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レディ・バード 

見る前はゴースト・ワールドのような感じかなと想像してました。それよりも、親子の繋がりが深く、生活様式もやや裕福でした。みんないつかは通り過ぎた、クソダサい自分と周りの境遇にイラついたあの時代を振り返りながら見ましょう。とでも言われているような作風。
会話劇の楽しさを堪能する映画でした。

犬ヶ島 

題名からも想像出来る通り鬼ヶ島の鬼退治のスタイルを彷彿とさせました。
一周回ったジャポニズムには、もう皆さん慣れていると思うので、細かいところをツッコむのは野暮かなと思いました。
以前は家族を取り巻く物語を多数描いていたW・アンダーソンですけど、前作辺りから何となく作風が変わって来たかも。但し、俺の世界観をカッチリと決めてその中で展開する物語という部分は、変わらないなと思いましたが。
あと、本編の質とは関係ないんですが、気になった事があります。
画面の下に字幕を表示させる都合上かもしれませんが、せっかく日本語の情報が画面に多く表記されてるのに文字が小さくて目が悪い人泣かせなった点は残念。

男と女、モントーク岬で 

NYが舞台だけど、キャストも監督も資本もヨーロピアンなので、作品のテイストも間違いなくザ・ヨーロッパ映画でした。
これ、舞台はパリとかでも設定がハマりそうと思いながら見てました。
秋の夜長にちびちびお酒を飲みながら、まったりと見たいタイプの映画でした。
私は主演のS・スカルスガルドのファンなのですが、このような普通の役で主役って今まで、見た事が無いような気がしたので、個人的には掘り出し物でした。それに、彼の声がとても好きなのですが、ほぼ話通しなので、良い声を堪能しました。シュレンドフありがとう!

ファントム・スレッド 

D・デイ・ルイス扮するレイノルズのナルシストっぷりを堪能する作品だと思ってしまった。
居るよねー。自分の事しか好きじゃないタイプって思いながら見てました。
予告編を見た時から思ってたのが、デイ・ルイスの役が存在の耐えられない軽さ時と雰囲気が似ているなと。自己中とセクシーさが上手く混ざった感じが似合っていたと思います。
作品自体の感想としては、最終的に女子怖い。という結論に至りましたが。

I am the blues 

予告編で見た通り、ブルース版ブエナビスタ・ソシアル・クラブの様相を呈してました。
音楽映画は大好きですが、これは当たり!
皆さん高齢ですけど、ライブや即興の演奏の映像を見ても声がキチンと出てます。事前に名前を知ってる方は登場してませんでしたが、どの方も凄い。レベルが高い。掘り出し物作品の一つとなりました。サントラあったら是非欲しい。

ゲティ家の身代金 

全体的に纏まりが良かった作品だけど、特に強烈なインパクトも無く、年末に振り返ったとしても、沢山見た映画のうちの一本としか記憶に残らないかも。
70年代が舞台ということもあり、セピア色風の画面のトーンが印象的。あと、登場する女性達のファッションが素敵。特にワンピース。
海外セレブの写真をよく配信しているGetty imagesと関係があるんですねあの一族。K・スペイシー降板後の撮り直しが話題になってた作品。
C・プラマーかなり露出が多いので本当10日間でよく撮り終えたなあ。と思いました。11億円ぐらい掛かったらしいですけど。
それにしても、21世紀の今の時代から見ると、70年代の古めかしい数々のディテールにツッコミを入れながら見てました。きっと、若い方だと金持ち爺さんが見ていた、小さい巻物みたいなやつ何ですか??とか第一次オイルショックがいつ起こったとか知らないと、何で石油でウハウハ何ですか。とか思ってしまいそうですね…

29歳問題 

アラサー以上の働く女性のツボを刺激する作品。映画の舞台が2005年なので、世代的に映画とシンクロするアラフォーだと余計に劇中に没入感があると思います。私は香港エンタメには全く造詣が無いのですが、W・カーウァイのオサレ映画などのモチーフにはココロを揺さぶられましたよ。
元々は、舞台の作品だったようですが、映画化に当たっては、映像での表現を上手く使ってる部分も好印象でした。
個人的には、今年モード・ルイスに次いでの掘り出し物でした。

イカリエ-XB1 

ストーリー展開は、まったり過ぎで、ちょっと睡魔が…でも、55年も前!の作品としてのディテールの完成度の高さは見る価値があると思います。プラハの春以前のチェコは、とても自由な雰囲気だったんだろうなあ。というのが、この映画を見ると想像出来ます。改めて東欧は珍品映画の宝庫であるという認識を確信しました。

ピーター・ラビット 

パディントンの二番煎じぐらいにしか思ってなかった。舞台もキャストもイギリスなのに、うさぎ達のノリが超アメリカンな感じ。個人的にはもっと、ブラックなテイストでも良かったかなーと思いました

フロリダ・プロジェクト (続き」 

私は全く受け入れられなかったスリー・ビルボードとの違い。を考えてました。あちらが、馬鹿なアメリカンの逆ギレを暴力で提示して、力の限り破壊し尽くしたのと違って、今回のど底辺の馬鹿者達は、貴方達の人権は尊重しますけど、法の掟にはキチンと従って貰いますから。というのを見せていた部分が、腑に落ちたからだと、分析しました。

