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『ビール・ストリートの恋人たち』の感想です。 (3/3) 

窓の外の雨の音、街の音、音楽だけではない、そのような音がとても効果的だった。
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『ビール・ストリートの恋人たち』の感想です。 (2/3) 

愛する人に抱き寄せられるときめき、安心感、そして、いくらもがいても前に進まない、ほしいものはどんどん遠ざかっていく、悪夢のような現実。どちらも、わたしにとって親しみ深いものだが、もう長いこと忘れていたものでもある。

つらいストーリーだが、ヒロインの家族がささえあって生きているようすが、救いだった。
とくに、母親役のレジーナ・キングがすばらしい。
オスカーで助演女優賞をとったということだが、当然だろう。

1970年ごろの黒人女性の装い、そして、ティッシュの母や姉と、ファニーの母や姉の髪型や衣装の違い。
そのあたりも、語っているものが多い。

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『ビール・ストリートの恋人たち』の感想です。 (1/3) 

前作『ムーンライト』がとてもよかったので、期待いっぱいで出かけたが、期待を裏切られなかった。

冒頭、歩いてくるふたりを見て「なんて美しい人達なんだろう」と思ったんだけど、その次のシーンでは、男は刑務所の中で、ガラス越しの面会。ふたりともやつれていて、もう、あまり美しく見えない。

彼らの美しいラブストーリーと、差別によってひきさかれている現実が二重写しになって、相反する感情が強く呼び覚まされ、見ていて苦しかった。

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『ビール・ストリートの恋人たち』、タバコを吸うシーンがいっぱいあるんだけど、紫煙が美しかった。映画なら匂いも有害物質も届かないからね。

『運び屋』の感想です。 (2/2) 

イーストウッドらしい、静かなのだがダレ場のない演出。
とくに、自分が運んでいる荷物がなにか知ったあとの、ずっと微妙な緊張感がまとわりついている感じがみごとだ。

ブラッドリー・クーパーは「アリー スター誕生」でも、魅力全開で、これはヒロインが惚れるのも無理ない、と感じるできだったが、本作でも実にかっこいい。

そのほか、主要なキャストは見た顔ばっかりの芝居巧者ぞろいで、そこも楽しめる。
とくに、別れた妻のダイアン・ウィーストが、死の床で「あなたを生涯愛していた、そして、あなたが最大の苦痛の元だった」と語る場面は胸に迫った。

イーストウッドが老境に至って作った映画のテーマが、家族の大切さ、家族との和解をこれだけストレートに押し出したものだというのも、年取るとやっぱりそこに行くのかーと感慨深い。
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『運び屋』の感想です。 (1/2) 

mule ってラバのことだが、隠語で運び屋の意味だと初めて知った。頑固者って意味もあるからぴったりだ。

90歳という設定の主人公のクソジジイぶりがすばらしい。
人の言うことは聞かず、常にマイペース。
家族よりも仕事だし、外の人間関係がだいじで、いい顔をしたい見栄っ張り。
若くてきれいなお姉ちゃんが好きなのはご愛嬌としても、黒人を「ニガー」と呼び、自分は年寄りなんだから、親切にしてやってるんだから許されるだろう、と言わんばかり。
白人ばかりのダイナーにラテン系の見張りを連れていき、周りからじろじろ見られた挙げ句、案の定警官から職質され、言い訳になにをいうかと思えば、「自分が彼らを雇っている。よく働くよ」などと白人の旦那様風を吹かせる。
身勝手な白人男を煮詰めたようなやつだ。

しかし、運転しながら音楽に合わせて歌うようすは、はたから見ても気分がいい。見張っている側もついつりこまれていっしょに歌っちゃう場面は楽しい。

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『黄山ヶ原』の感想です。 (2/2) 

出陣の前に家族を斬り殺したという階伯の有名な逸話は、ラストに描かれるが、子供を抱き寄せ、身勝手な夫に反論するキム・ソナがとてもよかった。
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『黄山ヶ原』の感想です。 (1/2) 

イ・ジュニク監督の初期の作品。その後、続編『平壌城』も作られているので、やはりおさえておきたいところ。

新羅、百済のそれぞれの陣営が、慶尚道と全羅道の方言で演じていることは、前から聞いていて、ひょっとして理解不能かしらと思ったら、中級程度のわたしの韓国語力でも、じゅうぶんわかりました。
字幕は、平均的な日本語になっていて、ムリに方言にしていなかったけど、これはこれでいいんじゃないかな。

初っ端から、唐、新羅、百済のそれぞれの皇帝・王が一堂に集まってそれぞれの事情を話し、ののしりあうという演出で、途中までは戦争もかなりお気楽に描かれている。

しかし、ラストが近づくにつれ、どんどん血生臭くなり、救いがなくなってくる。さすがに最後までおふざけではなかったが、コメディ部分と印象が割れることもなく、いわば松竹新喜劇的な演出。

