クリスパー・キャスナイン(ゲノム編集技術)に関するノンフィクションを読んだ。映画「ガタカ」の世界が、もう目の前に来ている!
よく問題とされる遺伝子格差。何がそんなに問題なのだろうか?
現存する貧富格差とそんなに変わらないじゃないか。現時点で格差を解消できていないのだから、それは既存の問題だ。驚くほどのことではない。無論、格差はけしからんと思うが・・・
もっと本質的な問題は、ブレードランナー、新作エイリアンに描かれていたものだ!人類が人類自身を設計できるようになるということは、人類が、ある種、神になるということである。
あと、本を読んでて思ったんだけど、デザイナー・ベビーによるクローン人間みたいなものの方が早く実現するんじゃないかな?
AIよりも安上がり。障壁は倫理的な問題だけ。
デザイナー・ベビーによる軍隊(映画SWのクローン軍w)、デザイナー・ベビーによるセックス専用人間(映画A.I.に出てきたね)。ロボットよりも、デザイナー・ベビーにって作る方が、技術的には現実感があると思う。
本の話を、無理やり映画に絡めて語ったった。
まどマギ 叛逆の物語(ネタバレ全開)
彼女たちが「暁美ほむら」の世界にいて、ほむらたんが魔女になってしまった(厳密にはなってないけどねw)ことが分かるまででお腹いっぱいだ。
あー、彼女もダークサイドに落ちちゃったか。そりゃそうだよな。根暗だし・・・。
後半は暁美ほむらの個人的な物語が続くのか・・・と思いきや!思いっきり普遍的なテーマを描く方向に舵を切った・・・!
個人的には暁美ほむらの個人的な物語を観ても良かった。
洋画では「神と悪魔」「愛」を語る映画は結構多い。この手の映画は、既に評論家に論じられている。自分もそれを読んでいたりする。だから、本作の結末は正直、わりと安全に着地させたか、という印象がつおい。
しかし、日本のアニメでは、あまりされない試みだと思う。萌えアニメファンではない僕のような凡人でも楽しめる、硬派なテーマを描いている点が超偉いと思う。でもこれって、前作にあった永劫回帰を否定するような気が!
何はともあれ、俺の夏の有給休暇はまどマギにより終わった。明日からまたクソ社会を、永劫回帰的に生きるとするか。。。もっとみんな仕事サボろうぜ。
@amblin 観るのが楽しみ
まどマギ(ネタバレ)
永劫回帰系のタイムループものだったとは(「恋はデジャヴ」「バタフライ・エフェクト」みたいな)。
こういう物語の結末はだいたいどうなるか分かりますよね?
これ自体は実によくある設定なのですが、このアニメは、最初はその全容が分からずに、ちょっとずつ明らかになってゆく。この展開が上手い。タイムループものであると分かるのは、だいぶ後になってから。
タイムループものの魅力は、円環構造。ぐるっと一周回って戻ってくるんだけど、これは現実世界のメタファなんだよね。
現実世界も円環構造だとみなす考え方がある。この考え方では、未来が過去となる。要するに、人間は昔から同じこと繰り返してるだけで、未来も同じこと繰り返すだけ、ということ。未来に起こりうることは、既に過去で起こっている。
上とは逆なのが「未来は常に進歩する」という考え方。1960年後半から2000年までの日本で信じられていたようなもの。
今の時代、時間を円環構造として見なした方が良いと思うんだよなぁ。これから日本は沈んでゆくのだ。この流れには逆らえない。ぐるっと一周回って悪いターンに戻ってきたと思えば、気は楽だよね。
『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [後編]永遠の物語』の感想です。 (2/2)
現実社会のメタファーだから。
ネタバレになるから内容には触れない。
でも語りたい・・・いや駄目だ。
『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [後編]永遠の物語』の感想です。 (1/2)
昔から方々でやたらと評判になっていたので、観た。
夏休み代わりの有給休暇を使ってだよ・・・俺は何をしているんだ。
魔法・・・少女・・・だと?どうせご都合主義のくだらねぇ恋愛だの友情だの見せられるんだ。
勘弁しろよ・・・と思っていましたが・・・
見事にひっくり返してくれました。
ご都合主義信奉者に対する見事なカウンターパンチでございました。
くだらねぇ恋愛とか友情は一切ないのでご安心を。
このアニメの中で描かれていることは実にリアル。
『デトロイト』の感想です。
今更ながら観た。さすがキャスリン・ビグロー。
暴動シーン、長時間の尋問シーンの緊迫感、息の詰まる感じの描き方は凄い。
本当に嫌な警官だった。
アメリカの白人はどんな気分でこの映画を観たのか・・・。
https://eigakansou.life/%e3%83%87%e3%83%88%e3%83%ad%e3%82%a4%e3%83%88/
存在のない子供たち 4
いやぁ・・・とにかくね・・・人間が多すぎるんだよ。
この話をすると「じゃあお前が死ねよw」と言われるのが関の山であるが・・・。
ホモ・サピエンスは仲間意識を保てることにより、集団を形成し、組織的な行動ができる。人間の原動力はそれだ。民主主義の原動力もこの仲間意識だと言われている。
