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『レディ・プレイヤー1』、原作だとパーシヴァルはレオパルドンを操縦して、AC/DCの「Dirty deed done dart cheap」が大音量でかかるらしく、原作者/脚本のアーネスト・クラインは映画版でも出そうとしてたのに、「アメリカではあまり知られていないから……」という理由で却下だと!? 許せん!!

と、思ったら原作『レディ・プレイヤー1』ではAC/DCの「Dirty deed done dart cheap」やラッシュの「2112」、Wham!の「Wake me up before you go-go」、シンディ・ローパーの「Time after time」やデフ・レパードの「Per some sugar on me」やボン・ジョヴィやジャーニーがかかるのに、映画版ではかからない。
制作費や大人の事情なんだろうな。残念。

さっき映画媒体の『レディ・プレイヤー1』座談会を3人でしたら2人ともにしても、トゥイステッド・シスターの「We're not gonna take it」を知らなかった。
一番最高の使い方なのに愕然とした。

みんな知らないのかな?
ジョーン・ジェットの「I hate myself for loving you」とか。

それでも『レディ・プレイヤー1』の音楽ネタの不足には不満を抱いたけど、それは実はアーネスト・クラインとスティーヴン・スピルバーグ自体が音楽に疎いとみた。

3回見た『レディ・プレイヤー1』ボクなりのまとめ 

見事なスティーヴン・スピルバーグと原作者アーネスト・クラインのコラボレーションだったと思います。プラス、スピルバーグにしては久しぶりの娯楽大作で、しかもクオリティが高かった、と。

だいたいは原作者アーネスト・クラインというゲーム、特撮、アニメオタクの脳内『レイダース』なんだけど、亡くなったオアシス創設者ジェームズ・ハリデーの遺言からの謎解きからの流れはスピルバーグが大好きな『市民ケーン』であり、これにスピルバーグなりのSNSやゲーム、『アバター』や『マトリックス』といった仮想現実を舞台にした映画に対する答えが見えた。

今日『レディ・プレイヤー1』3回目。
仕事中に自分の頭の中で『レディ・プレイヤー1』をdisってたが80年代に青春を過ごしたゲームオタクの頭の中としてはやっぱりいいんだよね。

それだけに、原作に出てて映画版に大人の事情で出てないアニメ・特撮キャラが残念。
大人の事情を忖度して納得している。

じょ~い@えいがどん さんがブースト

レディ・プレイヤー1
スピルバーグが、3年もかけて制作。未知との遭遇に次ぐ、制作期間の長さだったらしい...。。

これほど見たくなる作品は
久しぶり。

『レディ・プレイヤー・ワン』(4) 

原作「ゲーム・ウォーズ」をただ映画化しただけではなくスピルバーグならではの仕掛けにも満ちている。

集合住宅とIOIのビルの絵面とIOIら富裕層とその他の構図に『メトロポリス』、
第1関門のラストに『バック・トゥ・ザ・フューチャー』、
他にも『素晴らしき哉、人生』や『市民ケーン』、『三文オペラ』(いや『フリークス』か)のオマージュや借用もある。

『レディ・プレイヤー・ワン』(3) 

VRの『インディ・ジョーンズ』ながら、このウェイツとサマンサの恋愛をしっかり見せたこと、リアルの大切さを訴えたことがこの映画においては大きい。
仮想現実やアバターを使ったSFにおいて『マトリックス』シリーズや『アバター』の後手となり、敢えてやらなかったスティーヴン・スピルバーグが『マトリックス』や『アバター』、さらにはFacebookやTwitterといったSNS、スマートフォン文化に向けた答えが『レディ・プレイヤー・ワン』と見た。
パンフを見ると原作にあるサブカルチャー表現が若干ことなるが、トレーラーでも使われたヴァン・ヘイレンの「Jump」やジョーン・ジェット、トゥイステッド・シスターなど選曲も80年代好きにはグサリとくるキラー・チューンばかり。
後半若干ダレた感じはあったが、概ね楽しめるVRの『インディ・ジョーンズ』。

