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ビューティフル・デイ 

去年のカンヌの主演男優賞受賞作You are never really hereの事です。
ほぼ90分P・フェニックスしか出てこない作品。herの時のオタク風情と変わって、殺し屋なので怖いです。とても。
ただ、この作品物凄く説明しづらい。ヨーロッパ映画の典型の様な丁寧な説明無しで、いきなり物語の中に放り込まれるので、見る人をとても選ぶとおもいます。

港町 

想田和弘の映画は今回初めて鑑賞しました。
公式のサイトを眺めていたら、最初はカラーで撮影していたそう。モノクロに加工して大正解だったと思います。昭和時代を切り取った映画のセットのような島の景色や年配の島民達の雰囲気に合っていたと思います。
前半は、淡々と島の風景を映し出していて、たまにこういう場所に数日行ってみたいと思ったけど、後半島民の婆さんが自分の半生を少し語り出すパートを見ていたら、田舎の因習ってやっぱり辛い。ドライだけど、便利な分都会の方が良いやと思ってしまいました。

監督の名前間違えました。
アンドレイ・ズビャギンツェフって言い辛い名前…

ラブレス 

ズビィニャンスクの作品は3本目の鑑賞ですが、これが今の所一番気に入りました。作品を追うごとに、人心の殺伐とした加減が増している気がしますが、共感とかではなくて、主要人物達の描写が、自分の中では腑に落ちる。という表現がしっくりとくる作品でした。
毒親や超自己中な主要な登場人物達の中で、中盤に起こるある事件に手を貸すボランティア達が一番まともな人達でした。
この人達の目線が多分主要な観客と同じ目線なんだと思います。
壊れた家庭の夫婦両当事者は、客観的に見たら屑なんだろうと思いますが、私は見ていてありだなこの対応。というか、行動パターンにふむふむとちょっと納得してしまいました。
無条件に注がれる子供への愛。みたいな描写に常々違和感を感じていたからかもしれませんが…

ダンガル 

スポ根の王道な作品。前半は20世紀も後半なのに、一歩間違うと虐待な程の父ちゃんコーチのスパルタ教育。
この辺の描写は、管理教育が大嫌いな私は相性が良くありませんでした。けれど、後進国の封建的な価値観とも戦ってるような描写の部分は印象に残ってます。後半のハイライト、コモンウェルス大会の辺りから、夢中になって見てしまいました。最後の試合の部分で、ちょっと良いなと思う演出がありました。
クリードとか好きな人は、割と気に入りそうな展開だと思います。

ウィンストン・チャーチル 

G・オールドマンのキャリアの集大成のような作品。元々カメレオン俳優ですが、本人と似ても似つかないチャーチルの風貌と話し方に本当にソックリ。勿論演技力も申し分無いのでそれを、ただただ堪能。
それと、チャーチルを囲む脇役も皆さんとても良かった。正統派の伝記映画になってたと思います。
見る前はもっとカリスマ性にフォーカスを当てているのかと思いましたが、凄く迷って逡巡するパートが多かったのが印象に残ってます。
私達は、未来から見ていて歴史の結末を知っているから安心して展開を見られますが、まさに国が消滅するかどうかの運命の分かれ道。
非常時で頭角を表す政治家と平常時にうまく回る政治家の違いがよく分かりました。
見る前にチャーチルの本読んでおいて良かった。第1次世界大戦時の作戦の失敗とか、10年間入閣出来なくて辛酸舐めた時代があっての、あの時代ですからね。

ペンタゴン・ペーパー 

ウォーター・ゲート事件が話のメインかと思ってたらマクマラン文書を廻る話でした。まだマスコミが正義の味方だった懐かしい時代ですね。スピリットは今の時代でも引き継がなくてはいけない題材ですが、今の時代の信用出来る正義の味方って何になるのかな。と考えながら見てました。
本当だ、これ見てからマーク・フェルト見たら、シリーズ物かなって思うぐらい話が繋がりそう。それにしても、この辺の時代のマスコミの話の映画が多いですね。ちょっとした、ワシントン・ポストの宣伝映画の様相を呈してますね…

レッド・スパロー 

アトミック・ブロンド並みに軽い作風を想像していたので、本格派諜報戦で良い誤算でした。その分拷問シーンも気合いが入ってましたが。
女子のスパイ物としては、硬派なやつあまり見かけないので新鮮でありました。
中々プロットが良いなあと思ってましたが、予想通り原作があるんですね。
意外とJ・エガートンが好演。
個人的に期待していたJ・アイアンズの露出も結構多くて満足満足。ロシア人の役に何となく奇異に感じつつも、相変わらず素敵でございました。

女は二度決断する 

問題作。これは見た人で話し合わなくてはいけないタイプの作品ですね。
F・アキンは切り口違えど、家族の物語が多い。今回もそうでした。今の欧州や独の国内の暗黒面を正面から捉えた中々勇気あるなと思いました。日本だと国内の闇と対峙する作品中々出てこないと思いますので。
無差別テロは憎悪を引き起こすよりも、絶望を与えてしまう所が深刻。と見ていて思いました。
あと、最近多いですけど音楽の使用が控えめで、あまり強いインパクトが無い演出が印象的。
D・クルーガーが言ってたけど、色んな国にプロモツアーで行ったけど、日本が一番最後。と言ってました。あのー、この状況どうにかなりませんでしょうか。今年のカンヌの話題がメルマガで配信されてくる時期なんですけど…

