『クリーピー 偽りの隣人』
迷作『ドレミファ娘の血は騒ぐ』を、VHS時代にレンタルして以来の黒沢清監督作品。
邦画得意の、舞台や人物設定は原作と同じで中身は半分以上違うというパターンらしい。
前半は最近流行りの猟奇監禁ものの雰囲気だが後半からSFホラーなのかと思う展開で、高校生が授業の合間に妄想したような話に唖然。
こんなくだらん話の映画に関わったスタッフや俳優達がひたすら可哀想になった。
ちなみに本作でも棒読み芝居&大根役者の東出昌大が演じる刑事は原作ではかなり重要な役どころなのだが、あっさり中盤で退場してしまう。
どうせなら香川照之が実は地球を侵略しに来たエイリアンで、藤野涼子が手下のモンスターで変身巨大化し、東京を襲撃するという展開なら面白くなったのに(笑)
『マックス、モン・アムール』(1986)
大島渚監督、主演がシャーロット・ランプリングという事で公開時に映画館で観て以来の再鑑賞。
浮気者の夫の当てつけに、大型チンパンジーを愛人にした金持ちの奥様の話という、大人のフレンチ・コメディ傑作である。
設定が普通じゃないとはいうものの、今時の室内で大型犬や猫や爬虫類を飼い、一緒に写真を撮ってインスタに投稿している女子と同じようなものだと思う。
終始クールなランプリングとオタオタする夫に、すんなり馴染む子供という対比が面白い。猿の毛で湿疹が出来たとされるメイドさんを、もう少し活躍させて欲しかった。
同じく公開時に映画館で観た『戦メリ』は豪華キャストというだけで大ヒットした凡作だったけど、こちらの方が大島渚監督らしい作品だと思う。
VODやCS、BSによる鑑賞が中心です
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