アマチュア鑑賞。
よくある、と言っては悪いんだけど、よくある復讐もの。でもその復讐譚が、舐めてた相手が強かった系ではなくて、フィジカル面で実際に強く無い人で、それなのに007とかミッション・インポッシブルでやりそうなことをやる、っていうのが新鮮だった。暗号解読が主の職員ということで、もうちょっと行動範囲も狭いと思ってたのもあって、そんなにいろんな国に行くの?!とびっくりした。
奥さんからのプレゼントは転がり落ちた後どうなったんだろうとか、髭面バーンサルが何しに来たのかいまいちわかんないとか、無駄?よくわからない?部分がないではないんだけど、インクワラインからの指示でチャーリーが動くところなんかはゲーム『République』を思い出したりして、ああいうの好きだから面白かった。
見るからに荒事に向いてなさそう(でも爆弾は作るよ!)なラミ・マレックがかわいい。
#映画 #映画鑑賞 #アマチュア
ノー・アザー・ランド 故郷は他にない鑑賞。
とはいえ、ユヴァルだって安全ではない。パレスチナの側からは侵略者の仲間として見られるし、イスラエルの側からも裏切者と思われている。「フェイスブックで晒してやる」なんて言われたりしていて。
みんなに状況を知ってほしいから撮った映画が評価されて世界に知られるのは意義がある。でもそのために余計に、命を狙われたり暴力を受けることになる現状って、とんでもないな…。
などという、まとまりのない感想。あまりにも起きたことが、今起きていることが、重すぎて。
ノー・アザー・ランド 故郷は他にない鑑賞。
そうじゃないという知識はあるのに、ちょっと前(2023年)に「戦争が始まった」と思っている。この映画で目の当たりにするのは、私が思う「戦争」よりずっと前から、日常的に起きている光景。家財を勝手に搬出されて、重機で家をおしつぶされる。住む場所を追われて、銃を向けられる。そんな侵略者に土地を明け渡すか、暗い洞窟に住むかの選択。その上、この映画が撮られた時より今の方が、状況はもっと悪い。その事実が苦しい。
パレスチナとイスラエルの監督の友情と宣伝されているけれど、友情とはいっても、と思う。移動の自由がある、何より帰る場所があるユヴァルと、何もかも制限されてそこで生きていかなければならないバーセルの間には大きな溝があって、「友情」という言葉で包むのが、私にはなんとなく戸惑われる。何でもずかずか踏み込むことこそ友情だというつもりはないけれど、どこまでも遠慮しがちな友情なのではないか。
#映画 #映画鑑賞 #ノーアザーランド
片思い世界鑑賞。続き。
まぁ後から、その部分は彼女たちが精神的には子どものままだというのはあるかもしれないと思い直したけれど。真っ当に生きてきたとはいえ、他人と交流できなかった、育ち切っていない情緒ゆえの執着とか、良い言い方をすると青くさい理想というか。でも、食料品どうやって買ってるんだろうとか、公共交通機関しか使えないのに大型家電も自分たちで運んだのかな…とか、完全にいらない想像をしてしまって、私には向いてない話だった。
合わないなぁと思うところばかり書いたけど、人がどれだけいても誰にも声が届かない孤独とか、やわらかい明かりで照らされる、女の子たちがわちゃわちゃ暮らしている部屋のかわいさや、それゆえに一層引き立つそこに現実の層がかぶってきたときのものさびしさとか、見た目の感触はとても好き。
片思い世界鑑賞。
オープニングであれ?と思うし、そのあとのいろいろな違和感に納得はいくんだけど、そのびっくり以外のストーリー的な魅力は特に…。私の見方が意地悪なのもあるけど、無残に死んだ子たちが誠実に生きて、彼女たちを想いながら暮らしている人の幸せを祈っているという健気なストーリーと、カスにはカスのままであってほしいしそのまま無残に死んでほしい(とは言ってないけど)という部分との食い合わせが悪い。
