『運び屋』の感想です。 (2/2)
イーストウッドらしい、静かなのだがダレ場のない演出。
とくに、自分が運んでいる荷物がなにか知ったあとの、ずっと微妙な緊張感がまとわりついている感じがみごとだ。
ブラッドリー・クーパーは「アリー スター誕生」でも、魅力全開で、これはヒロインが惚れるのも無理ない、と感じるできだったが、本作でも実にかっこいい。
そのほか、主要なキャストは見た顔ばっかりの芝居巧者ぞろいで、そこも楽しめる。
とくに、別れた妻のダイアン・ウィーストが、死の床で「あなたを生涯愛していた、そして、あなたが最大の苦痛の元だった」と語る場面は胸に迫った。
イーストウッドが老境に至って作った映画のテーマが、家族の大切さ、家族との和解をこれだけストレートに押し出したものだというのも、年取るとやっぱりそこに行くのかーと感慨深い。
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