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エビータ鑑賞。
男を踏み台にどんどん成り上がるエビータ。アルゼンチンの労働者からの圧倒的な支持と、上流階級や軍部からの強烈な侮蔑。どちらも描いているのは何の不思議もないけれど、アントニオ・バンデラスは不思議だった。最初からエビータをまつりあげる民衆に冷笑的で、エビータの権勢が盛り上がれば上がるほど冷ややかに事実を突きつける、どこにでもあらわれ何にでもなる、労働者階級?の擬人化のような存在。かつ、エビータが衰弱すれば彼も傷つくという、まるで鏡写しの自己のような男。正直、ミュージカルナンバーもそれほど惹かれなかったし、話自体も特別好きでもないけど、ファーストレディまで上り詰めた女性の鏡写しがアントニオ・バンデラス(役名がわからん…チェ?)ってのは面白かった。鏡写しとはいっても、2人がしっかり対面するのは、エバが倒れた後の夢?のシーンだけだが。
それはそうとアントニオ・バンデラスはめちゃくちゃセクシーだなぁと思います。そんなにたくさん作品を見てるわけじゃないけど、昔から好きなんだよね。

ウィッシュ鑑賞。試写会にて。 

真実と願いを求めて戦う、100周年らしい目配せと希望に満ちた映画で、とても良い話だった。ディズニー作品が好きな人ほどいろいろ気付けて楽しい作品だと思う。そんなに詳しくない私でも楽しかった。
ところどころ水彩画みたいな絵面というのか、3Dっぽくない絵と3Dな絵が融合している?ような映像で、ちょっと目新しいし、とても美しかった。
ディズニーといえばヴィランの曲がかっこいいイメージが勝手にあったのだけれど、主人公サイドの曲がすごくかっこよかった。

CURE鑑賞。
期待が大きすぎた…。もっと不気味で面白いかと思ってたけど、なんか普通だった。ムカつくんだもん、間宮。あれじゃあ、本当は思っていたことじゃなくて、誘導されて思い込まされたことに過ぎなくて、それだったら別に不気味でもなんでもないなぁって。
でも佐久間が「俺疲れてるんだな」とか笑って奥の部屋に引っ込んだ時に電気をつけたら…のあのショットは好き。わけわからなくて構わないから、ずっとああいう不安で不気味な感じなら良かったのに。

追憶の森鑑賞。
わざわざ外国へ死ににくるなんて迷惑な話だ、まじで。というのはおいといて。それに、死ににきたくせに死にたくないなんてのも滑稽だ、とも思うのに。
なんだかおかしなことを言うな?と思ったあたりからなんとなく結末は見えるのだけれど、それでもやっぱり、これは結構好きな話だった。一緒に暮らしていても、それなりに…それこそいなくなれば生きていけないほどに愛していても、些細な"本当のこと"を何一つ知らない。人間ってもしかしたらそんなものかもしれない。そんな人への優しい物語。
ただ、(ファンタジーとかスピリチュアルということを除いても)全然リアリティはない。あれ、持って帰れるものなの?

ダンディー少佐鑑賞。
北軍士官のダンディー少佐が志願兵を募って先住民討伐+誘拐された子ども奪還へ。志願兵といっても囚人やそこらへんの酔っ払いだったりでこぼこで、使えそうなのは少佐に含むところのある南軍兵士(捕虜)くらい。まぁそんな反目しあった少佐とタイリーンが共通の敵に対して手を組むのはアツいけど、特別面白くはなかったかもしれない。少佐よりもタイリーンの方がキャラクターとして魅力的に見えちゃう。

聖なる鹿殺し鑑賞。 

私はファンタジーに出てくる"古のルール"が好きだ。たぶん『ナルニア国物語』で育ったからだと思う。
で、これはものすごく現代のものすごく普通の(とはいえ、とても裕福で洗練された)ご家庭のお話で、そこにそういう"ルール"が持ち込まれる。一人の血が流されたならお前の家族の一人の血で贖われなければならない。ものすごくちぐはぐで理不尽なんだけど、最初「この二人の関係はなんなんだろう」からずっとちぐはぐだったから、そのわけわからなさはなんとなく納得がいく。マーティンは神とかルールとか、そういう装置だった。一番気持ち悪いのは、マーティンよりも「じゃあこの中の誰かが死なねばならない」となった時に、突然「パパのいい子」になる子どもたちと、選べなかった父親のとった方法だ。醜悪。

