【再鑑賞】ヘレディタリー/継承-5
先述したがホラーには種類がある。モンスターやスラッシャー系は”逃げのびる”過程を楽しむものだと思う。ある意味”サバイバル”だ。
この映画は”家族”がテーマであり、家族からは逃げられない。
逃げられないからこそ一度始まった崩壊は止められずその先には絶望しかない。
だから”家族”というコニュニティーは厄介だ。
私は再鑑賞したが結局最後までどちらかなのかわからなかった。答えはきっとどちらも正解なのかもしれないし、どちらでもないのかもしれない。
出来ればピーターがハッパやってるときに見た妄想であってくれと思うが、幽霊のせいにしたい気持ちもある。
この作品はトラウマを植え付けたというよりは呪いをかけられたんじゃないかと思っている。
監督の家族に対する一種の呪いが画面を通してたくさんの人に伝播していく。
年明けには監督最新作「ミッドサマー」が公開されるが、予告がスウェーデンらしいさわやかな夏至祭と笑顔の人々で満載なんだが・・・そんなわけないよね・・劇場から虚無の目をした人々が出てくる様が目に浮かぶ。
むろん、私もその一人になるだろう。
【再鑑賞】ヘレディタリー/継承-4
俳優陣にも注目したい。
母親役のトニ・コレットの表情が素晴らしかった。
クールに見える反面感情の起伏が分かりやすく表情にでている。
なにより、顎が外れちゃわないか心配。
父親役にガブリエル・バーン。
ガブりーはさーー「エンドオブデイズ」で悪魔だったじゃん?
お前が元凶じゃ・・?って途中疑ったよね。
(シュワちゃんの映画で結構好きな作品です。)
この父親が何もしない。ただの傍観者で最初ガブリエルとは気づかなかった。
娘役のミリー・シャピロちゃんは出番は少ないもののとてつもない印象を残していた。
インスタみると笑顔のかわいらしいお嬢さんなんだが・・この先、参加される作品がたとえラブコメだったとしても身構えるね。確実に彼女がトラウマ。
息子役のアレックス・ウルフは”いけてない”感じがとてもよかった。
ハッパでしか繋がれない。ちょっとダメな感じの学生がハマってた。
かと思いきや事故が起きた時の表情やそれからの茫然自失な虚無感もよかった。
【再鑑賞】ヘレディタリー/継承-3
なお、どちらの作品もTV版の吹替えには野沢雅子さんがでているので孫悟空以外の雅子さんも
堪能されたし。(※DVD版は違う吹替えだったらすまん。)
私も年末には「回転」を再鑑賞予定リストに入れている。
もちろん、原作本の「ねじの回転」もめちゃくちゃ面白いのでオススメ。
恐怖演出として突然大きな音が鳴るが、本作ではホラーの定石はあまり使用されてない。
その反面、画面いっぱいに広がる暗闇、ツリーハウスの赤い色など視覚的効果がもたらす
演出によって恐怖がじんわりと腹の底にたまる感じがした。
後半に階段を駆け下りるアニーを例にあげるが画面の抜きがうまいなと思う。
そういう細かな部分が”恐怖”につながる。
予想がつく個所も多々あるが、最後までどうなるのかと予測できないほどの牽引力が
この作品が面白いと感じた部分だ。
【再鑑賞】ヘレディタリー/継承-2
精神に異常をきたしているのは母親なのか、息子なのか、父親なのかはたまた全員なのか。
それとも本当に「幽霊」はいるのかというどちらなのかはっきりとしない気持ち悪さだ。
この気持ち悪さは最後まで続く。
また視聴者つねにどちらなのか疑いながら鑑賞することになる。
”誰か”の妄想なのか”幽霊”はいるのかと。
ホラー映画の名作とも言われている「回転」に通ずるものがある。
始め既視感を覚えたのはロバちゃん監督の「普通の人々」だったのだが、過去のインタビューを見るとどちらからも多くのインスピレーションをうけているとのことだった。
「回転」は元々小説「ねじの回転」とカポーティ脚本で映画化したが、
長い間見ることが困難だったが、TSUTAYA発掘良品でリリースされたので見てない人はぜひ見てほしい。
【再鑑賞】ヘレディタリー/継承-1
劇場へは行けなかったのでレンタル開始とともに鑑賞済みでしたが、再鑑賞しました。
(なんでもう一回みたのか・・・できればもう遠慮したい。)
祖母の死をきっかけに崩壊していく家族がテーマ。
文字にすると”怖さが”まったく伝わらないがホラー映画の最高峰といってもいいぐらいに気持ち悪い。
モンスター、スラッシャー、スプラッター、怪奇現象等ホラーにもいくつか種類がある。
この映画は非常にどの分類にするのか難しい。
ゆえにホラーなのか?という疑問もあるが、”ホームホラーというジャンルの新たな礎になりそうだなと思った。
「祖母が亡くなったことで家族の秘密が少しづつ明らかになるつれて周りで不審な・・」などという
ありがちな”普通”はこの映画では起きない。
ここで起きるのは”怪異”は本当に起きているのか?という疑問だ。
ちょっと風邪気味なので酷くなる前に病院に行き大人しくオフトゥンで寝ていたものの、途中で録画しておいた「デンデラ」を鑑賞。
出てくる語彙が「ちょーヤベェ」しかない。
何がやばいってどんなに汚く演出させようとしても浅丘ルリ子から滲み出ちゃう上品さ。
みんなのリーダー草笛光子はクラさんこと手足を食われた赤座美代子を生きた囮にするのを躊躇しないわ、突然今年になって村を襲おうとするわ。
ババァ50人が羆の親子(穴持たず)に竹槍で戦うとか...もう..見てられないよ!!
