もっと見る

バグダッド・スキャンダル 

やはりB・キングスレーの貫禄が一番インパクトがありました。胡散臭さと狡猾さ物事の裏も表も知ってるぞな役はハマってました。
国連にしろバチカンにしろ権力(+金)が集まる所がクリーンな訳が無い。
野心的な外交官に利権にしがみつきたい古今東西の魑魅魍魎が寄ってくる様は、中々リアルな現実を映していたと思います。
時事問題や国際情勢の駆け引きがお好きな方なら地味ですが割と気にいる正攻法な作品だと思います。
国連の「石油食料交換プログラム」の汚職は一時海外メディアではかなり取り上げられていましたが、日本ではそんなに問題にされていなかったような気がします。見る前に軽くwiki ってからだと分かりやすいと思います。
経済制裁で困窮したイラクを人道的に救うプログラムの筈だったが…プロセスの過程で汚職や賄賂が発生。その実態を暴いた本が原作です。原題は、原作の本と同名の題名でした。(直訳すると「背中合わせの初心者」みたいな意味ですかねえ)

人生フルーツ 

昨年から見るタイミングを逃しておりまして、やっと見る事が出来ました。
原作の「あしたも、こはるびより」はだいぶ前に読んでおりました。
題材的にも、普段映画を見に行かない層にもリーチしそうと思ってました。
こんな風に歳を取りたいと思う人は割と多いと思うんですが、これ若い時から自分の人生や生活をどうしたいのか。具体的なプランが無い人には難しい生き方ですね。
主役のご夫婦の生き方に、時代が追いついて来た感がある所が、この映画が支持されてロングラン上映になってる要因なんだなと思いました。

サーチ 

サンダンスの観客賞受賞という文言に惹かれて見てきました。
ネタバレ注意。何も見ずにそのまま劇場にgoしましょう。という言葉今年何回使った事だろうか。
凄く今っぽい作品だと思います。監督は20代の若手らしいですが、こういうアイディア一発勝負の作品大好きです。これも見た人で語り合いたい系統でした。

LBJ ケネディの意志を継いだ男 

監督R・ライナー、主演はW・ハレルソンという渋い作品でした。ミドルネームはベインズなんですね。知らなかった。
JFKと比べたらかなり地味な大統領。自分も名前ぐらいしか知らない人でした。
ケネディ暗殺からの大統領就任&公民権法成立までをコンパクトが纏めてられてました。
映画を見ている限りでは、ジョンソンは、中々の調整役ですね。カリスマ性よりも、実務に精通した頼もしいベテランだったので、ケネディが副大統領に選んだのがよく分かります。
脇役にR・ジェイキンズやB・プルマンも登場してました。脇役達も安心して演技力が堪能出来る俳優達で固められてました。主役といい題材といいいぶし銀な映画でした。

マイ・プレシャス・リスト 

予想通り自分が好きなタイプの作品でした。
会話主体で、ミニマムな人間関係な中でストーリーが展開して脚本がよく練られてるのが分かりました。
主人公がIQ高い元天才。という部分以外は割とこういうタイプの人いるよね。な感じだったので、設定に違和感はなかったです。どんな人間も完璧ではない。というのを改めて認識させてくれる映画でした。

2001年宇宙の旅 (IMAX) 

銀座のテアトルでのリバイバル上映以来の鑑賞。フィルムアーカイブでのチケット争奪戦に負けましたので、IMAXにて鑑賞してきました。
いつも思うけど、キューブリックの作品は時代に対して早すぎる。凡人が理解出来るまでにかなりの時間を有する。
今回も正直訳分からんな部分が多いですが、大画面で見たからかもしれませんが、没入感が凄くて、何も考えずに映像の中を一緒に漂ってきました。今見るとモノリスって、スマホにしか見えないですね。

ガンジスに還る 

近年踊らないインド映画に当たりが多いので気になって作品です。
監督は撮影当時24歳だったそうで!この枯れ具合が凄いですね。(褒めてます)
インドの紀行文や旅の番組を見ていると、必ずと行っていいほど、ガンジス・死のイメージが挟み込まれていてお約束な感じもしますが、映画の題材として真っ正面から死を扱ったインド映画は珍しいのでは思いました。
バラナシのホスピス(解脱の家)に向かうまでのロード・ムービーなのかと思ってたんですが、中身は違いました。バラナシ到着後の解脱の家で死を迎える準備ををしている人々とそれを取り巻く人達が中心に描かれてました。
宗教や人種によって死生観は様々ですが、生きている人が皆いつかは経験する事ですので、その辺の違いは超えて、鑑賞の目に耐えられる作品になってた思います。
これ、ソコソコの年代の親や祖父母と一緒に見に行ったら色々考えてしまいそうです。