丁寧にまともに暮らしたいという願いはよくわかるのだけれど、現実世界は何一つ変わらない。学校で勉強するのはともかく、働くとなると彼女たちへの現実への寄与もリターンもゼロ。そのゼロのために働けるモチベーションって何なんだろう、逆に病むわ…と思ったり。
#映画 #映画鑑賞 #片思い世界
ミッキー17鑑賞。続き。
『TENET』の時に「最後、そんな顔でさよならするのはずるいじゃん!」と思ったのと同じような幕引きもあって、ロバート・パティンソンの使い方が大変良いと思いました。ハバネロの方がああいう顔してマイルドに未来を譲っていくの、かっこよくてずるい。
ミッキー17鑑賞。
予告から勝手に『月に囚われた男』みたいだと思っていて(あれはあのジャンル?で最高だと思っているので、これをやる意味あるのか?と。)それとは全然違う話だったのと、マイルド・パティンソンとハバネロ・パティンソンを味わえたので満足感が高い。ついでにきっついわーというおじさん役が最近多い気がするマーク・ラファロがノリにノっていて面白かった。
ミッキーのマイルドなポンコツ主人公といい、ヌルッと隙間から現れたり姑息に強かに生き残ってるティモや、底の浅い政治家兼カルト教祖夫妻といい、キャラクターが絶妙に笑えた。それに加えて、ディストピアな世界観と色合いのせいか、『未来世紀ブラジル』等を結構思い出した。テリーGまだ普通に生きてるから変な言い方だけど、現代のテリー・ギリアム作品って感じがする。為政者をコケにするような棘や人はいいけど間抜けな主人公とかの要素が似通いながら、主体性のある女性キャラとかいろんな方向で今っぽいセンスが張り巡らされていて、そつがない。安定して観やすいので、驚いた。
#映画 #映画鑑賞 #ミッキー17
ニンジャバットマン対ヤクザリーグ鑑賞。続き3。
・スーパーマンはさすがにメリケンサックを託したわけじゃないと思う。ていうか、最初からクリプトナイトでいくと思っていたからどうして?と思ったら、常人を体験させてからスーパーパワーがあっても敵わないと叩き込むって、さすがブルース、陰険すぎる。間違えた、戦略家!・それにしても、異星由来のスーパーパワーがあることがスーパーマンではないのだ、と(この悪ノリ作品であっても)ちゃんと描いてくれるのがね、そこはめちゃくちゃ好きです。ついでに言うと、出番少なかったけど、俺が殺すために助けるっていう強火バッツ推し🔥なジョーカーも良かったです、そうでなくっちゃあ!
・みんな正義に目覚めるの良いねぇ☺️
・このタッチで普通のアースのいつものデザインのJLアニメも観たいなぁ、短編…なんならDC Showcaseみたいなそれぞれのキャラの紹介風の小粒アニメでいいから。音楽とかも好きだし。ジェシカをもっと見たい。
・最後まで歌わせてもらえてよかったね、ハーレイ。ハーレイ版のカラオケMVも見たい。
ニンジャバットマン対ヤクザリーグ鑑賞。続き2。
・解釈違いとかの強い意味ではないんだけど、ティムとジェイソンって揃うとあんな感じなんだー、新鮮。私の頭の中で、ジェイソンは破天荒な不良(パワー担当かつ優等生にはない発想力担当)のイメージで固まっている一方、ティムってあまりキャラ固まってなくて、なんでもできるけどちょっと真面目過ぎる優等生(頭脳担当)のイメージ。どっちがどうとかじゃなくて、普通の兄弟っぽい距離感がかわいかった。
・なお、ディックは全方位型人たらし、ダミアンははねっかえりの末っ子イメージ。そのままですね、ありがたやありがたや🙏
・ガトリング射出ヤクザ…頭おかしい。こんな言い方したら、今まで頭おかしくなかったみたいだけど、だいたい全部頭おかしい。
・バットマンが、スーパーマン推し…むしろかなり強火のクラーク推し🔥で、大変良いと思います。ブルースはそうでなくっちゃあ!
ニンジャバットマン対ヤクザリーグ鑑賞。続き1。
・もう、最初の対モブヤクザで掴みは完璧だった。何しろ急降下からの衝撃波!ショックウェーブアタックだ!『アーカム・シティ』では大変お世話になりました!
