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考えて見たら、
『カサノヴァ』、『ブライト・スター』、『オネーギンの恋文』、『真珠の耳飾りの少女』とか戦争映画ではない中世ヨーロッパを題材にした映画、好きだねー。

異世界の中世ヨーロッパを堪能して楽しむんだよねー。

『女王陛下のお気に入り』4回目② 

この映画、
女性>男性のフェミニズム的な価値観も見える映画である。

アビゲイルとマチャムのやり取りがまさしく顕著に現れている。森のシーンでアビゲイルがおふざけで襲って来るマチャムにビンタや膝蹴りを食らわせるシーンはなんともコミカル。

アン女王&レディ・モルハーラと政治家ハーリーの好戦か講話かの話し合いもどこかアン&モルハーラが上位の話し合いというのも女性/男性社会、フェミニズム的なものが見え隠れする。

色々な角度で見応えがあるが、
一番は落ちぶれたアビゲイル・ヒルが“レディ”の称号に返り咲く成り上がりの展開だよね。まるで『バリー・リンドン』のレドモンド・バリーがバリー・リンドンに成り上がる展開を彷彿させるよね。

ホント、
『バリー・リンドン』や『アマデウス』に匹敵する中世ヨーロッパの映画だね。
『恋に落ちたシェークスピア』や『マリー・アントワネット』、『エリザベス』2部作が好きな人にも見て欲しいね。

『女王陛下のお気に入り』4回目 

1ヶ月おいての鑑賞。
全く飽きず、クセになる中世ヨーロッパの世界観をどっぷりと堪能出来る。

米アカデミー賞こそ、いわゆる米アカデミー賞界隈の主流からはずれた作品で主演女優賞しか獲れなかったが、
中世ヨーロッパの世界観を見せつけながら中世ヨーロッパの史実映画にありがちなクソ真面目さは薄く、SM、スカトロ、婬売など変態まみれに、
宮廷のナンバー2争いのドロドロさ、嫉妬、我が儘すぎるブスな女王など、
どこから切っても面白い。

舞踏会のシーン、鬘を被った野郎たちと女王やレディ・モルハーラが相対する議会のシーン、女王に叱責される宮廷音楽家たち、醜いおじさんに柿をぶつける遊び、アヒルレース、歌手を招いての音楽会などとことん中世ヨーロッパ(イングランド)を楽しめるなー。

本当、今年のナンバー1候補だ!

ゴダールの『イメージの本』、映画の引用=ゴダールの頭の中となっていて、映画の引用の洪水からゴダールのメッセージを掴みとる、という作品。
頭の中のイメージだから映像もわざとぼかされていて、初見では非常に掴みにくかった。

これからゴダールの新作を見るのにお酒を飲んでしまった(´・ω・`)

『キャプテン・マーベル』時代考察 

『キャプテン・マーベル』がある意味凄いのは1995年の詳細はあまり出さず、おおざっぱに1990年代前半の雰囲気で1995年を表した所にある。
あれが流行ったとかその年に流行った曲を使わず、ノー・ダウトの「Just a girl」やニルヴァーナの「Come as you are」とか2,3年ずらした曲を使う。

1995年を機転に世界的に変わったのはWindows95の発売と以降一般的に広まったインターネットだね。

1995年はアメリカ、世界的な出来事が夏期・冬季オリンピック、FIFAワールドカップに当たらない年で、“これ”というのは少ない年なのに、こと日本においては非常に重大な年だった。(

『ウトヤ島、7月22日』② 

事件が起こるまでの10分ちょいが若干地味、というか『13日の金曜日』シリーズなどでよく見られる若者たちのサマーキャンプだが、これはノルウェーの労働党青年部主催の恒例かつ伝統のサマーキャンプ。治安的にも絶対的な安全なはずのキャンプで起きた予期せぬ大惨事、という背景がある。

ドラマもなくはないが、とにかく阿鼻叫喚、恐怖、極限のシチュエーションを見せつける。土だらけになりながら地面に這いつくばうようにかくれ、ずぶ濡れになりながら入りくんだ海岸を逃げ、隠れる。

基本は息を潜めているが、時にはスマホで警察に通報したり、家族に連絡をとったり、ひそひそ声で話し、励まし、不安の声を口にする。そんな中でも野郎は野郎で女にナンパをしたりし男の本能を見せる。

