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『ツインエンジェルBREAK』第10話。やはり名取 孝浩、天才!最高! 

沈みまくりのめぐるとストーリー展開に反比例するがごとくの、すみれの情熱とコンテ演出!

ここぞというところのアップでの感情爆発表現は名取氏の十八番だが、そこに至る助走とでもいうべきコンテの切れ味には鳥肌が立った。

特に歩道橋ですみれが長月に出会う場面のレイアウトの切れ味!「どうにかしたいのにどうにかできない」すみれの停滞と苛立ちの衝動を示す金網越しの電車走行カット!

F-15やら強引スロット描写やらビリー復活のストーリー仕掛けも楽しいけど、ここらあたりは今期に『sin 七つの大罪 』という強力な番組が存在してるのでどうしても平凡に見えてしまう。そこに確固たる支柱をコンテと演出で築く『ツインエンジェルBREAK』にはアニメの醍醐味がたっぷり詰まっている!いや、ストーリーも最高ですけどね。

心霊映像DVD『封印映像29 池のほとりの蓮美さん』 竹に!突き刺さった!描写が!あるなら!見・せ・ろ・よ!!! 

安い人身発火や睾丸切り取りに気を取られて肝心の描写は後日談だ語られるだけ。ふざけるな!

「恋人たちの晩餐」は非常に悪いい意味で『Not Found』や『監死カメラ』シリーズへの追従を感じた。そこには行かなくていい良いから!の一言。

前作が凄く良かっただけに落胆。

『20センチュリー・ウーマン』何にも始まっていない映画、なのが凄く良い。傑作『ロード・オブ・ドッグタウン』と二本立てで観たい…。

ライオネル・ホワイト作品は映像化されるとファムファタル要素を全面に押し出した脚色になることが多い印象。

バート・ケネディ監督の『銭の罠』もグレン・フォード刑事を犯罪の道に巻き込むリカルド・モンタルバン以上に、彼の妻であるエルケ・ソマーや腐れ縁のリタ・ヘイワース(やさぐれ度の貫禄が凄い)が目立ってた。バート・ケネディ自体の女性観(バッド・ベティカー作の脚本仕事に顕著)も色濃く出てるからだろうが…。

バーバー さんがブースト

キューブリックの『現金に体を張れ』(56)やゴダールの『気狂いピエロ』(65)の原作者として知られるライオネル・ホワイトの『ある死刑囚のファイル』(59)を読む。ホワイトの小説はさほど翻訳されてないと思うが、あとがきによれば当たり外れの多い作家なのだという。そしてこれは当たりと書いているのだが、うーん、どうかな?妻が殺され掛けた数日後、今度は夫の車のトランクから知らない男の死体が発見されて彼は逮捕されてしまう。主人公は隣人の弁護士で、しかし殺人は門外漢なのだが夫婦はどうしても彼に弁護してくれと言うのだ。一体なぜそこまでこだわるのか?小説を読んだらその映像化を探せ!それが映画ファンの鉄則だが、これはTVシリーズ『ボリス・カーロフのスリラー』(60-62)のエピソードとして映像化されている。You Tubeに上がっていたので見たが、ちょっと変わったファムファタルものに思えた。読んでいる時には思わなかったことだ。やり方次第では化けたかも知れない。監督は『謎の下宿人』(44)のジョン・ブラーム。
youtube.com/watch?v=YsXQleOQmm

『20センチュリー・ウーマン』2回目。大好き。耳が幸せとはこのこと。 

当然の如くトーキング・ヘッズが来てザ・レインコーツにジャームス(!)と来て「ベイズン・ストリート・ブルース」や「イン・ア・センチメンタル・ムード」が流れてもクラクラする。ここにアステアやボウイやスーサイドまで来て、ロジャー・ニールで締める。サントラの感想みたいだけどマジで耳だけで鑑賞したくなる傑作なのよ。

画面も最高で窓からエル・ファニングが訪ねてくる夢のようなカットが何度も何度も…。『こわれゆく女』並みの気まずさあふれる夕食場面は、場をかき乱すグレタ・ガーウィグやエルよりアネット・ベニングの方があの作品のピーター・フォーク化している異様さ。

スケボーと車の並走とモーテルでの代わる代わるのダンス(ビル・コンドン版『美女と野獣』との奇跡的符号!)、そしてウィリアム・A・ウェルマンのような大空の旅立ちに涙…。

『人生はビギナーズ』の凹む印象も全てはこのためにあったのだ。ありがとうマイク・ミルズ。

未公開DVD&iTunes Storeスルー『ヒットマン:インポッシブル』(原題:Tiszta szívvel) アカデミー賞外国語映画賞ハンガリー代表作品。こりゃ面白い! 

車いすクライム物としては勿論、純然たるヒーロー映画の傑作であった!『ローガン』に傷心な方は是非見てほしい。

キャラ立ちのお手本みたいなゾリたちルパゾフの出会いから語り口の上手さに舌を巻いた。キャラの書き分けの上手さが各々が待つハンディの特徴とリンクしていく巧みさ!