・最初にも書いたが、JLのデザインほんと好き。ボムシェルみたいなスタチューほしい。
・「探偵」呼び!!!これは!!!
・ダイアナ姐さんのファンガールやってるハーレイとか、『リトル・ブラック・ブック』であったし、解釈一致過ぎる。むしろ、この世界でそれ以外が想像できない。それにしても、元の世界の住人なのにスケバンスタイルって、ノリノリでかわいいねぇ☺️
・探偵呼びとくればもちろんラーズ・アル・グール。黒幕ぴったりで良いね。そしてダミアンがピーチ姫。海苔巻き。
・アルフレッド、そのためだけにその映像用意したの?!ノリノリすぎん⁈🤣
・亀甲文字ってそういうことなの…。この亀、一回しか使えないじゃん(問題はそこではない)
・ディスコの方…まさかそのコスチューム採用するんだ!🤣
・忍法っていうか、もうただの科学技術。
・ダイアナ姐さんもノリノリでカラオケ…。
ニンジャバットマン対ヤクザリーグ鑑賞。感想、長いよ。
おふざけ映画だってわかってるけど、「いやでも反社じゃん、だせぇ」と思ってしまう私が消せなくて、全体の感想としては「ヤクザリーグ面々のデザインはめっちゃ好き」「前作ほどではなかったけど、まあまあ面白かったかなー」「でもちゃんと映画館で観たらもっと楽しめたに違いない!」くらいになります。とはいえ、しっかり楽しんだのも本当で、以下、いろいろ箇条書き。
#映画 #映画鑑賞 #ニンジャバットマン対ヤクザリーグ
エミリア・ペレス鑑賞。
もっと壮大な話を期待していて、ラ・ルセシータ設立やパーティー、エピファニアとの関係くらいまではいいぞいいぞ!と思っていたが、終盤ちょっと失速した、私の興味が。女性性を隠すためもあって極悪非道にふりきってきたという前提があるカルテルのボスが、男性であった自分を殺して女性として生きる、その人生が開花する、そこが唯一無二で面白かったのに、親権の取り合いの末に…という一家族のコンパクトな話で終わってしまったのは拍子抜けだった。女性として生きるエミリアの苦労や社会との軋轢(あるいは許容)みたいなものがあれば面白かったというか、そういうのも観たかったけど、性別を変えたら悪い奴ってバレませんでした!楽勝!に見えちゃって(その世界に結局自分から戻ってしまうのと、引き戻された結果の死というのは物語としてアリなのだけれど)観たいものとは乖離してしまった。
マニタス/エミリアよりも、歌とダンスが多めのリタの方が見応えがあったかなー。セリフと歌の間のようなリズム感が気持ちいい。ラップみたいにも聞こえるし、お経みたいにも聞こえてちょっと面白かった。
#映画 #映画鑑賞 #エミリアペレス
福田村事件鑑賞。
もうさー、滅びた方がいいよ、人類。と、こういう映画観ると思ってしまう。そういう時代だったとか、巡り合わせが悪かったのはあるだろう。ただ、本当に酷すぎるんだよなぁ…。いざ彼らが日本人(というか、そもそも朝鮮人であったとしても無実だし、無実じゃなくてもなぶり殺して良いわけないが)だとわかったら、お国のためにやったのに!とか、被害者ヅラして。ふざけるなよ!とめちゃくちゃ怖いし、イライラする。けど、一人が(あるいは少数が)賢かったり正しかったりしても全然止められなくて、そこに民主主義の限界を感じる。今にも通じる十分普遍的な話であるし、自分も正しく善くあれるのかと考えた時に、怖さもある。
こうならないためにあるのが教育だと思うんだけど、この映画だとその役割を担う人が既に心が折れているというのがまた効いてきて、しんどい。それでもやっぱり教育を続けること、フラットな知識を得る努力をし続けること、違いに寛容であることしか、人類がみんなで生き残る道って、ないと思う。
この映画が作られたこと、観た人の心に爪痕を残すことだけが、ほんの少し、希望。
#映画 #映画鑑賞 #福田村事件
地球に落ちて来た男鑑賞。