『レディ・プレイヤー・ワン』(2) 

主人公ウェイツ以外のゲームの住人も3つの鍵とイースター・エッグの謎を解こうとするが、最大のライバルはこれを企業単位で行うインターネットのプロバイダー会社IOIとその運営統括責任者のソレント。
このパーシヴァルとアルテミス、エイチら5人組とIOIによるせめぎあいなんだけど、
最初がレーシングアクションゲーム、次が映画を使った謎解き、
最後が『ロード・オブ・ザ・リング』さながらの大バトルとバリエーションが豊。その上、AKIRAやキングコング、アイアンジャイアントやメカゴジラ、ガンダムなどお馴染みのアニメや特撮のキャラが随所で出たり、『サタデー・ナイト・フィーバー』や『シャイニング』他映画ネタもたっぷり楽しめる。
この映画、『インディ・ジョーンズ』の型に『マトリックス』、『アバター』、『GAMER』を取り込んだアドベンチャー&アクションながらもリアルのシーンも怠らない。パーシヴァルとアルテミス、現実のウェイツとサマンサ(アルテミス)の恋をしっかりと描いている。

『レディ・プレイヤー・ワン』(1) 

スティーヴン・スピルバーグによる80年代のゲーム、特撮、アニメ、映画、音楽満載のVRの『インディ・ジョーンズ』。
ゲームの世界で3つの鍵を集めると亡くなったゲームの創始者が隠したイースター・エッグを手にし、遺産とゲームの世界の王になれる、というのが大筋。
2045年のボロいプレハブが積み重なった集合住宅(スタック)から始まるファーストシーンはフリッツ・ラングの『メトロポリス』もリドリー・スコットの『ブレードランナー』を彷彿させるSF名画の典型的表現ながら一気に映画の世界に引き込まれる。きらびやかな都会ではなく、みすぼらしく、「北斗の拳」のサザンクロスを彷彿させる街並み。人々がみなゲーム「オアシス」の世界に虜になるのもSF小説「2112」さながら。
この世界観をベースに主人公ウェイツが「オアシス」でパーシヴァルとなり、女性キャラのアルテミスや仲間のエイチとともに創始者ハリデーが遺した3つの鍵の謎を解くアドベンチャー&アクション。

『ワンダー 君は太陽』 

先天性の頭部・顔面の骨格の病気「トリーチャー・コリンズ症」により27回もの整形手術を受けた少年オギーが自宅学習から普通の学校に通う1年間のドラマ。

少年映画・家族の映画・そしてオギーの姉ヴィアによるハイスクール青春映画として優れていたアメリカ映画! 顔が変わっているというだけで容赦ない学校の同級生からの洗練とそれを受けるオギー、家族などの心情描写が細かく、かつこれを姉のヴィア、同級生のジャック、姉の友達ミランダなど複数の視点で群像的に見せ、ドラマが何層にも重なったケーキのように重厚な味わいになっている。

『ルーム』の主人公の子供がオギーを演じているので、中盤までの普通の学校に馴染まないフワフワ感が見事に出て、加えてジャックやいじめっ子のジュリアン他子供たちも心情表現が上手く、ドラマをもり立てていた。姉のヴィア、ミランダ編でも「孤独さ」を上手く表していたが、監督が『ウォール・フラワー』の監督と知り納得。

全体的に群像的な脚本以外はストレートな展開で、暗くはないがズッシリとくるアメリカ映画だった。

『アメリカン・アサシン』 

テロリストにフィアンセを殺された主人公がCIA工作員になる映画。
最近見た同系統の『レッドスパロー』や『アンロック』と比べてアクションもそこそこあり、CIA工作員の訓練校のくだりといい、ミッションといい、ストレートかつリアリティ。スパイアクション映画のお手本と言える映画。

その中で、マイケル・キートン演じる教官の教えや命令がいくつかある。「命令」の在り方はスパイの世界だけでなく一般社会の企業の上司・部下にも共通しることで、この点において企業で働く多くの人に共感性が高い。この「教え」と「命令」が主人公ばかりだけでなく、自分にもブーメランのように還ってくる辺りに徹底さを感じる。