フロリダ・プロジェクト 

完成度が高かったです。前作と似たモチーフである太陽が燦々と照る風光明媚な気候と社会の底辺の人々を描くという部分。前作が携帯で撮ったという部分も含めて、どこかキワモノ企画の様相を呈していましたが、今作は直球描写で、社会のど底辺にフォーカスを当てておりました。
どこから見ても屑人間ばかりの環境で、W・デフォー扮する管理人のみが唯一まともな人間。彼がいないと、映画も劇中の低所得者向けアパートの秩序も崩壊していたという構造は良くて来ていたと思います。
楽天家のアメリカン達に、この分断された救いようのない社会を見せるには、前作のカリフォルニアに匹敵するフロリダのピーカンの天気が無いと、見てもらい辛さそうな気もしました。
見ている途中に思ったのは、日本も似たような環境が自分が知らない範疇で、沢山あるんだろうなあ。という事でした。

ザ・スクエア 

笑える所と凡庸な部分のペースが混ざっててとても見ていて疲れた作品。
作品の主題は後半に集約されてたので、そこの部分をもっと膨らませた物語が見たかった。取り敢えず2hちょっとは長い。100分ぐらいのコンパクトな体裁が本当は良かったなー。
カンヌパルム・ドールあるある。ペースが合わないとmax辛い…個性的ではあるんですが、もう少しドラマ性の要素が高い作品の方が好きです。

ロンドン、人生はじめます 

えっ!D・キートンって72歳なの??って驚くぐらい素敵なので、ある一定以上の年齢の女性からの支持が高いのは頷けますね。そんな彼女を主役にした作品ですが、ドナルド役のB・グリーソンのキャラクターの方が映える感じがしました。愛すべき偏屈親父な所が。
演出は部分部分で、ちょっと安いなと感じる部分はあるんですが、いつものD・キートンのオサレ番長っぷり見てるだけでも、楽しいですよ。

連休中は、D・キートンの映画を見てくる予定。といういつも通りのマイペース鑑賞です。世間の流行に乗れないタイプ…

モリーズ・ゲーム 

アーロン・ソーキンの作品なので、台詞の量とスピード感に特徴あり。冒頭から主人公についての説明が怒涛のように続き、作品の渦中に放り込まれる感じです。
そして、J・チャスティンは昨年の「女神の見えざる手」に引き続き、聡明でパワフルな女性を演じるととてもハマりますね。
ポーカーを取り扱った作品って結構あるけれど、どれもそれなりにドラマティックですが、この作品は、法廷劇の要素もあるので、見応えはとてもありました。見た後ちょっとゲップが出そうなぐらいなお腹一杯感。
字幕担当は、町山智浩が地味なスピルバーグ作品の字幕担当者と言ってた松浦美奈さんでした。情報量とスピード感、後モーグルとポーカーのルールなども詰め込むかなり素人目にも大変そうな作品に感じました。

心と体と 

またまた東欧から不思議映画が登場しました。本当に個性的な作品や監督の宝庫ですね。特殊な能力を持つ若干メンヘラな不思議ちゃんと、睡眠中に見る夢を取り巻く物語。感想がとても言いにくいでも、なんとも言えない奇妙な雰囲気に興味津々でした。眠り・食・恋愛と人間の3大欲求をこういう風に表現するのが面白いなあと漠然と思いました。所でここの所映画の中に鹿が出てくる事が多いですが、鹿って何かのメタファー何ですかねえ??(教養なくてすみません…)

さすらいのレコード・コレクター 

60分足らずのドキュメンタリー。これ15年も前に制作されていた作品だったんですね。
20-30年代ぐらいまでのアナログレコードかつ ブルースやカントリーが好きなコレクターの話なんですけど、何でも徹底的に突き詰めればそれなりに価値のある物を生み出せる。と世界中のオタクが勘違いしてしまいそう。40年のキャリアと周辺知識まで造詣が深かったご本人の資質の幸運な邂逅。
それにしても、このおじさんまだ存命なんだろうか。ちょっと気になりますね。良いお歳のようでしたので。

Mother 

噂のD・アロノフスキー作品をamazonビデオにて鑑賞しました。予想通りJ・ローレンスを終始いたぶりまくる中々残酷な作品でした。途中この作品の主題って何??と数度逡巡すること然り。
大切にしていた物を奪われる事から始まる大ブチ切れ大会なのは分かるのですが、作品の根幹を成す主題としては、何か弱い足りない感じがしました。
それよりもJ・バルデムのクズ旦那ぶりの方が印象に残ってます。調子良い事言ってて、結局自分の事しか考えてない人結構居るよねと思ってしまいました。

あなたの旅立ち、綴ります 

近年よく目にする終活映画の括りと見て良いかも。捻くれ者の婆さん役がハマりすぎるS・マクレーンが見事なのは予想通り。
訃報専門記者役A・セイフランドが正面からはっきりと物事を言うタイプだったのが、2人のキャラが総並びする感じでバランスが取れてました。中盤から音楽が繋ぐ縁が絡まって、中々面白い展開になりました。アナログ万歳!

さよなら、僕のマンハッタン 

NY&アッパーミドルな家庭が舞台なので、N・バームバックの作品を彷彿とさせる雰囲気。
90分弱で良く纏まって、かつ丁寧な人物描写が好印象でした。
隣の家の謎のおじさん役のJ・ブリッジスがナイスでした。

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