ゲティ家の身代金
全体的に纏まりが良かった作品だけど、特に強烈なインパクトも無く、年末に振り返ったとしても、沢山見た映画のうちの一本としか記憶に残らないかも。
70年代が舞台ということもあり、セピア色風の画面のトーンが印象的。あと、登場する女性達のファッションが素敵。特にワンピース。
海外セレブの写真をよく配信しているGetty imagesと関係があるんですねあの一族。K・スペイシー降板後の撮り直しが話題になってた作品。
C・プラマーかなり露出が多いので本当10日間でよく撮り終えたなあ。と思いました。11億円ぐらい掛かったらしいですけど。
それにしても、21世紀の今の時代から見ると、70年代の古めかしい数々のディテールにツッコミを入れながら見てました。きっと、若い方だと金持ち爺さんが見ていた、小さい巻物みたいなやつ何ですか??とか第一次オイルショックがいつ起こったとか知らないと、何で石油でウハウハ何ですか。とか思ってしまいそうですね…
フロリダ・プロジェクト
完成度が高かったです。前作と似たモチーフである太陽が燦々と照る風光明媚な気候と社会の底辺の人々を描くという部分。前作が携帯で撮ったという部分も含めて、どこかキワモノ企画の様相を呈していましたが、今作は直球描写で、社会のど底辺にフォーカスを当てておりました。
どこから見ても屑人間ばかりの環境で、W・デフォー扮する管理人のみが唯一まともな人間。彼がいないと、映画も劇中の低所得者向けアパートの秩序も崩壊していたという構造は良くて来ていたと思います。
楽天家のアメリカン達に、この分断された救いようのない社会を見せるには、前作のカリフォルニアに匹敵するフロリダのピーカンの天気が無いと、見てもらい辛さそうな気もしました。
見ている途中に思ったのは、日本も似たような環境が自分が知らない範疇で、沢山あるんだろうなあ。という事でした。
モリーズ・ゲーム
アーロン・ソーキンの作品なので、台詞の量とスピード感に特徴あり。冒頭から主人公についての説明が怒涛のように続き、作品の渦中に放り込まれる感じです。
そして、J・チャスティンは昨年の「女神の見えざる手」に引き続き、聡明でパワフルな女性を演じるととてもハマりますね。
ポーカーを取り扱った作品って結構あるけれど、どれもそれなりにドラマティックですが、この作品は、法廷劇の要素もあるので、見応えはとてもありました。見た後ちょっとゲップが出そうなぐらいなお腹一杯感。
字幕担当は、町山智浩が地味なスピルバーグ作品の字幕担当者と言ってた松浦美奈さんでした。情報量とスピード感、後モーグルとポーカーのルールなども詰め込むかなり素人目にも大変そうな作品に感じました。
フランス映画を中心にヨーロッパ映画が好き。