ドリーム
マーキュリー計画に携わった3人の黒人リケジョの物語
やっとみれた!
当初、日本でのタイトルで炎上してな。
あれは作品だけではなく観客もかなりバカにしてないか?と思ったなー。
お前らアポロは知ってるけどマーキュリー知らんやろ?みたいな。
邦題よりは原題の方がしっくりくる作品でした。
人種差別だけでなく性差別とダブルパンチの中で実力で勝ち取っていく下克上は日本人でも好きな部類の話。
特にこれが実話だとなおさら。
キャサリンを中心にそれぞれ3人の努力が無駄なく描かれてる。史実と映画では違う点もあるのだろうが、非常にわかりやすい構成とテンポなのが好ましい。
ドロシーも詳細は描かれてないがめちゃくちゃすごい事してる。先見の明がありそれをものにする気骨と頭脳がすごい。
そんなドロシー役はオクタヴィア・スペンサー。どの作品も出演時間は多くなくても、ものすごく印象に残る女優さん。1番印象に残ってるのはアグリーベティというドラマなのだが、、たった4話しかでてなかったの?うそだろ、、めちゃくちゃでてなかった?
んんっとにかく画面の端だろうと目立つ女優さんなので好きなのだ。
バーフバリ-王の凱旋-
父バーフバリがいかにして王都を追われたのか息子バーフバリに語られるところから始まる。
過去だけで2時間‥残り20分でやっと息子に戻ったよ‥やっと話がつながった。
物語は国を巻き込んだ兄妹喧嘩に嫁姑問題だし(どこの歴史も概ねこれであふれとるがな)VFXもすでに使われている使い方かもしれないが、どこをとっても苛烈で鮮やか。
これ見て!すごくない?という作り手とすごい!こーゆーのが見たかったのニーズが一致したからこんなに盛り上がったんではないかというね。
個人的にはこれ見ると脳筋まっしぐらでバーフバリ!しか出てこなくなるくらいには好きな作品です。
ビッジャラデーヴァ(父王)の姑息で小物感いいよね。こいつにはしけたビスケットを食べさせたくなる。(どんな癖よ!)
バラーラデーヴァ役のラーナー・ダッグバーティはまた別の作品を見みたいな。すごくいいヒールだったなー。
新感染-ファイルエクスプレス-
仕事人間ソグはプサン行きの特急列車KTX101号に乗り込むが、その列車には感染者が乗っていた。そして次々と車内でゾンビ🧟♀️が‥。
列車という密室の中でゾンビからのサバイバルを繰り広げる。今までのゾンビものはわりと規模が広かったが(街全体などね)、こちらは狭い車両がメインになっている。これは盲点だったな。
さらに、終盤までベタな展開ではある。集団ヒステリーを起こす生存者とそれを煽動するクズ。次々と感染してしまう仲間。そして近年流行りの身体能力高めのゾンビ群。しかも感染してから発症まで爆速すぎる‥。
ところが終盤になると今までのゾンビ映画では決してありえない展開に。。はーー驚いた!驚いたよ!コン・ユさん!
盲点をつきつつベタな展開も盛り込みながらも新しいゾンビ映画でこれはとても面白かった!!
しかし、キム・ウィソンさんのクズ男はあーなっても強いね。意識あるのかーい!喋れるのかーい!しかも戦闘能力高のなのかよ笑 さすがだよ。
悪女
犯罪グループの殺し屋として成長したスクヒ。その彼女が国家組織に身柄を拘束され、10年後の自由と引き換えに国家専属の暗殺者となる物語
ニキータの要素がわりと多く見受けられるので、韓国版ニキータという感じかな?