しかし、仲間意識を保てる集団の最大値は決まっており、100-200ぐらいと言われている。この最大値は、我々のDNAに起因するものだ。
例えば、日本であれば1億人。本来であれば、1億人の集団の中の、名前も知らない構成員に対して、我々は仲間意識など持ちようがない。
かなり話が逸れましたが・・・何が言いたいかというと・・・
「存在のない子供」などあってはならない。しかし、我々は「存在のない子供」を仲間だと思えるのか?もし、思えないのであれば、それは存在していないことと同じではないか・・・。
頭ごなしに「存在のない子供」などもってのほかだ!、と考えるのではなく、「存在のない子供」が発生しうるという前提で物事を考えた方が、より建設的な議論になるはずだ。
存在のない子供たち 3
とはいえ、そんな簡単な話じゃない。
この映画を観れば、我々はその感傷に浸ることはできるだろう。戦争が良くない!とか、難民を救え!とか言い出す人もいるだろう。
しかし、この映画には、そんな傲慢な我々自身に対する批判も込められている。
彼らをどう救えというのか?彼らを目の前にして「生きてりゃ良いことがある!」なんて言えますか?僕は言えない。ただただ打ちのめされるだけ。無力感しか感じない。いくら平和を唱えたところで救われない人もいる。グローバル化と情報技術の発達によって明らかになったのはその点だ。
我々が傲慢でいられるのは、まだ比較的に豊かだからに過ぎない。この豊かさを失った時、我々はどれだけ平静を保てるのだろうか?そのことをよく自問自答してみると良い。
その人間が偉大であるかどうかは、自分自身が窮地に陥っている状態でも、他人を救おうと行動できる人だ。豊かさ故の幻想の中で、それができたとしても、それはただの傲慢に過ぎない。
多くの人が、他人を救おうと思えるかどうかが、民主主義を成り立たせる上での必須条件だ。しかしその豊かさは、いま消えつつある・・・。
存在のない子供たち 1
いやぁ。素晴らしかった。観た後、暫く固まりました。なんていうか、感想がうまく出てこない。でもなんかスゲーものを観てしまったという感じ?
シリア情勢のニュースはよく耳にする。大量の難民が発生し、政治はめちゃくちゃ。何だかヤバそうなイスラム教の人達がたくさんいて、ロケット弾がガンガン飛んできて、空爆がドンドンあって、死体がそこら中に転がっていて。。。
でも本当にそうなのかな?ニュースで聞くだけであり、実際にそれを自分の目で見たことはないでしょう?
本作では、レバノンからシリアへ入った難民の生活を疑似体験できる。その生活感の描き方がとても上手い。万引き家族、フロリダプロジェクト、のシリア版という感じ。
「工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男」の感想2
そして社会派映画としても超優秀。歴史を知ってから観た方が面白いので、下調べして観ることをお勧めする。
この映画に込められている社会的なメッセージ性は、幸か不幸か、我が国ではタイムリーで、今このタイミングで公開されていることは奇跡と言える。
この映画は、保守とは何か?を問いかけている。
劇中で、南の政治家が政権の支持率を上げるために戦争を仕掛ける様が描かれる。あれ?どこかの国(四方を海に囲まれている)の首相も全く同じことをやっていなかったっけ?
この映画の中で、「政権を維持するためには敵が必要なのだ」というセリフがある。あれ・・・これは、お米の国の大統領のことを言っているのかしら?
いま世界的に「保守」という概念が混沌としていると感じる。グローバル化とIT化が進んでしまったせいで、もはや守るべきものが何か、誰にも分からない。朝鮮半島の南北の対立から、いまの世界情勢が見える。見事でした。
とはいえ、この映画を観たからといって、世の中の流れは変わらない。しかし、守るべきものは何か?を真剣に考えるキッカケにはなるはずだ。
@yhlee あの高官の感じってリアルなんですね。正直、絶対盛ってるだろ・・・と思ってました。
「工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男」の感想1
社会派映画かと思いきや・・・すげぇエンターテイメントなスパイ映画でした。びっくりした。めちゃくちゃ面白かった。傑作。今年、暫定No1かも。なぜ、みんな観に行かないのか・・・。
この映画の中に漂う、緊張感の演出の凄さは、映画館じゃないと分からない。
是が非でも、映画館で観た方が良い。
僕は最初のイメージと違ってた映画を褒める傾向にあるんだけど、それを差し引いても良くできてます。リアル007です。
007みたいに、秘密道具、爆発、美女、ド派手なアクション、そーゆーのは無いです。
この映画にあるのは、バレるかバレないか?のギリギリの緊張感、愛国心、権力者の腐敗、共産主義・・・いやぁ、とにかく地味なんですよ。おっさんの脂ぎった顔ばっかりアップで映るし。映画の雰囲気は極めて硬派でシリアス。
ところがビックリ。めちゃくちゃエンターテイメントになってる!
おっさん同士の友情も泣けた。俺もあんなおっさんになりたい。おっさんのロールモデルとは、こうでなくちゃいけないのだ!