イメージ・フォーラムもやっと、ネット予約出来るようになりますね。よかった。よかった。

彼の見つめる先に 

過酷な人生じゃ無い版「ムーン・ライト」な雰囲気も感じる作品。
青春物として見て、主演の3人の信条が丁寧かつ繊細な部分がよく描けていた部分が好印象。

修道士は沈黙する 

08年に独で開催されたハイディンガムサミットを舞台に政府や関係機関者の利害が交錯するサスペンスに神父が絡むというユニークな作品。俗物の頂点と崇高さの頂点というおよそ混じり合わない人間を上手くまとめた気がしました。
静謐なカメラワークが個人的には一番気に入りました。
クリスチャンとそうでない人、見た場合に感想が全然違う感じになるのでは。と思いました。
これ、米国や中華圏だったら製作されなさそうな作品ですよね。彼らの思想として、お金大好きでーす!何か悪いの??それで??な感じですからー。
あと、珍しいかったのは、個人的贔屓俳優のD・オートゥイユが英語のセリフを話していた事。かなり貴重です。L・ウィルソンも相変わらずカッコ良かった。歳を重ねても、ステキな俳優って良いですよね。

トレイン・ミッション 

L・ニーソンが登場したジャパン・プレミアに行ってきました。
監督&主演のコンビが4作目という事もあって、安定感がある娯楽作になってました。
何も考えずに映画館に飛び乗って(作風上こう言ってみた)、ただ疾走する流れに身を任せていけば、終着点までたどり着きます。欲を言えば、フライト・ゲームよりも伏線が弱い気がしましたが。あと、エンドロールが中々凝っているので、映画好きはきちんと最後まで見送りしましょう。
生リーアムは、予想通り身長が高かった。個人的に目がいってしまったのは、脚の細さでした。
御歳65歳。世界で一番カッコいい65歳だと思います。個人的には、
撮影時の話を披露してくれたのが、良かった。映画では7両編成だったけど、撮影時は1両と半分ぐらいで、室内かつ英国で撮影してたそうです。撮影場所は、税金の関係かもしれないけど。って言ってたけど、通訳の人訳してなかったw。

日曜日は、リーアム・ニーソン見てきます。The commuterの邦題がトレイン・ミッションなのが納得いかない…

ニッポン国 vs 泉南石綿村 

裁判も撮影も長期戦。堂々の215分。最初の提訴から最高裁判決が出る迄の8年間を追ったドキュメンタリー。
これ大阪だったから、おばちゃん達の賑やかな部分に救われてる部分も大きい。
そして、皆さん弁が立つ。命が関わっているから、真剣さが違うからというのもあるんだろうけど。
それにしても、国を対象とする訴訟、四大公害病、薬害エイズなど、これも含めて全く構造が変わってない。
因みに、賠償金には税金がかからないそうです。
これ、フィルメックスで観客賞を取ったんですよね。朝日ホールの椅子で3h超はキツイと思ったので、映画館で上映されるのを待って行ってきました。更に、劇中に登場する訴訟の当事者達が登場するトーク・ショーが1hもあったよ!

UFO少年アブドラジャン 

新宿のK’s cinemaで開催されているロシアカルト特集にて、長らく見たいと思っていた今作を見る機会がありました。有名な不思議惑星キン・ザ・ザ系統と想像通り。
なんで、ソ連製のSFってこうアナログ感と哀愁が漂うんだろうか。公開当時じゃなくて、今見て良かったかもと思えた作品でした。

ハッピー・エンド 

ハネケの映画は、毎回切り口は違えど、人間が一番怖いね。という主旨が一貫していると感じます。今回は、
キャストと題材が少し被っているという事もあり、「愛、アムール」の延長線上にある話の様に感じました。
ブルジョワ家庭に加入する事になる思春期女子の何を考えてるか分からない感じは、凄く良かった。自分もあの頃そういう風に見えてたかもなあ。とか考えてしまった。
今作は、携帯のカメラ映像から始まるという、今っぽい演出を取り入れてますが、デジタルネイティヴの子供を話の主軸に据えたのは、この辺の演出とのバランスが取れていたように思います。

ハネケのハッピー・エンド見た方は、居ないのだろうか。

ナチュラルウーマン 

LGBTをテーマにした映画も最近良く目にしますが、繊細に描いたとか、すごく関係性を美化したような物が多くてちょっと個人的には食傷気味でした。
これは、トランスジェンダーの方自身が演じているという事もあるのかもしれませんが、普段LGBTの方に会った事が無かったら、しがちな差別や偏見が、さらっと描かれていた部分が、良いと感じました。

ビガイルド 

オサレな映像に定評のあるコッポラのことなので、今作もザ・ガーリーな世界が徹底してました。オリジナルは見てないので、あくまでこの作品だけの感想を言うといつものイメージ先行の物よりもストーリーが分かりやすい分見やすいと感じました。それにしても、女子校行った事がないので知りませんが、女子の嫌な部分とか怖い部分がよく出てました。そこは鮮やか。
この作品見ていたら、S・コッポラに「ピクニック・アット・ハンギング・ロック」をリメイクして欲しいと思った。

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