ホテル・ルワンダ鑑賞。
たまには真面目な映画を見ないとね。と思ったがあまりのことに言葉を失う。
ゴキブリと呼んで殺す相手と自分とにどれほどの違いがあるのか。次の世代を残さないためにと子どもまで殺し尽くす。本当にどこまでも残酷になれる人間。一方で、文字通り命がけで彼らを救う人も描かれているので、「ニュースを見て"怖いな"で終わってディナーを続ける」自分の汚さも感じる。

パリで一緒に鑑賞。
「ドル箱スターの2つの顔が近づき究極の瞬間が訪れる。世界中の話題をさらい、会社を儲けさせ劇場を満席にし、売店を潤す…」そんな映画。わかっててやってる陳腐さと、荒唐無稽な描写。
全体的にバカバカしい話だけど「フランケンシュタインとマイフェアレディは同じ物語だよ。終わり方は逆だけどね」とか、たまにドキッとするようなことを言う。いろんな作品・俳優の使い方が面白かった。
「上唇をあげてごらん、笑ってるように見えるよ」でガブリエル(オードリー・ヘプバーン)が全然笑ってないイッて顔するの、すっごい笑った。失敗disasterって言われてるw
ディゾルブの多用がうっとおしい映画です(ボードゲーム楽しい)

キネマの神様鑑賞。
びっくりするほど古臭い話だった。まぁそれが良いのかもしれんけど。いや、いいか?許せる要素全然ないんだけど。それと作中作が…古くて…。今の賞を獲るほどの作品って感じが全然しない。なのにめちゃくちゃ新しい話で、コロナ禍とかのリアルを入れてくるので変な感じ。だって病院も全然リアリティがない…どこの病院だってめちゃくちゃ厳しくなかった?お見舞いすら許されなかったのに…。
それはそうと、志村けんで見たかったなぁ…(沢田研二が悪いって意味じゃなく)

心の旅鑑賞。
撃たれて記憶を失ったエリート弁護士、鼻持ちならない野郎だったヘンリーはその時きっと死んだ。身体機能から言葉から、何もかも失ってリハビリ頑張って(また療法士のブラッドリーがめちゃくちゃ良いキャラだし)少しずつ自分を取り戻していくヘンリーはまるで朴訥な青年といった感じで、全然様子が違うけど、絶対こっちの方が良いやつでさ。家政婦さんの「今の旦那様の方が好きですよ」とか、辞めるって言った時の秘書の女性の反応、すごくよくわかる。ハリソン・フォードをかっこいいより全体的にかわいいと思ったのは初めてかもしれない。めっちゃ良い話だったよ、感動した。
だけど仕事も辞めちゃってこれからの生活どうするんだろうとか、元の事務所に契約違反?なんとか義務違反?みたいなので訴えられたりしないんだろうかとか、いらん心配をしてしまう。

トライアングル鑑賞。
なんとなく最初からどんな話かわかるから特別さはないんだけど、何度も何度も何度も何度もやり直してることが暗示…いや、明示されていて気が遠くなる。描写はそれほど地獄じゃないけど、地獄というのはこういう場所だと思う…。
などとシリアスに考えてみたが、もしや主人公以外の人、完全に巻き込まれ損?自分の地獄に他人を巻き込まないで!

アポストル復讐の掟鑑賞。
宗教?カルト?のホラー、いいよね。よくわかんないけど。あの何か…女神のようなものの設定とビジュアルがすごく好き。大地の神みたいなね。それとダン・スティーブンスってあんなわっるい目つきの人だっけ…見たことない顔してた…すげーな、ってのが良かった。

ザ・リチュアル いけにえの儀式鑑賞。
友人の追悼でハイキングに集い、森の中に迷い込む。シンプルに理不尽。主人公が変われない男だというのもなかなかに嫌な後味。クリーチャーもさることながら、森の中に突然出現する主人公の罪悪感の根源である酒屋?コンビニ?の絵面、独特で良かった。

正欲鑑賞。 

そういう共感はあるんだけど、どうしても嫌な部分もある。普通と違う佳道と夏月は「いなくならないから」で通じ合うのに、普通であった啓喜の家族がいなくなろうとしているという結末を思えば、"普通"なんてないのに。っていう方向なのはわかるんだけど、そこまで語ってきた"普通じゃなさ"を小児性愛、明確に人を傷つけている犯罪と引き比べるのはフェアじゃないと思う。