派手なアクションやドラマチックさはなく、ひたすら恐怖とサバイバル。恐怖の対象は違うが『オープン・ウォーター』、『ブレアウィッチ・プロジェクト』、『クワイエット・プレイス』、『ドント・ブリード』に通じるものがありながら、実話ベースのフィクションだけあってそのどれよりもリアリズムでヒューマニズムに溢れている。

『ウトヤ島、7月22日』 

2011年7月22日にノルウェーのウトヤ島で起こった銃乱射テロ事件のリアルタイムの実録映画。

この映画においては銃を乱射する犯人はほとんど映らず、ウトヤ島でキャンプを楽しんでいた若者たちはデカい発砲音が響く中、島中を逃げ惑う。
主人公の少女カヤの視点でドキュメンタリータッチで恐怖の72分間をワンカットで描く。

銃乱射テロリストによるパニック映画、というかいわゆるソリッドシチュエーションスリラーと言って過言ではない。
テロリストが見えないが迫る銃声は恐怖の対象としては迫力充分で、見事に「恐怖」と「パニック」を描いている。迫り来る銃声はまさしく迫り来る死であり、若者たちは文字通りの阿鼻叫喚しつつ逃げ、隠れる。こうしたパニック状態で人が取る行動・言動のリアリズム500%!

明らかに「そんな所に隠れたら死ぬよ」と思える所に身を潜め、隠れ、逃げ惑う他者を見て「やっぱり逃げなきゃ」とまた逃げる。

ゴア描写が比較的少なくはあるが、迫り来る恐怖とその状況での「人間」については完璧に描いている。

『ブラック・クランズマン』の終盤のある重要シーンでかかるイギリスのプログレッシブロックのスリーピースバンド「エマーソン、レイク&パーマー」の「Luckyman」。優しいアルペジオからカール・パーマーのドラミング、グレック・レイクの切々と語りかけるようなボーカル。70年代ロックの名曲中の名曲が黒人メインの映画で突如かかったのは嬉しくも不思議だった。
たしかに夕暮れ時に聴くにはぴったり。あのクライマックスが終わった直後というのも効果的だったかな。

Lucky Man by エマーソン・レイク・アンド・パーマー
open.spotify.com/track/4SfQ9EB

『バンブルビー』でかかった懐かしのボン・ジョヴィの「Runaway」。
『バンブルビー』の設定年の1987年にはボン・ジョヴィの大ヒット曲「You Give Love A Bad Name」も「Livin' On A Prayer」も流行っていたが、あの不良グループのシーンでかかる曲としては「Runaway」の方がしっくり来る。

Runaway by ボン・ジョヴィ
open.spotify.com/track/0X1sqQ6

一昨日『キャプテン・マーベル』の座談会をやったけど、この映画、90年代に思い入れがない人にはピンと来ない映画だったみたい。

ボクなんかはこの曲がかかった時にすぐにニルヴァーナとピンと来たし、89年のキャロルがW.アクセル・ローズのような格好をしているのにもキュンと来たし。

Come As You Are by ニルヴァーナ
open.spotify.com/track/2RsAajg

『キャプテン・マーベル』おまけ 

何度見てもスタン・リー追悼のオープニングと本人のカメオ出演シーンにグッとくる。『スパイダーマン:スパイダーバース』でもカメオ出演があったから最後と分かっての出演だったんだろうね。

『ブラック・クランズマン』③ 

黒人だらけのクラブのシーンが異様にカッコよかった。「ソウルトレイン」そのまんま。

イギリスの『ノーザン・ソウル』がビシバシ踊ってたのに対して『ブラック・クランズマン』のは自然なダンスと歌なんだよね。
そう考えると70年代の日本のディスコで異様に流行ったステップダンスはやっぱり盆踊りなんだよね。

それと黒人のアフロの女の子がどの子も綺麗なんだよね。この黒人優位な世界観がブラックスプロイテーションっぽい。スパイク・リーの真骨頂かな。

『キャプテン・マーベル』『バンブルビー』を見てふと思ったこと 

考えてみれば、
かたやおんぼろロボットに虐められっ子の少女に近所のヒスパニック系の少年、
かたや女性、黒人、そして途中から加わる某キャラクター、とアメリカの多様性を考えさせられる作りになっていた。

さすがに特撮映画には性のマイノリティまでは出せないか。次はそこかな。

『キャプテン・マーベル』『バンブルビー』を見てふと思ったこと 

考えてみれば、
かたやおんぼろロボットに虐められっ子の少女に近所のヒスパニック系の少年、
かたや女性、黒人、そして途中から加わる某キャラクター、とアメリカの多様性を考えさせられる作りになっていた。

