『ハードコア』レビュー|じょ~いmstdn.jp|note(ノート)https://note.mu/joeymstdn/n/n217e2ea49ccc
『SING/シング』レビュー|じょ~いmstdn.jp|note(ノート)https://note.mu/joeymstdn/n/na6e06e03a9d4
『わたしは、ダニエル・ブレイク』レビュー|じょ~いmstdn.jp|note(ノート)https://note.mu/joeymstdn/n/n4acd65ac59f6
『ボヤージュ・オブ・タイム』レビュー|じょ~いmstdn.jp|note(ノート)https://note.mu/joeymstdn/n/n8ecd607e7fb4
『フレンチ・ラン』レビュー|じょ~いmstdn.jp|note(ノート)https://note.mu/joeymstdn/n/nbc400a480b46
『WE ARE X』レビュー|じょ~いmstdn.jp|note(ノート)https://note.mu/joeymstdn/n/n62b3da29192c
『お嬢さん』レビュー|じょ~いmstdn.jp|note(ノート)https://note.mu/joeymstdn/n/n618108125788
『ラ・ラ・ランド』レビュー|じょ~いmstdn.jp|note(ノート)https://note.mu/joeymstdn/n/nc674a6784a01
『パシフィック・リム:アップライジング』
謎の黒いイェーガーや新女性キャラのアマーラのはみ出し&『スター・ウォーズ』シリーズのレイのようなニュータイプのヒロインを中心にして見るなどそれなりのポジ要素がなくはないが、
如何せんストーリーが盛り上がるエンジンのかかりが遅いのと、トム・モレロによる『パシフィック・リム』のメインテーマがしっかりかからないなど、全体的にもっさりしたムードが拭えない。
トム・モレロによる『パシフィック・リム』のメインテーマは『ロッキー』シリーズで言う『ロッキー』のメインテーマと同じ。ハッキリ言ってインポテンツの『パシフィック・リム』である。
で、ストーリーの核になっているのが上海の新進企業シャオ商事の台頭で、PPDCのイェーガー戦略のイニシアチブを握ったり、無人機イェーガー推進など独自の路線が目につく。これは中国の大連万達グループのレジェンダリー買収がモロに現れたお家事情込みのシナリオで、そこからの事故なんかレジェンダリーの自虐にしか見えない。
面白い脚本ではあるが、『パシフィック・リム』としては歪である。
『29歳問題』
映画化においてあらゆる遊びが見られる。
その1
随所で出てくるウォン・カーウェイの『花様年華』のオマージュ。『花様年華』のポスターやティンの飼ってるカメの名前が『花様年華』のヒロインのマギー・チャンにあわせてマギーとチャンだったり、そもそもクリスティと彼氏の関係が『花様年華』のマギー・チャンそのものだったりする。
が、この映画では隣の男と恋愛にはいたらず、自分の生活・幸せに向き合う。
その2
ティンがレコード屋で働くシーンが『ハイ・フィディリティ』とダブる。太っちょのティンがまんまジャック・ブラック。
その3
クリスティと認知症の父の関係がまさしくダイアン・キートンが監督した『電話を抱き締めて』にそっくり。おそらく参考にしたと思われる。
今試写で見た『29歳問題』
香港の舞台劇(一人芝居)を映画化。
ストーリーはもうすぐ30になるキャリアウーマンのクリスティの奮闘記を軸に、クリスティの父との話、借り住まい先の主のティンのエピソードを交えたオンナの幸せの物語。
会社のNo.2だが部下からは疎まれ、難しい仕事をふられ、長年の彼氏とは上手くいかない美人のクリスティと見かけはハリセンボンの角野卓造だけど、自分のやりたいことを草なぎ剛似の彼氏と楽しみ、ある問題を胸に秘めながら憧れのパリに旅するティン。
いい会社、いいルックス、いい暮らし、いい男、そして仕事の成功ばかりが幸せではない。
映画監督デビュー作ながらも、クリスティの化粧品会社のキャリアウーマンの世界観、生活感、レコード屋の店員のティンの価値観、世界観も完璧に作り上げている。
それもそのはず、この監督こそ舞台版の脚本・演出・主演を全てやった人で、まさしく執念の映画化をパリのシーンやバスの中、会社他各シーンで感じ取れる。
今試写で見た『四月の永い夢』
恋人を亡くした迷える二十代の喪失感は良く出ていた。
中盤まで赴くままに流される主人公の姿になんの映画か捕らえにくいが、辛うじて3年前亡くなった恋人に対する後悔、喪失からのトラウマなんだな、となんとか伝わる。
そのもどかしさのドラマ。
やたら流れるラジオは意外にも重要な伏線だったりし、その演出で一本取られた。
が、前半に出てくる手拭い職人の彼を上手く使えなかったり、お蕎麦屋からの主人公に関するある大胆な出来事も生かしきれてはいない。おまけに途中で出会う少女も彼氏にDVを受けてる闇要素がありながらももうひとつ空回り。メインのエピソード以外の演出・脚本に練り込みが足りない。
