『BPM ビート・パー・ミニット』
フランス・パリを拠点とするエイズ関連の活動団体アクト・アップ・パリスとこの活動に参加した青年ショーンの製薬会社や政府、世間との戦いを描いた作品。
アクト・アップ・パリスの製薬会社や政府、世間に向けた活動がとにかく活発かつラディカル。講演や授業パーティーに乱入したり、会社に乗り込み、講義活動を中心に、血のような真っ赤な染料を風船爆弾にしてぶつけたり、会社でぶちまけたりと強気・強引な姿勢でコンドーム推進や新薬を渋る製薬会社に新薬の治験→発売を促したりし、激しく煽る。そこまでラディカルなのにもエイズにより迫り来る死があるわけだから、そりゃあ切実。異様な光景ながらもあかるく振る舞いながら根は必死、常にベースに病魔と死と隣り合わせの重さが付きまとう。
そんな中で、青年ショーンとナタンによるLGBTのGの恋愛をずばっと見せ、なおかつ個人と団体とのかかわり合いも見せる。
ここで、恋人+個人+家族↔団体にエイズ→死、製薬会社・政府・世間、という広がりがある。
とことん、エイズキャリア・同性愛者=アクト・アップ・パリスの異世界を堪能出来る!