姿勢を屈めた体制がデフォルトの彼らの視点は銃撃戦から単なる移動まで新鮮な構図と演出を観客に示してくれる。遮断物にならないソファが象徴する弾除けのためのギャングたちのひれ伏す大勢こそ、ルパゾフ格好の殺しの大勢になる痛快さ。

ジャンル映画のパロディとして優れた設定がまぎれもない個人の切実な物語に集束していくラストには涙を禁じ得ない。サントラも最高!

輸入BD『The Perfume of the Lady in Black』 

DVDの画質も良かったけどBDになると原色多様のドレスや美術の迫力に圧倒されるな。フランチェスコ・バリッリが目指した狂気に満ちた『不思議の国のアリス』が高画質でより豊かに恐ろしく堪能出来る。

ミムジー・ファーマーが死んだ母や自身の幼少時の化身?に出くわしてしまう場面をショックシーンとして演出していないところに本作の肝がある。バルコニーのショットの悲しさに満ちた動線の見事さよ…。

『テナント』みたいな展開をブチ壊す伝説的ラストシーンも素晴らしい。厳粛なムードからバーゲンセールの押し合い圧し合いを経て、また厳粛なムードでカメラが引いていくあの感じ。最高。

フランチェスコは脚本作の『怪奇!魔境の裸族 』 や『死んでいるのは誰?』よりこちらのほうが面白いと思うけど未だ未公開なんだよな。ミムジーファン的にもジャーロファン的にも絶対引きのある傑作だと思うんだが…。

心霊DVD『呪われた心霊動画XXX(トリプルエックス) 6』

とうとう作り手側から「すべての投稿映像の関連がある」と冒頭で示されてしまう作りに。

余計なお世話だよ!!!!

内容も伊藤潤二と『回路』を足して薄めて出がらしにしたような仕上がりだし…。

「渦巻く部屋」の光源とカメラのパンが上手く機能した内容は本作の白眉。

オチが「歪む部屋の住人」ではなくキャラクター色の強い「【渦巻きマーク】出口」になっている構成に「やはりコワすぎシリーズの弊害は業界でも大きかったのだな」と今更痛感。

心霊DVD『アンノウンッ2』

素晴らしい引きずり込む霊の映像を余韻もへったくれもなくブチ壊す取材と因果話の無残さ。

プッチモニのメモ帳みたいな小道具でツッコミポイントへ誘導する演出もハマらないとこんなに不愉快に感じるのだな~。

映像単体は力作揃いだったりするので居心地悪い。

『お嬢さん』もタコの活躍が少なすぎて(つーか出てきただけじゃん)そこが最大の不満。この点では『キングコング 髑髏島の巨神』のイカの扱いも同様。

不吉の象徴みたいな扱いするわりにイカやタコの見せ方がわかってないよな。

ノオミ・ラパスのかくれんぼ脱出劇や嫌なもの実験博覧会の馬鹿馬鹿しさはそれなりに楽しかったけど…。 蜘蛛とか蛇はもっと活躍させないとダメだよ。そこを上品ぶってどうすんの。

『ラプチャー 破裂』

原案&脚本ブライン・ネルソン(『ハードキャンディ』、『30デイズ・ナイト』、『デビル』)ということで鑑賞。

クソつまらん。覚醒と価値観の転換が足りない。CG福笑いに金なんか払えるか!

未公開DVDスルー『グッド・ネイバー』

ジェームズ・カーン映画として、青春映画として、撮る者と撮られる者の映画として…、傑作。

『不意打ち』、『ミザリー』を経たカーンのキャリアと、ローガン・ミラー(『ゾンビワールドへようこそ』)&キーア・ギルクリスト(『イット・フォローズ』)の青春劇が被害者と加害者の関係性をコロコロ変えながら激突する。

愚かさを若者のみに託さなかった作劇に唸る。裁判の挿入に限らず、老いも若さも愚かつ切実に描く姿勢がリチャード・フライシャー作品を思わせる(特に『強迫/ロープ殺人事件』)。

地味な画ヅラを支えるアレクサンダー・アレクサンドロフの撮影がユーモラスで楽しい。カーン邸内かくれんぼ場面の圧倒的バカバカしい画面に笑ってると、イヤ~な展開が待ち構えている意地悪さも素敵。ラストの皮肉なのに妙に崇高かつ恍惚にも見える人物のアップのショットも素晴らしい。

監督は数々のアメコミSF大作でコンセプトアートを手掛けたカスラ・ファラハニ(近作だと『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』)。これが長編デビュー作という驚き。長編2作目『Tilt 』も期待。

『Return of Captain America』とか見てるとアメコミ映画の歴史はアメリカ映画の歴史そのものであり、逆もまたしかりであることを痛感させられる。『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』も『ローガン』もそういうことなんだなと。ひたすら地続きなんだよな~。

あっ『ローガン』って事実上『11人のカウボーイ』じゃん! ←昨日からこんなんばっか。

日本映画のファースト・コンタクトSFといえば『ゴジラ2000 ミレニアム』。

ジョニー・キャッシュはテッド・ポスト版『駅馬車』にも出てたから『奴らを高く吊るせ!』や『ダーティハリー2』と絡めてイーストウッドとマンゴールドの微妙な立ち居地の被りが再浮上するわけか…。

ジョニー・キャッシュとローガンか…。名作『ウォーク・ザ・ライン』との連想ゲーム以上の繋がりを感じずにはいられない。

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