オープニングのPOVは斬新で好きです。予告でみていたので初見ではないけど、逆にこれがあったから本編みたくなったので。
ゲームでFPS体験してると画面酔いは慣れてるけどPOVの最大の特徴の手ブレがね。酔う人はよいますよね。これ。でも、臨場感というか主人公への没入感は俯瞰で鑑賞するより強いイメージがあるかも。
アクションもド派手で見応えがあるのですがバイクのシーンで既視感あったのでなんでだろう?と思ったら「殺人の告白」の監督さんだからか。終盤スクヒが来るまで追走するシーンもこれまた斬新で面白かった。
格闘シーンよかったけど、、斧はあかん。斧は怖い。。銃はいいけど(←よくない汗)斧は、、痛いじゃん。。
ペンタゴン・ペーパーズ
ベトナム戦争を終わらせるため、機密文書をリークし、それを告発する新聞社の物語(実話)
ワシントンポストの視点から描かれる。メリル・ストリープはこの新聞社の社主であるが父と夫が残した社を引き継いでいるという立場ゆえ、社内でも軽んじられている。この時代の女性が労働に社会進出することへの影響も少なからずあったのだろう。前半は自信のなさが現れており、掲載を決断した瞬間から社主としての自信と覚悟の切り替え素晴らしい。メリルはやっぱり見応えのある女優さんででてると安心するな。
しかし、日本のメデイアの稚拙さにうんざりする。特にテレビ。芸人の司会にタレントのコメンテーターに繰り返される不倫報道。私はBBCみたいなニュース番組がみたい。。でもこれは視聴者も悪いんだろうな。見る側も稚拙さゆえ政治や社会より不倫の方が盛り上がるのだから。
ゲットアウト
ホラーといってもスプラッターやスラッシャー系ではなくスリラー系。
コメディタッチも交えつつリベラルへの皮肉も込められてる気がする。
未だに根強い黒人差別を題材にしつつ、色々な映画のインスピレーションごった混ぜで相当な映画マニアじゃないと元ネタ拾えない。
そのくらにエンタメとして仕上がりは素晴らしい。
何度か出てくる鹿は何かの見立てなのか?綿で危機を回避というのは、やっぱり黒人の労働奴隷といえば綿花だったからに対するメタファーなのか?そうすると紅茶も?伏線がたくさん散りばめられてて一回見ただけでは追いつかない。何度かみて初めて理解できる作品類かな。
昔みたER(ドラマ)で黒人女性看護師がいったセリフが今も突き刺さってる。「差別は黒人に限ったことじゃない。黒人だって白人を差別してる」すごく、はっ!としたんだよね。一方方向でしかみていなかったことに。
日本もアイヌや穢多非人の出自に対する差別は根強く残ってる。ちゃんと考え続けなければいけないな。
タイトルも捉え方も色々できる作品。直接的な頭の中かから出て行け!とも読めるしとても面白い。おススメ作品です。
スリービルボード
やっと見れた
ミルドレッドは己が吐いた言葉にずっと呪われたまま。いくら他者に宥められても自分で呪いをかけた以上、その呪いを解くのもまた自分しかいない。
母親のミルドレッドの視点を通して描かれるものの、観客さえも頑なに拒む感じが閉塞感をより強めてる。ただ重いだけではなくユーモアも所々にあるのが救いだ。
昨日の敵は今日の味方とはよく言ったものだなと思う。結末ははっきり描かれない。そう、殺そうが殺すまいが結末はどうでもいい。きっちり描かないからこそ何度も繰り返す喪失と再生。とどのつまり自己満足でしかないのだから。
ディクスン、、もうバカすぎて中盤まで何度君をバカなのかな!?と罵ってしまったことか。火傷してからのディクスンこそちゃんとした警官だったよ泣
そして息子がいい子だった。ここで息子が下手にヤサグレてたらイライラしちゃうところだった。周りのキャラは多い方だが主張の配分がいい塩梅で、ミルドレッドに集中できたのが個人的には見やすかった。
ウィンド・リバー
新人捜査官とベテランハンターとのコンビも、犯人や動機も何一つ目新しさはない。構成も非常にシンプル。
広大な土地でありながら、雪山という閉鎖的で非常に厳しい環境で密室を作り上げたことで集中させることがうまいなと感じた。