バッド・ジーニアス 危険な天才たち 

前評判に違わず面白かった!あっという間の2h強。
エンタメの要素とプロットの巧みさが上手く合わさった良作でした。
カンニングという古典的な題材を、意外とアナログなテクで乗り切っていくのも興味深い。
登場人物達それぞれが持っている物や持たざる物のコントラストで、残酷な現実を見せつけられる感なども今っぽいテーマかもしれません。
夏に見たポップ・アイといい最近のタイ映画は良い物が多いですね。そういえば主役リンのお父さん役はポップ・アイで象の相棒のおじさんですよね。売れっ子なのかなタイでは??

運命は踊る 

ミニマムな構成の作品でした。
ヨーロッパ映画はこういう演出がお得意ですよね。
かくいう私はこのタイプの作品が好きです。
戦闘シーンがあるだけが戦争
映画じゃないのは、皆さん重々承知ですが、ここまで家族の問題として、削ぎ落としかつ丁寧に描く事で、少し他の作品と雰囲気が違うように感じました。
今年あった戦争遺族物「30年後の同窓会」や中東物「判決、ふたつの希望」などと題材は近いのに仕上がりのテイストが全然違うという。
音楽が控えめかつ、殆ど使われてなかった(最近この手の物多いですね)要因もコンパクトな印象を与えているように思いました。ただ、
前半の1hに耐えられないと睡魔の世界に誘われるかもしれません。
平日の昼間に見てしまったからかもしれませんが、いびき度が高かった作品でした…。

太陽の塔 

少し前に「太陽の塔ガイド 」を読んでたので、気になり見てきました。
太陽の塔製作時の創作秘話と明日の神話の話が絡まって展開。
著作などに触れてる人には野暮なのかもしれませんが、岡本太郎が民俗学や文化人類学などにかなり造形が深かった事を今迄知りませんでした。
また、大阪万博でこのコンセプト科学万能主義へのアンチテーゼがこの太陽の塔だった事も皮肉ですね。
そして、今に至るまでに現存しているのもこれだけという。
でも、当時は新進気鋭の芸術家を国威発揚イベントに起用するだけの気概が国にもあったんだなというのが羨ましい。
太陽の塔が作られた時代の延長に当時の未来は無く、今はただ閉塞感が漂う未来なのが悲しい。そして、そんな現代に明るい未来を想像していた時代を振り返っている事が、もっと悲しかった。

世界が愛した料理人 

世界的料理人のエネコ・アチャを取り巻く交流を描くドキュメンタリー。主にスペインと日本の料理人がフューチャーされてました。
どのシェフのお店もおいくら万円な世界でしょうが、プロの世界のストイックさは見ていて清々しかった。
スタイルは違えど、楽しんでしてればドンドン上達しよう。改善しようと思う点が思い浮かぶはずと異口同音で言っていたのが興味深かった。二郎さんが握る寿司は口当たりが良さそうですね。見た感じ。

アンダー・ザ・シルバー・レイク 

今年見た映画のうちでのワースト映画です。
一般公開前の作品でこう言うと営業妨害な気もしますが事実なんでつい書いてしまいました。
何も知らずにただカンヌで上映された事と編集を大幅にやり直した事だけ知ってた作品。
よく言えば、明るい悪夢。でも、途中の様々なエピソードの投げっぱなしジャーマンは、
D・リンチだと謎が謎を呼ぶけど、これは消化不良感がどんどん重なっていく感じ。
中盤までが、特に物凄く長く感じてしまった。
唯一良かったなと思ったのは、主人公のオタク趣味のディテール。8Mスーパー・マリオとか超懐かしかった。
あと、見た帰りはNirvana聞きながら帰りたくなります。

映画を見て初めて泣いたという記憶があるのは、今を生きる。でした。

サニー 永遠の仲間たち 

Twitter でのフォロワーさんが鑑賞されたと言うのを見て、触発されて私も見ました。
予想通り、号泣映画の仲間入り。思ったよりもコミカルなシーンが多かったのが意外でした。
これ、日本でいうと団塊Jrの先頭ぐらいの世代の話ですよね。
韓国の80’sど真ん中ぐらい(多分オリンピック前)全政権の時代で、まだ世界に経済成長で討って出る頃。 時代設定との旨さと相まって秀作でした

