンキーは、大物の主演作に乗っかって美味しいところをいただくといういつものスタイル。カンナダ人の親友という設定が目新しい(カンナダ語映画界から引っ張ってきてほしかった感もあるが)。結構な流血シーンもあるんだけど、スルッと観られるのがありがたい。

Pushpa 2: The Rule(Telugu/2024)を丸の内ピカデリーで。 

@PeriploEiga あと、「今日のヴェルサイユも大変な人ですこと」シーンは何度見ても面白い。それから他の人の感想で出てきた「俺の靴が届く国に来たかった」は正しくは「俺のブツが届く国に来たかった」じゃないのか?

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Pushpa 2: The Rule(Telugu/2024)を丸の内ピカデリーで。 

3回目で初スクリーン。邦題は『プシュパ 君臨』。珍しく舞台挨拶というイベント付き上映に。挨拶にも貴重なチップスがあった。プシュパが常に左肩を上げている姿勢は苦力としての重労働からきている(ついでにガニ股も)というのは気づいていなかった。確かに子供時代の回想にはない。ダンスシーンだけ都会的になることもせずガニ股のまま踊る。Nannaku Prematoで明文化されるまでもなく、スクマールのストーリーは全てがバタフライ効果を組み込む。ランガスタラムでは差別と搾取の構造はそこにあるものの、物語を動かすのは主人公が蛇を追うことにあった。本作でのバタフライは「CMと写真を撮って」という恋女房の無邪気な一言(多分本気度は低い)で、そこから全てが始まる。しかし新たな疑問も。第一部では1980年代が舞台とされていたが、さほど時間がたっていないはずの第二部で携帯電話的な何物かが盛んに登場していた。あれは「子機」なのか。それから、もの考える監督であるはずのスクマールは、一方で強烈にエロいアイテムナンバーが好きなのだなあと。

Parasakthi (Tamil/2026)をイオンシネマ市川妙典で。 

観る前からキナ臭さは十分だったが、スダー・コンガラー監督ということで繊細なものになるのではと予想したが、実際は戦争映画みたいだった。タイトルだけではなく、製作陣もコンテンツも、まるで現代のDMK映画。そして最近のBJP映画とイデオロギーは正反対ながら手法はほぼ同じだった。しかし言語運動がメインテーマの物語なのに、言語多様性の描写が教科書的。そして北インド人一般を敵扱いしないために、怪物的なミックスの悪役を造形したのはいいが、そいつが流暢にタミル語を話すのはやはりどうかと思った。インディラがモデルのPMもボイスオーバーとはいえタミル語喋ってるし、なんだか呑気にコインバトール駅のプラットホームでベンチに腰掛けてるし。ベンガル人活動家はタゴールソングみたいなのを歌いだすし。サウラーシュトラ人まで活動家陣営に加わってた。一方でクラシックなファッションの演者たちは皆よかった。1960年代のマドラス&マドゥライの街も美しく撮られていた。クライマックスはまるで鬼滅の無限列車。どこにも配信パートナーの表示がなかったのが気になった。

The RajaSaab (Telugu/2026)を池袋ヒューマックスで。 

本年公開作第一弾は、予想通りながら黒星スタート。地方都市で祖母のガンガーデーヴィと暮らすラージュ。彼にはマールワーリー商人の娘アニターという隣人がいて、彼に秋波を送っているが気づかない。アルツハイマーを患う祖母は行方不明の祖父カナカラージュのことばかりを尋ねる。ある日祖父の目撃談が寄せられ、ラージュはハイダラーバードに赴く。そこで彼はキリスト教の修道女ベッシakaステッラに巡り合い、一目ぼれする。しかし彼女に脈がないことを知ったラージュはヤケ酒をあおり、突然現れたバイラヴィという女性をベッシと見誤って一夜を共にする。ラージュはバイラヴィの父から、祖母と祖父の出会いの因縁を聞き、祖父がメダク県ナラサープールの森にいるとの情報を得て出かけていくがそこはホーンテッド・マンションだった。BHBL以前のクラシック・プラバースを彷彿させる作り。プラバースを1秒でも長く見ていたい観客相手なので尺は長くなり、内容は他愛ないものになる。トリプルヒロインが揃いも揃って厚化粧でイケイケ衣装なのは興ざめ。結局お婆様しか記憶に残らない。

Homebound(Hindi/2025)をNTFLXで。 

オスカーのショートリストに残ったと聞いて。パンデミックで生活を破壊されたり、失わなくてもいい命を失った無数の人々の中のダリトとムスリムの若者二人の運命を描く。舞台は明示されないが、MP州ボーパールやその周辺で撮られていて、エンドロールに詳細なロケ地リストがある。『サントーシュ』と同じ匂いのする、北インドの田舎町の気が滅入る閉塞感。10分ほどのところでの警察の高官の邸宅だけが不釣り合いなほどに優雅さを誇っている。悲劇の行き先が何となくつかめてくる後半よりも、前半の閉塞が辛い感じで何度もストップしてしまった。ダリトの方の青年が、警察官に応募するのに、クオータが使えるところをわざわざ一般枠で応募するとかそういうことが可能なのかと唸ってしまった。アーダールカードにはそういう情報は入っていないんだ。スーラトのシーンでは『人間機械』の記憶がまざまざと蘇る。繊維業界末端の非人道的な労働環境でも働けば故郷に家が建つのか。最後に届く手紙のシーンは、今一つ消化できなかった。やはりハイコンテクストで、評論家がクィア映画と誤読しているのを目にして吃驚。

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