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Devara Naadalli (Kannada - 2016)をDVDで再見。 

余所様にお勧めするために再見したのだが、正直なところ自信がない。手法としては『裁き』に近いが、あれほど徹底的に客観視ができていない。アートフィルムの評価は難しいわ。

TUFS Cinema南アジア映画特集@東京外語大で「わな おじいちゃんへの手紙」を。 

監督インタビュー映像が流れ、この作品は「自分の心の奥底から絞り出されたものだ」という意味のことを言っていた。しかし、様々な観点から、この作品は極めて作為的に構成された、映画祭サーキットを見据えた作品に思えた。

プロデューサーに「製作」の文字を当てるの、いまだに馴染めない。モノクロ時代の日本映画だと「制作」つかってたような気がする。どこで逆転が起きたのか。

DVD再生に特化のディスプレイなら三菱製という評判を聞いたけど、もう生産終了して通販に並ぶのは中古品ばかり。どうしたものか。

Kismath (Malayalam - 2016)をDVDで。 

マラーティー映画Sairatへのケーララからの返答などとも評されているが、どちらかといえば『裁きThe Court』を思わせる、脱ドラマな語り口に恐怖を忍び込ませる手法。そしてラストシーンはAnnayum Rasoolumを意識しているか。異教徒間恋愛ものとしては画期的だし、最近のダリト映画としても注目すべき一作。Devara Naadalliとの関連も忘れないようにすること。

PeriploEiga さんがブースト

『牯嶺街少年殺人事件』
ずっと観てみたいと思っていたがVHSを手にするまでには至らず今回念願の初鑑賞を体験できた。とてつもない映画体験だった。青春映画でもあり暴力映画でもありノワール映画でもあり恋愛映画でもあり何より家族映画だった。
確かに236分は長いし途中うとうとしたところもあったが、この長さがないと行けない所まで連れて行かれた感じだ。暗く閉塞的で不穏な空気がずっと流れているのにも関わらず、いつか自分があの場所で青春時代を過ごしたことがあるかのような郷愁にかられた。
おそらく何回観ても全容を把握することはできないのではないか。登場人物が多く様々なイベントがいきなり放り込まれるので、話の本筋が全然掴めない。世界がごろっと無造作に横たわっているような感覚。そして全てがクライマックスに繋がったときの衝撃。
監督自身は188分版を決定版としていたそうなのでそれもいつか観てみたい。

Dora (Tamil - 2017)をオンラインで。 

ナヤンターラにLady Superstarの冠が付いていたのを初めて認識した作品(遅すぎか?)。ホラー仕立てのリベンジもので、ナヤンとリベンジの主体とが完全に重ならないのが脚本的な弱さ。しかしスーパースターに相応しい「スタイル」の数々をナヤンがこなすのを見るのはやはり楽しい。

Swarna Kaduva (Malayalam - 2016)をDVDで。 

寝技を駆使して這い上がろうとした男が色々あって最後に改心するという定型的ストーリーながら、ビジュ・メーノーンだけで魅せる。Vaasthavamの焼き直しと言われて頷いたが、こちらではシニズムに裏打ちされた笑いが増量。

Pisaasu (Tamil - 2014)をDVDで。 

これで4回目ぐらいになるか。ホラーとしては失笑ものの描写が多く、うまくいっている箇所も外国ホラーの模倣。それでもこれが忘れがたい一本になっているのは、濃厚なタミル的センティメントのせい。この感じはやめられない。

Highway (Hindi - 2014)をDVDで。 

この時期にドッと出てきた自分探し系ロードムービーとしては出色の出来。撮影の見事さが勝因のトップ。旅立ちのきっかけが自分の意志からではないというのもユニーク。あと、手負いの獣が傷を舐め合うという要素がロードムービーには必須というのも、これを見てよく分かった。

Parched (Hindi - 2015)をDVDで。 

タイトルのつけ方からして明らかに映画祭狙い。しかし映画祭フォーマットを前提としたえっちな描写はとてもよかった。DVに苦しむ妻たちが慰め合い庇い合いながら同性で愛撫しあうシーンなどユーモアすらあり。結末は楽観的過ぎるか。ラージャスターンのものをベースにした衣装も大変によろし。