全体的に低予算の日本のインディ映画というのが手にとってわかる作りで、そこに昭和の喫茶店のソーダ水のようなシンプルさがあるので、悪くはないと言いたい。けど、物足りなさはある。
『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』
ベトナム戦争の真実が記してあるペンタゴン・ペーパーズの掲載を巡ってワシントン・ポストの発行人/株主のキャサリン・グラハムと編集主幹のベン・ブラッドリーがアメリカ政府を相手に闘う、というもの。
脚本に『スポットライト 世紀のスクープ』のジョシュ・シンガーが関わっているだけのことはあり、新聞記者達による真実を載せるための攻防はまさしくスピルバーグ版の『スポットライト』。『スポットライト』にさらに政府との関わり、歴史の中での重要さなどが加わり、スケールがさらに大きくなっている。
『スポットライト』との最大の違いはメリル・ストリープが演じる発行人/株主のキャサリン・グラハムの女のドラマ。女性として、亡き夫から受け継いだ会社の株主としての闘いにより別の種のドラマが味わえる。
ベンもキャサリンも自分の会社だけでなく、自宅でのパーティーや仕事/会議が同居するシーンがいくつかあり、そのギャップがまた面白い。
『クソ野郎と美しき世界』
まだ思いきったことは出来なそう。
やはりまだまだアイドルの稲垣吾郎、香取慎吾、草なぎ剛のまま。
園子温を監督に迎えたわりにはまるで手温い『ピアニストを打つな!』は色々惜しい。
もっと意味不明にやるならやって欲しかったし、鈴木清順チックになる可能性はいくらでもあったが、何も出来ず。
これでは元SMAP達がなんとなくabemaTVで生放送をやったノリを映画館のスクリーンでウェーイとやっただけ。
それがこの映画の正体とみた。
「世にも奇妙な物語」レベルとは言ったが特に香取慎吾のは「世にも奇妙な物語」の中でもチャンネルを変えたくなるレベルのクソエピソード。
まあそういう意味でクソ野郎というのはまっとうしてはいたがね。
けど、クソ映画とまではいかずそこそこなのでクソ映画でもない中途半端さ。
アイドルの枠を抜け出せないおじさん三人のあがき。
けど、凄い出来が悪いわけじゃないだけに、テレビ他マスコミでプロモーションが出来なかったのは致命的とみた。
『クソ野郎と美しき世界』
とりあえずは悪くない、と言いたい。
要は元SMAPの三人の顔見世興行オムニバス映画。
3つの短編とカーテンコール的なエピローグで構成されたオムニバス。3編はどれも「世にも奇妙な物語」に毛が生えるかどうかのレベル。
映画通の稲垣吾郎にあわせた『ピアニストを打つな!』はダメなヤクザたちの素敵な設定を見せながらも消化しきれず。
香取慎吾のは歌を食べる女の子の不思議ちゃん設定からつまずきどうにもできず。
爆笑問題・太田光が監督・脚本の『光へ、航る』は草なぎ剛をダメなヤクザに仕立てた意欲作。本作で一番的を射た作品。映像センスは地味ながらも脚本はキレがあり。
最後の『新しい詩』はカーテンコールだからなー。
3打数1安打1四球なオムニバス映画。
いままでのSMAPとしての三人ならこれでいいが、元SMAPでジャニーズから抜けて「新しい地図」としてはあまり新しいのが出来てない。
そこが問題点とみた。
おそらく第2弾もありそうな雰囲気だが、このままでは無難なレベルが続きそう。
殻は破れてない。
『娼年』
わかった。
とにかくノーマルなセックスのオンパレードなので途中で飽きちゃう。しかもAVみたいに抜けないよ、これ。
例えば『吉原炎上』とかみたいにイク時に電球を握り潰すとか、ラース・フォン・トリアーの『ニンフォマニアック』みたいにみんなに見えるような女子のオナニーシーンとか、マンコが壊れたとか、そういうのがない。
『恋の渦』の原作者で『愛の渦』をやった三浦大輔監督だけにその辺を期待したが、ノーマル過ぎて期待外れ。
そもそも野郎のセックスが1時間1万円とかまるで日暮里のチャイエスやかつての西川口の本サロクラス。
ならば三浦大輔には近い将来チャイエス嬢の一日をドキュメンタリータッチで描いて欲しい。今回は残念な映画だった。
『娼年』
松坂桃李が演じる男子大学生が男娼になる映画で、映画の60%は松坂桃李のセックスシーン。
が、前作『何者』で素晴らしい群像劇を作った三浦大輔監督らしくない雑な脚本と演出。直球のセックスシーンが多いのはいいがワンパターンで、ドラマが薄い。
14年前に公開したジェームズ・ブランコ主演の男娼の映画『ソニー』とは比べ物にならない駄作。
しかもそのセックスシーンも局部やきわどいシーンもない。手マンのクチュクチュする音やパコパコする音が妙にリアルなだけで、他は工夫がない。松坂桃李のファンをターゲットにしたのがアダになり、にっかつロマンポルノ的な作品が中途半端に。いっそのことピンク映画にしちゃえば、まあ安っぽい脚本のピンク映画になっただろうけど本作はそれ以下。
誰得な映画?って訊かれたら松坂桃李ファンとは答えられはする。まっとうな映画作品ではなく、松坂桃李のセックス擬きが見たい人のための作品。