ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ
米国のやりたい放題大爆発。
今回も白黒つけろな世界ではなく、ひたすらグレーな世界が広がっておりました。
前作は正面からガチのドラッグ戦争を描いてましたが、今回はドラッグカルテルに纏わる誘拐がメインになってました。
誘拐のパートは少しセンチメンタルな感じがしたので、もっと硬派な演出で見たかったです。個人的には。
また、冒頭のソマリアやジブチのエピソードは、必要ないんじゃないかと個人的には思ってしまいました。この部分のせいで話が散漫になるような気がしたので。
比べてしまうと、前作の方が、緊張感が連続する部分が好きです。
とりあえずデルトロは、相変わらずカッコよかった。そこは安心しました。
終わり方がヨーロッパ映画的なここで終わるのかよ。な構成でもありました。
バグダッド・スキャンダル
やはりB・キングスレーの貫禄が一番インパクトがありました。胡散臭さと狡猾さ物事の裏も表も知ってるぞな役はハマってました。
国連にしろバチカンにしろ権力(+金)が集まる所がクリーンな訳が無い。
野心的な外交官に利権にしがみつきたい古今東西の魑魅魍魎が寄ってくる様は、中々リアルな現実を映していたと思います。
時事問題や国際情勢の駆け引きがお好きな方なら地味ですが割と気にいる正攻法な作品だと思います。
国連の「石油食料交換プログラム」の汚職は一時海外メディアではかなり取り上げられていましたが、日本ではそんなに問題にされていなかったような気がします。見る前に軽くwiki ってからだと分かりやすいと思います。
経済制裁で困窮したイラクを人道的に救うプログラムの筈だったが…プロセスの過程で汚職や賄賂が発生。その実態を暴いた本が原作です。原題は、原作の本と同名の題名でした。(直訳すると「背中合わせの初心者」みたいな意味ですかねえ)
LBJ ケネディの意志を継いだ男
監督R・ライナー、主演はW・ハレルソンという渋い作品でした。ミドルネームはベインズなんですね。知らなかった。
JFKと比べたらかなり地味な大統領。自分も名前ぐらいしか知らない人でした。
ケネディ暗殺からの大統領就任&公民権法成立までをコンパクトが纏めてられてました。
映画を見ている限りでは、ジョンソンは、中々の調整役ですね。カリスマ性よりも、実務に精通した頼もしいベテランだったので、ケネディが副大統領に選んだのがよく分かります。
脇役にR・ジェイキンズやB・プルマンも登場してました。脇役達も安心して演技力が堪能出来る俳優達で固められてました。主役といい題材といいいぶし銀な映画でした。
ガンジスに還る
近年踊らないインド映画に当たりが多いので気になって作品です。
監督は撮影当時24歳だったそうで!この枯れ具合が凄いですね。(褒めてます)
インドの紀行文や旅の番組を見ていると、必ずと行っていいほど、ガンジス・死のイメージが挟み込まれていてお約束な感じもしますが、映画の題材として真っ正面から死を扱ったインド映画は珍しいのでは思いました。
バラナシのホスピス(解脱の家)に向かうまでのロード・ムービーなのかと思ってたんですが、中身は違いました。バラナシ到着後の解脱の家で死を迎える準備ををしている人々とそれを取り巻く人達が中心に描かれてました。
宗教や人種によって死生観は様々ですが、生きている人が皆いつかは経験する事ですので、その辺の違いは超えて、鑑賞の目に耐えられる作品になってた思います。
これ、ソコソコの年代の親や祖父母と一緒に見に行ったら色々考えてしまいそうです。
フランス映画を中心にヨーロッパ映画が好き。