Aaranya Kaandam (Tamil - 2011)をオンライン動画で。字幕なし。 

都市の汚濁をスタイリッシュに描くのだという強い意志が感じられる。そのためなのか、ギャングものなのに殺るか殺られるかという緊張感は低い。推理モノではないが、一番弱そうなのが一番のワルという落ち。どういう訳かタミル語映画は、都市の虚飾や富の誇示にスタイリッシュさを見出すという段階をスキップしてお洒落を追求しているようだ。

Queen (Hindi - 2014)をDVDで。 

日本のアマチュア配給会社が買い付けたというのを聞いて。面白いんだけど今の日本でやるのはどうなのか。「女性の自立」みたいな宣伝で売り出されるのだろうけど、アピールするものがあるのか。ヒロインの出かける先が欧州で、その羽目の外し方がギリギリ印度の進歩派都市住民のモラル感覚の内側に収められた感じがある。ラストのヒロインの余裕の微笑みが良い。問題の日本人登場人物だが、中国人俳優の起用は別に構わないが、どうして日本語ネイティブの吹き替えをするということにできなかったのか。

ちょっとした調べもの関連でPeepli [Live] (Hindi - 2010)をオンラインで。 

インテリ観客に受けるだろうサタイア。外国人にはいちいちの注釈が必要。アーミル・カーンらしい賢げな映画。サタイアなのでドラマはない。したがって満腹感もない。同じく社会問題を扱っていても、バーラージ・シャクティヴェールあたりの作品を見た後の圧倒される感じは全くない。

Kochava Paulo Ayyappa Coelho (Malayalam - 2016)をDVDで。 

ウダヤ・ピクチャーズの30年ぶりの復活作品にして、クンチャーコー・ボーバンの75本目の主演作になるらしい。教育的なメッセージを含む苦手系だが、クンチャーコーのお蔭で見られてしまう。劇中でイドゥッキという設定の、あの村の貯水池はどこなのだろう。あの風景が「平凡な村」として撮れてしまうのは凄い。立派なメッセージを見せられた居心地の悪さが、ラストシーンにゲスト出演のあの人が吹き飛ばしてくれた。

Onaayum Aattukkuttiyum (Tamil - 2013) をオンラインで。 

やっと字幕付きで見られた。しかしここまで単純な話だったとは。2時間23分のうち、台詞が喋られていたのはせいぜい30分ぐらいじゃないだろか。それなのに原語脚本は620ページもあり、ト書きでびっしり埋められ、絵コンテが連なる。所々に、全く関係ない写真(黒澤明のポートレートとか)が混じっていて、つまりこれはミシュキンのポエム帳なのだと思った。主演のミシュキンがカメラを正面から見て告白するシーン以外は、全てがクール。単純なスト―リーの中に現れる各種モチーフ、静まり返る夜の街路、行き倒れとそれをスルーする冷たい人々、無情な殺し、障碍者の物乞い、ミシュキンの集大成といった趣き。

7G Rainbow Colony (Tamil - 2004)をDVDで。 

セルヴァラーガヴァンらしいモチーフが沢山詰め込まれた、サイコ要素を含むロマンス。到底受け入れられなそうなヒーローの愛情を、ヒロインがどうして受け入れられるようになるかというのを時間をかけて描いているのだが、やはりどこかに飛躍があって飲み込めない部分がある。しかしこれを2004年のタミルの観衆は新時代の到来として高く評価した。やっぱりタミルは分かった気にさせてくれないところがある。

Paavada (Malayalam - 2016)をDVDで。 

次々と登場する芸達者によるお笑いは贅沢だが、不発弾も混じる。プリトヴィのアル中のメイクは出色だが演技は嘘くさい。シッディクが悪役演技で久々に光っていた。

Monsoon Mangos (Malayalam - 2016)をDVDで。いかにも新人監督らしい映画讃歌だが、ロジック構築に難あり。ファハドがやると何となく見られるものになってしまうが。

Jacobinte Swargarajyam (Malayalam - 2016)をDVDで。 

こないだのJomonte Savisheshangalとかなり似てる(こっちが先)けど、どっちも味があって捨てがたい。何もかもが順風満帆の金持ちがどん底に落ちて、これまですり寄ってきた連中から掌返されるというの、ラストはハッピーエンドになると分かっていても興奮する。

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