アベンジャーズ エンドゲーム
物語の善し悪しを論じる作品ではありません。たくさんのヒーローを一同にまとめ上げてやってきたのを、ある者は終わらせ、ある者はデビューしたてなんで、まだ続けなくてはならない。そんなそれぞれの絡み合った事情をうまくほどき、平成の終わりとともに終わらせたことは見事。これまで関連作品を観てきたファンへの感謝が至る所にちりばめられていますが、クライマックスは製作陣が深々と頭をさげて「ほんとうに、ほんとうにありがとうございました!」というような言葉が聞こえそうなシーンに目頭が熱くなってきます。思っていたのとは少し違うが、前作でたまったストレスを見事に解消してくれます・・と感じるのが、ある程度過去作品を観てきた客。なので、興味がなくて観たことない客は3時間は席にいなくてはならない。前作インフィニティーウォ−くらいは観ておくべきか。
AmaPrimeでテラフォーマーズ
某評価サイトで100点中の5点という邦画殿堂入りの駄作をナガラで鑑賞したのですが、あまりの凄まじさにむしろ引き込まれてしまった。小栗旬が出ていることもあり、なんか銀魂だったら許せるのになぁというシーンがてんこ盛り。決定的な違いは突っ込みがないため笑えるシーンが放ったらかしでストレスがたまる。この漫画の世界観でシリアスにやるもんだから滑稽でしかない。メンバー達みんな自信満々でゴキブリに挑んで秒で殺されるから観客がなんやねん!と突っ込まないとホントにキツくなってくる。これラストどうまとめるつもりなんやろと客に心配されたら終わりだよ。結局、20分以上残して途中棄権しました。噂通りの作品です。
バイス
アメリカの大統領絡みの政治話はどうしてもドロドロした重苦しい話になりがちだけど、本作はとっても真面目におちょくりながら軽いタッチで進めて行く。途中でエンドロールが流れかけたり、おいおいと突っ込みながらデイック チェイニー副大統領の人生を追っていくのが面白くなっていく。クリスチャンベイルはよく頑張っているけど、たぶんそれほどヒットしない気がする。ブッシュ息子大統領はアホだったのはよくわかるし、現職も含めて色々皮肉を混ぜてるのもニヤリできる。タイトルは悪徳とあるが、権力ありながら奥さん第一で家族を大切にしてるし、勤め人としても優秀、とっても良いお父さんじゃないか。人間歩んできた人生を間違いと他人に言われても法に触れてない限り謝りませんよ。チェイニーさんも、謝らない、絶対に!と言ってますしね。
ダンボ 吹替版
タダ券もらって気合い抜きまくって見に行ったら、思いのほか感じ入る所があり、なめてた点を反省します。マイケルキートンとダニーデビードが出演し、ティムバートン監督ときたらバットマン リターンズを思い出しますが、あれも容姿に問題があって捨てられた赤ん坊の話で、今作と根っこで繋がっている気がします。サーカス、見世物、戦争で片腕を失った父、そして異様に耳がデカイ像の子、どこか世間からマイノリティに見られるもの達への前向きメッセージがいたる所にでてきます。羽根がなくても飛べるんだよ、ディズニーらしい落としのセリフもいい間で入ります。正直に言うとダンボの物語はまったく知りませんでした。キャラはクラシカルに有名なのに・・、そこも反省か。
運び屋
凄い映画だ。90歳近くで立派に主役でブラッドリークーパーとかみんな脇役にしちゃってる。この作品の味わいは特撮とかアクションとかそんなものでは出せない。イーストウッドの刻んできた年輪でしか不可能。派手なシーンは一切ないのに、なんだこの怖いもの知らずの無敵無双の老人は。頑固一徹の老いぼれた立ち姿がマジカッコいい。普通に老けてもこうはなれないと人生の歩みで完敗を思い知らされる。周りの他人も法律もこんだけ老いぼれると超好意的なのに自分のケジメはちゃんとつける姿勢にも心打たれる。でも感動というのとは少し違う、うっすら涙が浮かぶ自分の気持ちを説明できない。人が老いて何処へいくかさらけ出した映画かも。