クレイジー・リッチ・エイジャンズ 

一足お先に見てきました。
予想と違う展開でしたが、面白く見ることが出来ました。
きっと今の日本でも、友達・同僚・身内で中華圏の方が居る人も多いと思いますが、知られざる華僑社会の片鱗を垣間見る事が出来て興味深かったです。
序盤は、若干漫画っぽい演出が不安を感じさせたんですが、段々と華僑社会の深淵に迫って来てからは、集中して見てしまいました。勿論、映画なので誇張があるのは重々承知ですが、
見た目は似てるけど、風習や習慣が全く世界異なる世界は主人公共々探検する気分になりました。
主人公の学生時代の親友が良いキャラ出てました。
コテコテのコメディでもないし、シリアス一辺倒でも無いので、中途半端感があるから宣伝が難しそうって思いました…
(余計なお世話ですが…)
ただ、この手の作品がアメリカで受けたのはちょっと意外な気がしました。米国も段々雰囲気が変わって来てるんでしょうかね。
劇中シングリッシュは控えめで、ごく普通の英語で台詞は展開されてました。

顔たち、ところどころ 

仏の女性監督の第一人者でもあるA・ヴァルダとアーティストJRの共作のドキュメンタリー。ただ写真を撮っ壁に貼るだけのプロジェクトですが、そこは芸術家の2人中々オサレな仕上がりなんですよね。どうって事がないごく一般の人々の顔がいい感じの表情で、そこを引き出す手腕も見事でした。
方向性は違うけど、一般人を捲きこむタイプのアーティストでもあるバンクシー的なノリも感じました。
終盤、ヌーヴェル・ヴァーグの取り持つ縁についてのエピソードがありますが、ゴダールはやっぱりゴダールでした!私の中では、ひねくれ爺さんのポジションです。
あと、作中気になってたフォト・トラックですが、
浅間国際フォトフェスティバルで、登場していたそうです。これ、フェスで一台あればすごく盛り上がりそうです。

プーと大人になった僕 

今年はイギリスから熊とか兎とか、動物が活躍する映画がやたらと元気ですね。
予告編で見たのと予想通り疲れたオトナ向きな作風でした。
君、何か最近疲れてない??って画面からくまのプーさんに言われてる気分になりました。本当、「何もしないが、最高のかを生み出す」のなら、私にも仕事がスタックしない休暇を1ヶ月くれって思いました。

若い女 

久しぶりに典型的なザ・フランス映画。とでも言いたくなるような雰囲気の作品でした。
私はこういうタイプの映画が、とても好きです。
自分中心で、己の欲求を叫びまくる話まくる。日本人とは対照的なキャラクターの人々。
大して何かが進歩するとか、劇的な環境の変化が起こる訳ではない、ごくごく普通の日常。
メディアが喧伝するオサレなパリは一切出て来ません。
また、題名と裏腹に主人公は、若くないですw。

人生No1の映画 

アンドレイ・タルコフスキーの「ノスタルジア」。
ミニシアター系映画をかじり始めた中高生の頃、
ぴあから出版されていた映画百科的な本で、やたらと評価が高く気になっていた作品。
その後、学校の通学途中のレンタルショップに置いて有ったので、早速手に取ったのが19歳の時。
借りてきて、夜中にぼーっと見ていたら、画面のトーンの暗さと静謐な雰囲気が、夜中のシーンとした空気とハマっているような気がしました。
何とも言えない雰囲気で観賞していました。
その時の印象がどうも強いようで、映画館でリバイバル上映がある度に見に行ってしまいます。
ストーリーを噛み砕くというよりも、画面や映画に埋没して鑑賞するタイプの作品だと思います。

ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男 

テニスは、ルール知らない門外漢ですが見てきました。きっとテニスが分かる人だったら迫力がある試合映像に仕上がっていたのがよく分かりそうな雰囲気でした。
両者とも対照的なキャラクターとして描かれてましたが、過去のエピソードを見る限り両者似た者同士ですね。
特にマッケンロー役にS・ラブーフを起用したのはとても的確だったと思います。
また、全編英語の台詞ではなく、スウェーデン側は、ちゃんとスウェーデン語になってたのも良い。

もっと見る
映画ドン-映画ファン、映画業界で働く方の為の日本初のマストドンです。

映画好きの為のマストドン、それが「映画ドン」です! 好きな映画について思いを巡らす時間は、素敵な時間ですよね。