宇宙人っていうか、天使だよね?もう、これは。そんな人が地球人の体を定着させられるのは、まるで翼をもがれるように見えてしまって。まぁ、それくらい、繊細で優美で、とにかくデヴィッド・ボウイが美しい。まぁ、話はたぶんよくわかってない気はしているけれど。でも寂しいね…。帰りたいのに、帰る努力もしたのに、阻まれて帰れない。体も変えられて、アルコール漬けにされて。alienって外国人の意味もあるけど、それも込みで、怖いし寂しい。
#映画 #映画鑑賞 #地球に落ちて来た男
教皇選挙鑑賞。続き。
ベニテスの登場と前教皇=神ともとれるような遺志、ローレンスの自分への投票に天啓?天罰?のごときタイミングの爆発。善良で疑念を失わず寛容で、完成された人。そのままの自分でいいのか?は疑念だけれど、神が自分をそう作り、赦されているのだという信仰を抱ける人。これだったら(信仰者でない私としてはよけいに)納得できる着地の仕方だったというのもあって満足度が高い。まぁ、それだけに、普通にいるんだろうなー野心家俗物…という現実への失望も増すけど笑
教皇選挙鑑賞。
面白い映画はいっぱいあるし、出来の良い映画もいっぱいあるけど、面白いし、出来も良い、すごい映画だった。おじさんばっかでてきて美味しい☺️スタンリー・トゥッチもレイフ・ファインズも大好き☺️「神は目と耳を与えてくださった」とピシッと口にするシスター、イザベラ・ロッセリーニにも痺れた☺️
誰が新教皇になるのかで引っ張るだけじゃなくて、分断をうむやつはクソ!的なメッセージは強烈だし、(とりわけ保守的な世界で)リベラルが勝てるかというとそうでもないリアルさ、ローレンスにのしかかる失敗できないというプレッシャーなんかの要素が、薄暗く狭い密室で行われる儀式と噛み合い、また決まった後は明るく開かれた外へ出ていくのも含めて、美しく重厚な映画体験だった。
教皇という聖の最たるものを決めるにあたって俗っぽい争いがあるんだろうなーとは観る前から思っていて、実際非常に政治的でお金も絡んだ黒いやりとりもある。それだけでももちろん面白かったとは思うけど、理想的すぎるきらいはあれ聖の話としても外れていないのも上品だった。
#映画 #映画鑑賞 #教皇選挙
TATAMI鑑賞。続き。
ちょっと前にイランが舞台の映画『聖なるイチジクの種』を観たのもあって、(印象が引っ張られるというのはあるけど)テーマがより理解できたように思った。
ついでに。実況は簡単に「命がけ」と言葉にするけど、本当に本人や家族の命がかかっているなんて思ってないだろうなーというのが、不謹慎にも面白かった。
TATAMI鑑賞。
まず、(スポーツにおける)イスラエルボイコットというものを知らず、なぜ棄権?と思っていた。そもそもイスラエルに対する抗議のための対戦拒否であって、イスラエルに勝ったらまずいとかいうことではないのね。という学びを得た。
それをおいても、スポーツ映画という以上に政治的にスリリングで、選手本人やコーチの葛藤、政府側の圧力、家族の逃亡、また助けたいけれど本人からの要請がないと動けないという大会側のもどかしい思いなんかが、モノクロで展開されるから静かなんだけど、キリキリとした緊張感があって、とても面白かった。
これは私の考えすぎかもだけど、レイラのサポートしたのが女性が中心というのも、この映画らしくて良かった。ヒジャブをとるのとかすごく印象的だし。男性医師もいたけど彼も亡命した過去があり、無理なくレイラに寄り添える設定だった。それに、レイラの夫も家で子どもを守り、レイラを全面的に応援し励ます絶対の味方という、私が観たことのあるイランを描いた作品では珍しい男性像だったので。
#映画 #映画鑑賞 #TATAMI
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