あなたに信じてもらわなくても存在しているは、みんなそうだし、みんな誰に対してもそう思い合えるといいね。

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正欲鑑賞。 

人と違うから擬態しなくちゃいけない。自分は他の、普通の人と違って、明日生きていたい人じゃない。というのは、私の生きていたくなさを詳らかにされるようで非常に居心地が悪い。これを見たところで、分かり合える人が見つかる人は良いよなと拗ねた気持ちになって、「なぁんだ、生きづらい人なんてまあまあいるし、いていいんだな」と楽になる気持ちまで微妙に行けてない、かも。
水の中に沈んでいるような、世界と自分の間に水の層があって、外界の音がぼんやり聞こえるみたいな孤独ってわかるよ、と思ってたから、水が性欲に直結してる(水の音は孤独ではなくて安心なんだろう)ってのはちょっとレベルが高くて意味わかんないけど、"普通"の人にはなれないと実感しているのにそれでも生まれてしまう、正しく"普通"でありたい欲が、タイトルの「正欲」ってことなのかな。全部捨てられたら楽なのにね、生きづらいよなぁ。

ただ、そのまともに取りあってもらえない人の「頑張り」の部分がそんなにはしっかり描かれてなくてヌルッとここに違いない→発見に至っているので(それはドキュメンタリー作品に任せろよ、とも思うが)余計に「感情と勘に任せた結果」に見えてしまうのは、ちょっと不満。描き方としては面白いけど「妄想の産物」に見えてしまうのも気の毒。それこそ彼女の成果を過小評価しているようにも見えて。それと単純に大学の連中がムカつくw

たまたまなんだけど、数ヶ月前に「時の娘」を読んだばかりなので、リチャード3世やリカーディアンについてもだいぶクリアに見えたのが良かったかな。「時の娘」自体も70年くらい前の作品で、そもそもそれよりずっと前からリチャード3世擁護論はあったみたいなのに、2012年の発見(及び2018年の"簒奪者"取り消し)までにすごーく時間がかかってるんだなぁ…。

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ロスト・キング 500年越しの運命鑑賞。
真剣さをまともに取りあってもらえないフィリッパが、"王位簒奪者"としてまともに評価されていないリチャード3世に感じたシンパシーでもってその遺骨を掘り出すに至る。女性アマチュア歴史家が一発当てた!という事実自体がドラマチックなので、ただすごーい!面白ーい!っていう話だけかと思っていたら、フィリッパの功績も奪われているという苦味もあって、感動はしたけどなかなかスッキリはしない。スッキリはしないけど、こんなことがあったんだー!っていう学びはすごく面白かった。「意外とみんな迷信深いからたぶん空き地」の指摘とか、なるほど!と思ったし。

Budugu鑑賞。あまり怖くない🇮🇳ホラー?スリラー?ホラーとしての品質を子役の顔芸だけで保ってるみたいな作品ってあるよね。 

という、あまり怖くないホラー映画あるあるを逆手にとった?ストーリーは面白かった。最後、両親が本気になるところが、よぉやるわwって感じ。でも丸く収まって良かったよね…。アップルちゃんの耳のこともあるし、バニー君は本人が思う以上に無理してたんだろうな。
まぁ、最優秀演技賞はご両親でもバニー君でもなくシドゥさんですが。シドゥさん、賢くてかわいくて良い子ー🥰
ラクシュミー・マンチューさん、美人だ。

パーム・スプリングス鑑賞。 

へー、面白かったー。安定してるんだから出なくていいじゃんの精神と、アンディ・サムバーグ演じるナイルズのゆるい面白さがピッタリ。そして、安定が停滞になって、出るべきと考えたサラの行動が非常に建設的で、こういうループものって新鮮。
なんか、こういう良い話って、楽しんでると取り残されたような気持ちになっちゃって、ダメね、私。

闇はささやく鑑賞。お屋敷ものじゃん!やったー!それだけで高得点!ではあるのだが…。 

ジョージが本来そういうやつっていう要素がデカすぎて、屋敷が霞む…。病的な嘘つきで、自分の快楽と名声だけが重要。一見まともだし、学生にも好かれているけれど、非常に薄っぺらい衝動的な人間。お手本みたいなやつだった。いやー、良かった。
お屋敷は狂気の増幅装置としての役割を多分に果たしているが、それがむしろキャサリンを正気に戻しているというか、ジョージの手から逃そうとしているのが、数多あるお屋敷ものと違ってて面白かった。
めちゃくちゃ好きだけれども、お屋敷ものだったらできれば家で死んでほしかったし、お屋敷ものとしてじゃなくサイコパス夫ものに振るのであれば最後は法で裁いてほしかった。あんなファンタジックな最期でなく。
今まであまり注目してなかったけど、アマンダ・セイフリッド、演技めちゃくちゃ上手いな。

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映画ドン-映画ファン、映画業界で働く方の為の日本初のマストドンです。

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