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『キャプテン・マーベル』の感想です。 (3/3) 

あのメイクと衣装では、実は最後までだれだかわからず、エンドロールでやっとわかったんだけどね。
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『キャプテン・マーベル』の感想です。 (2/3) 

やっぱりこの人は、単純な正義の味方じゃなくて、ひとクセあるほうが似合う。

女性のエンパワメントが、大きなテーマになっていて、主人公のキャラクターもそうだし、尊敬する博士、親友のシングルマザー、それぞれの設定と演技がよかった。
でも、「あなたの承認はいらない」という決め台詞にぐっと来たかというと、そうでもない。

そもそも戦闘機のパイロットをめざすというスーパーウーマン指向である上に、棚ぼたとはいえ、特別な能力を持つ正真正銘のヒーローなのだから、女性としての弱みをけっとばせるのは当たり前だ。
狙いすぎ、きまりすぎだとちょっと引くという、ぜいたくな観客なので。

ともあれ、ジュード・ロウのかっこいい姿がたくさん拝めて眼福でした。

あと、リー・ペイスをひさしぶりに拝めたし。

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『キャプテン・マーベル』の感想です。 (1/3) 

始まってから終わるまで、モヤモヤするところもなく、とても楽しく見ることができた。

宇宙人を描くとき「奇妙だけど美しい外見=味方」「醜い外見=敵」みたいなところに、はまっていないのもよかった。
どんな姿にでもなれるんだけど、でもそのままの姿がいいよ、と、最後に子供に言わせて、実に気配りが行き届いている。

しかし、真相が明かされる前に「この敵の宇宙人、いやに人間臭い描き方だなー」とは思ったのよね。
もっとも、敵の事情を詳しく描き、魅力をもたせるというのもよくある文法なので、そこではどんでん返しはわからなかった。

どっちかというと、最初から怪しかったのはジュード・ロウの小憎らしい上司だよね。
一見理解があるようなふりをしながら、実は女性を抑圧し、搾取する男。

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きょうは『運び屋』(きのうと同じ劇場)、明日は『ビールストリートの恋人たち』、あと、来週月曜は『グリーンブック』見る予定。
auマンデイ1,100円のために、auビデオパス会員になった。かわりにNetflix を解約。細かくやりくりしておりますw
あ、いまのアカウントの期限が来る前に『麻薬王』だけは見ないと。

キャプテンマーベル見てきた。絶対見た顔だ、だれだっけ~、と思いながら見ていて、エンドロールでリー・ペイスであると判明。うほっ(喜)

夜は遅くとも11時には寝てしまういい子なので、レイトショー見るのが難しいのよね。終了11時30分とか、起きていられる自信がないし、そのあと運転して帰らないといけないしなー。

わたしはネコ好きじゃないけど、ネコ好きがたくさんいるのがわかってる場所で「ネコ嫌い!」とは叫ばないよ。個人的には、それは無作法だと感じる。「ネコと人間の関わり」について、議論することはできるけどね。

映像作品を、劇場で上映されるかどうかで、映画かどうか考える、というのは、ひとつの分け方だと思う。
作る側からすると、ぜんぜん違うものね、それは。
暗い場所で大きなスクリーンで、いい音響で、他に気が散るものを極力排除している空間が前提のものと、日常の中で、明るい場所で、小さいディスプレイが前提のものと。
映画の文法とテレビドラマの文法は明らかに違う。
でも、見る側からすると、われわれを映画にひきつける源泉は、そういう作劇上の違いじゃないような気がする。

映画館も年間パスとか出してくれればいいのに。月に3本くらい行くとモトとれるような設定で。

映画って、見たらぜったいしんどいってわかってるのに、わざわざ見に行くのがあるんだよね。「サーミの血」は、わたしにとってはそうだった。息子とふたりで見に行ったけど、ふたりとも固まって、終わったらぼーぜんとしてたわ。
「トガニ」はいまだに怖くて見られない。

『移動都市/モータル・エンジン』の感想です。 (2/2) 

アナ・ファンはかっこよかったし、ストーカーの造形もよかった。
原作知らないほうが楽しめるかも。
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『移動都市/モータル・エンジン』の感想です。 (1/2) 

原作ファンの「わたしのイメージとは違う!」という心の叫びは、映画のできにはあんまり関係ないんだけど、原作の肝になってる部分が抜けてるのは、やっぱり不満だわさ。
顔にひどい傷があり、狷介な性格で暴力に禁忌をもたない娘が、人好きのするやさしい青年と恋仲になるのはなぜか。そこがなんにも描かれないんだもんなー。だいたい、あの傷じゃあ、「醜い」とは言えないよね。
この映画は、都市が移動するという、その卓抜したアイデアを絵にしてみせた、というところが最大の価値で、ストーリーはつけたしぽい。
でも、せっかくの都市が動くシーンで、でっかい音でBGMがかぶってきて、機械のうめき、きしりなんかが聞こえないのもいただけない。

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