先住民保留地については昨日今日で他国の人間が語れるほど歴史の浅いものではないため言及はさけるが、問題の根底は人種差別だけでないように思う。人間の本能的なメカニズムとかも影響しているのかなぁと。
だいたいこの手の話には必ずレ○○がつきものだが、死んでしまったかもしれない状況でよくおっ○つね?(口悪くでごめんなさい)それどういう心理なの?男の性欲ってどいう仕組みなのか理解できないんだよね。こういう描写ばかりの創作物って。むろんこの私個人の視点ご偏っているのはわかってます。
でーーもーー男に生まれたというだけでなんでそんなに偉そうなのか。お前の努力じゃないやんけ。エレベーターの開閉ボタン女がやるもんだと無意識で思ってるおっさんとかな!(これはもうただの愚痴)
重さよりもとても苦味のある良い作品でした。
とりあえず、新人だからってドアの前に立つな。
96 (Tamil - 2018)をオンラインで。
やっぱり年間ベストは大晦日の最後の瞬間まで決めるべきじゃないと確信した。VJSの童貞コメディみたいな寸評をちらりと耳にしていたけど全然違った。絶対に結ばれることがないことが分かっている恋人たちが、間近に迫った別れの時を前に対峙するという王道の悲恋もの。VJSがアクションやコメディなしの恋愛ものをやるとは。トリシャーは沈痛なストーリーラインが本当に合う。メトロ、高架道路、空港といった都市特有の地物が夜に帯びるしみじみとした寂寥感。街を行きかう、一切の干渉をしないない無関心な人々。『慕情』『ディーヴァ』『Anand』等々の過去作品のそぞろ歩きシーンの数々が脳裏をよぎる。あれこれ漁ったレビューの中で、たったひとつだけ「見合い婚を称揚する相も変らぬ保守性」みたいな評言を目にしたが、それはちょっと違う。多分この評者は二人が結ばれないフラストレーションを思わずこう表現したのだと思う。冷静に考えればこのカップルは30代の半ばで、まだ老成には程遠いはずなのだが、そこには諦念や甘酸っぱい追憶があり、それでも幾つかの瞬間に堰を切って溢れようとするものがある
ザ・ギフト
シカゴから引っ越してきたサイモンとロビン夫妻。買い物中にサイモンの高校時代の同級生ゴードンと再会したことから始まるスリラー映画
高校時代についた一つの嘘から取り返しのつかない事態となる。
この頃からサイモンの人を貶めるサディズムは形成されたのかと思うくらにすげークズ。
最後のギフト‥それはサイモンがちゃんと過去とむきあってたら、こんなことにはならなかっただろうに。。
疑惑という形でギフトを贈ったゴードン
観客にも真実はわからない。
いったいどちらなのか。
誰にでも忘れたい過去はあるけど、過ちを犯したのならしっかり向き合わないといけないなと思う映画でした。
じゃないと突然池に鯉を放たれて勝手に鯉を殺されてしまうもの。(←そこじゃない‥)
I, Tonya史上最大のスキャンダル
アメリカ人として初めてトリプルアクセルを成功させたトーニャ・ハーディングの伝記映画
DVや貧富の差を肯定するつもりはなくこうした映画を面白いと表現していいのか悩むが、真実か否かは別とし映画とというエンタメとしてはポップでコメディっぽく仕上がっており面白かった。
フィギュアにおいて技術点や芸術点とは別に容姿についても得点に現れているように昔は感じていた部分がある。伊藤みどりさんがそうだったように。可憐さ、すらりとした手足に身長、本能的に守ってあげたくなる氷上の妖精を求めているというより、そうでなければからないプレッシャーみたいなものは存在してたように思う。トーニャには何一つ当てはまらない。
どんなに努力しようが決して手に入らないものがこの世にはある。持たざる者である彼女が認められるにはトリプルアクセルしかなかった。
彼女は冒頭で母親がいうようにずっと甘ったれの4歳児のままだ。同情の余地はないが暴言や怒りは弱い自分を守るための唯一の手段という点については共感できる。
しかし、アリソン・ジャネイの豹変ぶりに全く気づかなかったよ。