ガンアクション、カーアクションもさることながら格闘もしっかりしている。主人公の格闘の動きにタックル、グランド、サブミッションとMMAの攻撃・防御を取り入れ、実践的かつ現代的。
訓練の中に銃とVRを併せた最新のものが見れたり、ミッションでのスマホの使い方も現代的。

盛り上がりもそれなりにあり優等生なスパイ映画だが、強いて言えば強烈なインパクトはない。が、出来が良いCIAスパイ映画である。

『キス☆キス☆バン☆バン』短評|じょ~いmstdn.jp|note(ノート)note.mu/joeymstdn/n/nfa6c54e9f

『BPM ビート・パー・ミニット』 

LGBTの映画やエイズを取り扱った映画への免疫がないとちょっと厳しいかな。

エイズとなると単なる重い闘病に差別・偏見がつきまとう。メインは病気に対する偏見だが、LGBT(だいたいはゲイだが)への偏見も加わる。
その反動での過激な抗議行動と見た。
ただ練り歩いたのではゾンビの行進、動かない=死などおふざけなような乱入や迷惑行動に黒澤の『生きる』の21世紀型と強引・乱暴にとってもいいかもしれない。

『ダラス・バイヤーズクラブ』に対するフランスからの回答であり、『生きる』に対する21世紀からの超変革である。

『BPM ビート・パー・ミニット』 

アクト・アップ・パリスに参加していたロバン・カンピオ監督ならではの描写がぎっしり。
アクト・アップ・パリスのミーティングのシーンが秀逸。活発な論議は『パリ20区、僕達のクラス』の脚本家らしく同様の熱い論戦。拍手代わりの指パッチンや口笛など独特なムード。

ゲイ描写はストレートな描写ながら『ブロークバック・マウンテン』のようなゴツゴツさはなくイケメン同士のそれなのでかろうじて見てられるが、苦手な人はこの辺りでも無理かな。

エイズ、ゲイ、製薬会社というと『ダラス・バイヤーズクラブ』が思い浮かぶが、あっちはとことん製薬会社との交渉だったが、『BPM』はその点では過激。

どちらの映画もエイズと同性愛者のコミュニティながら『ダラス~』はカウボーイが多かったせいかわりとゴツゴツしたのが多く、これに対して『BPM』はいかにも同性愛者っぽい細身の青年が多かったし、女性も普通の感じ。このナチュラルな感じが『BPM』はリアリティで、同性愛者である監督ならではの手腕と言えよう。

『BPM ビート・パー・ミニット』 

フランス・パリを拠点とするエイズ関連の活動団体アクト・アップ・パリスとこの活動に参加した青年ショーンの製薬会社や政府、世間との戦いを描いた作品。

アクト・アップ・パリスの製薬会社や政府、世間に向けた活動がとにかく活発かつラディカル。講演や授業パーティーに乱入したり、会社に乗り込み、講義活動を中心に、血のような真っ赤な染料を風船爆弾にしてぶつけたり、会社でぶちまけたりと強気・強引な姿勢でコンドーム推進や新薬を渋る製薬会社に新薬の治験→発売を促したりし、激しく煽る。そこまでラディカルなのにもエイズにより迫り来る死があるわけだから、そりゃあ切実。異様な光景ながらもあかるく振る舞いながら根は必死、常にベースに病魔と死と隣り合わせの重さが付きまとう。

そんな中で、青年ショーンとナタンによるLGBTのGの恋愛をずばっと見せ、なおかつ個人と団体とのかかわり合いも見せる。
ここで、恋人+個人+家族↔団体にエイズ→死、製薬会社・政府・世間、という広がりがある。

とことん、エイズキャリア・同性愛者=アクト・アップ・パリスの異世界を堪能出来る!

『T2 トレインスポッティング』レビュー|じょ~いmstdn.jp|note(ノート)note.mu/joeymstdn/n/nd133aa17f

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