頼むから誰か1人くらい斧持参で姥捨山に捨てられてくれよ!
1人食い殺される度にSWのイウォークを思い出して悲しくなるじゃんか...。
熊と戦った後は雪崩が来るわでとにかくババァを殺しにかかる自然
残ったババァ6人くらいでまた羆と戦闘...もうここまでで手に汗握るバトル展開で寝てる場合じゃなかったわ。
もはや羆のクオリティがぬいぐるみっぽいのなんかどーでもいいくらい倍賞美津子の死に様はカッコいいわー。
地味に山本洋子やら山口果林やら角替和枝やらめちゃくちゃ豪華な女優が出てお腹いっぱい。
なんか余計に熱出てきた。
ラッカは静かに虐殺されている-4
先ごろISでは若者に人気のTikTokにプロパカンダに加え斬首刑の動画をアップした。運営がすぐに対処したようだが何人かは目にしかかもしれない。
日本には無関係と思っていてもISは巧みにSNSを駆使し貴方の大切な人に近づく。
日本では中東情勢よりも芸能人の脱税のニュースの方が優先度が高い。それは我々国民がコンテンツとしてそちらの方が消費しやすいからだ。
先日にはISの指導者がアメリカの作戦により殺害されたとニュースになったものの、次の指導者がすでに現れた。
RBSSの彼らは沢山の仲間や家族が犠牲になっても活動をやめない。いや、やめられないんだろう。残されたものの責務としてこれから生まれてくる子供たちに安心して普通の暮らしが故郷でおくれるようになる日まで。
ラッカは静かに虐殺されている-1
5年間での死亡者が43万人にものぼる戦後史上最悪の人道危機と言われるシリア内戦にせまるドキュメンタリー映画。
ラッカの街は占拠されISの首都とされた。かつて穏やかだった街は爆撃により廃墟と化す。
このドキュメンタリー映画はそんなISに対し銃ではなくSNSを武器に戦う匿名の市民によって結成されたジャーナリスト集団「RBSS」の活動記録。
海外メディアも報じることができない惨状を国際社会に伝えるためスマホを武器に街が直面している現実を次々とSNSに投稿してく。
こうした活動を脅威に感じたISは彼らに殺害予告を出す。そして彼らの家族を拉致し処刑した映像を公開し彼らを脅迫するまでにいたる。
続く>>>
「スピリッツ・オブ・ジ・エア」が、デジタルリマスター版で2月8日(土)より上映(新宿シネカリテ他)
あああっ納期のラッシュな2月...体力残ってたら&覚えてたら...。
バハールの涙-2
戦う理由はそれぞれだ。故郷を取り戻すためとお題目は数知れない。
バハールも息子を取り戻すとう希望だけが自分の存在意義になっている。
でも感じたのは自身が与えられた痛みを同じ数だけ与えるために戦っているようにも思えた。
ペニスで貫かれた分、バハール達は鉛の弾で敵を貫く。
今を生きるために引き金を引く。
劇中「女に殺されると天国に行けない」というセリフがあった。女を軽視し性玩具としかみていない彼らにとって女性兵士に殺されるのはさぞかし屈辱的なことなのだろう。
あまりにも凄惨で言葉にならない。普通であることが許されない人が未だにいる。
実際の出来事に着想を得ているフィクションとはいえ、ノンフィクションを見てるような作品だった。
続く>>>