ロスト・キング 500年越しの運命鑑賞。
真剣さをまともに取りあってもらえないフィリッパが、"王位簒奪者"としてまともに評価されていないリチャード3世に感じたシンパシーでもってその遺骨を掘り出すに至る。女性アマチュア歴史家が一発当てた!という事実自体がドラマチックなので、ただすごーい!面白ーい!っていう話だけかと思っていたら、フィリッパの功績も奪われているという苦味もあって、感動はしたけどなかなかスッキリはしない。スッキリはしないけど、こんなことがあったんだー!っていう学びはすごく面白かった。「意外とみんな迷信深いからたぶん空き地」の指摘とか、なるほど!と思ったし。

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ただ、そのまともに取りあってもらえない人の「頑張り」の部分がそんなにはしっかり描かれてなくてヌルッとここに違いない→発見に至っているので(それはドキュメンタリー作品に任せろよ、とも思うが)余計に「感情と勘に任せた結果」に見えてしまうのは、ちょっと不満。描き方としては面白いけど「妄想の産物」に見えてしまうのも気の毒。それこそ彼女の成果を過小評価しているようにも見えて。それと単純に大学の連中がムカつくw

たまたまなんだけど、数ヶ月前に「時の娘」を読んだばかりなので、リチャード3世やリカーディアンについてもだいぶクリアに見えたのが良かったかな。「時の娘」自体も70年くらい前の作品で、そもそもそれよりずっと前からリチャード3世擁護論はあったみたいなのに、2012年の発見(及び2018年の"簒奪者"取り消し)までにすごーく時間がかかってるんだなぁ…。

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