さすがに特撮映画には性のマイノリティまでは出せないか。次はそこかな。

『ブラック・クランズマン』2回目② 

それでも、黒人の立ち位置で描いたブラック・アメリカンの映画としてはお見事。
アカデミー賞の作品賞を獲った『グリーンブック』だけでなく、『スパイダーマン:スパイダーバース』、『運び屋』を並べるとアメリカの本音が伺えなくもない。
『國民の創世』を見て熱狂する白人たちの様子は『ジャーヘッド』で新米米兵を意気高揚させるために『地獄の黙示録』の「ワルキューレの騎行」がかかる爆撃シーンを見せるシーンに似たものがある。
表向きは「人種差別良くない」と言いながらも陰ではお互いにバカにしあって、憎悪にまみれているアメリカを映した映画としては『グリーンブック』より遥かにパワーを感じる作品。
だけど、日本人、いや英語圏以外の人は黒人英語の面白さがやはり分かりにくい。

『キャプテン・マーベル』2回目 

惑星ハラの描き方が『ブレードランナー』『ブレードランナー2049』っぽかったり、いろんなシーンであらゆる過去の名画が感じられる。

例えばスクラル人がC-53到着時、海から現れるシーンには『新・猿の惑星』みたいな感じだったし、電車内のバトルに往年のヒッチコック映画やデ・パルマの『ミッション・インポッシブル』の匂いをちょっと感じさせたり、というのがあった。
最後のキャプテン・マーベルとある人物の対騎に往年の西部劇をも感じたり、『スター・ウォーズ』みたいなドッグファイトもあったりイースターエッグが多い作品でもある。

あとサミュエル・L・ジャクソンの若作りが凄く、どうやら25歳若返ったようだ。
グースとのおちゃらけのシーンにも若さを感じた。

『キャプテン・マーベル』2回目 

タイトルに「マーベル」とあるだけのことはあって、MCUにおいて最重要な作品で現時点でMCU最大の傑作と考えられる。

主人公がヴァース、キャロル、キャプテン・マーベルと1人の人物が3段階に別れているかのようになっており、彼女の記憶を辿る物語としてだけでも楽しめる。

序盤のC-53(地球)に行く直前にスクラル人に捕らえられて記憶中枢を辿りローソン博士に関する謎を解こうとするシーンにSF力が全力で注ぎ込まれている。ここの記憶辿りは『エターナル・サンシャイン』のそれよりも数倍高性能で『オール・ニード・イズ・キル』のような巻き戻しが不思議なシーンで面白い。

スクラル人の変身能力も 最後は記憶が鍵になり、後半までこの能力に見せ場がある。この能力も含めて敵・味方の入れ替えというか欺き、真相に捻りが効いている。こういう捻りはこれまでのアメコミ映画にはちょっとなかったもので新鮮だった。

『バンブルビー』② 

80年代文化、特に音楽に特化した映画でもあった。

ロック系こそはボン・ジョヴィとサミー・ヘイガーぐらいで、a-haやザ・スミス辺りが中心になってた。
特にザ・スミスは途中Tシャツも着てたり、重要なシーンでかかるキーの曲だったりする。

Tシャツネタではモーターヘッドや空手をやる小学校の弟がブルース・リーのTシャツを着ていて芸が細かい。

これまでのトランスフォーマーシリーズとは全く違う角度からも同シリーズが作れることを証明した秀作である。

『バンブルビー』 

トランスフォーマーmeetsアメリカの80年代ハイスクール青春ドラマという意外な掛け合わせの映画でわりと上手くまとまっていた。

大枠が(中身は違うが)「ビバリーヒルズ青春白書」や『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『グーニーズ』といった懐かしの思春期やハイスクール青春ものに、軍がオートボットを捕らえようとするくだりは『E.T.』や『シェイプ・オブ・ウォーター』を思わせる。

少女とオートボットのやりとりは『リトル・スティール』が一番近いだろうけど、古くは『フランケンシュタイン』、『キング・コング』、近作なら『シェイプ・オブ・ウォーター』の怪物と少女を思い起こさせる。

これまでのトランスフォーマーシリーズと関係性のある作品ながら、マイケル・ベイの影響が最も薄い作品という点では非常に好感がもて、どちらかと言うとスピルバーグの影響を感じさせるトランスフォーマーだった。

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