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やっぱりディレクターズカットが存在する映画は基本的に高品質ってことでいいのかしら

『アマデウス』の長いバージョン観てた。サリエリ! ドマゾ!って最初思ったんだけどなんつうか所有欲でもあるのかな... すごい愛だったね... あれは愛ですね... いいもの観たな...

『ラスト・エンペラー』4時間のやつ観てた。はージョン・ローンうつくしいな! 最近ぜんぜん名前聞かないけど、みんなジョン・ローンがうつくしいの忘れてない? 思い出して?

もののけ姫 

美輪明宏のモロが聞きたかったので視聴。しかしよい子で無神経なアシタカがサンの承認がないうちからなにかと異性としてのサンに触れるので見ていて非常にイライラした。なんでカヤにもらった玉の小刀をサンに渡すんだよ! サンには「人間は嫌いだしアシタカには感謝してるけど距離感なくてキモいから会いに来ないでほしい ヤックルが来るのは構わない」ぐらい言ってほしい。

その点と、プロの声優を使わなかったせいで台詞が頭に入りづらいサンとエボシが残念だった(英語版を字幕で見たらいいのか、でもそしたら美輪さまのモロが聞けない)こと以外はとても面白かった。たたら場を作り上げたエボシ、戦いに囚われているけれどそのために人をまとめる力がすごい。ビジュアル的には、首を取り戻そうとするシシ神の動きとイノシシたちの戦化粧がよかった。

プリズナーズ 

アームレストを握りしめっぱなしの2時間半。ロキがケラーの話をうわべだけでも聞いてあげてれば、かわいそうなあの子はあんなひどいめにあわなかったんじゃないか。あれマウンティングの悲劇なんじゃないのかね。ケラーの奥さんがまたちょっとメンタルが弱めだからなー。一家を率いる雄鶏が暴走したみたいなね...

思わせぶりだけど意味がないようなシーンがひとつもなくて、最後まで観ると全部カチッとはまるところにカタルシスがあった。『プリズナーズ』というタイトル、なんで複数形なんだろうって思ってたんだけど、確かに直接の犯人だけじゃなくて "とらわれている人たち" の物語。大人の男は強くなきゃいけないっていう呪いの話でもあるなあと思った。男性は人間なんだから別に雄鶏にならなくていいのにね。難しいかもだけど無理しないでください。

二番目の容疑者のキチガイの表現がすごかった。わかりやすい選択をしたのが意外だったけど... ああいうこと考えもしないくらいまで壊れてはいなかったのね。しかし中長期的にみて子供たちの将来が心配だわね... 両家とも長子にめちゃくちゃストレスかかりそう。つら。

白夜のタンゴ 

ブエノスアイレス新宿みたいだな!というオープニング。アルゼンチンのタンゴ演奏家たちが「タンゴはブエノスアイレス!」とフィンランドに殴り込みをかけ、森と湖とフィンランドのミュージシャンに心を開き幸せになって帰ってくる。楽しそうに歌ったり弾いたりしているのを観てゆったりするドキュメンタリー。

アキ・カウリスマキの眼光が鋭くて武道家かヤクザかという面構えだった。この人が「タンゴの発祥はフィンランドだ!」って無理を言うところから始まるんだけど、たしかに北欧のゆるっとコメディってタンゴぽい音楽がよくかかってる。タンゴ愛されてるのね。

ジュディ 

ショービジネス界に心身の根っこをぶっ壊された天才の最期。設定が慎重に繊細に設計されているのがとてもよかった。

子役時代よりあとには誰も悪意を持った人が出てこない。ジュディが世界から責められる流れにならない。彼女はああいう風にならざるを得なかったしそのことで糾弾されるわけじゃない。まあマネージャーや最期の夫がもうちょっとうまく立ち回ってくれたら...みたいなことは考えちゃうけれど。

レネー・ゼルウィガーの歌もうまかった。六本木のTOHOシネマズに映画で着ていたドレスが展示してある。華奢だ~もっと食べてくれ~というサイズ感。

風の谷のナウシカ 

原作コミック→歌舞伎ときて仕上げにアニメを再々...視聴。やっぱり面白い。2時間でまとまってるからナウシカも勢いでいろいろ片付けてて、全部彼女にしょい込ませている感じになっていなくてよい。コミックは駿の嫌なところが出ているけれどアニメはさすが本職というか駿のいいところが出ている。メーヴェの浮遊感、崩れる橋を渡りきる戦車、動く蟲たち。

予想していたよりクシャナが幼く、ユパが年だった。コミックに引っ張られて脳内調整が入っていたのが我ながら面白い。

アイコン画像設定できないみたい?

ホーリー・マウンテン 

ホドロフスキーさんの怖い夢、生まれてから今までの分を具体化したよ!という趣。怖い夢を伝わりやすいように、刺激が過度になりすぎないように変換してあるのがすごい。おしりとかおっぱいとかそんなに興味がないのですが、よっぼどきれいでなければ、そんなにみよいものじゃないなやっぱり、と思いました。最近の『エンドレス・ポエトリー』なんかはもっときれいなのかな? だったら観たいかも。

つづき 

4時間は短くないから休憩は入れたけれど、60年代の台湾の暮らし、ひとびとの気持ちのやり取りを見つめて飽きることがなかった。長いから迷っているひとは、午後早くから始めて、ご飯を食べたりお風呂に入ったりの間は一時停止して、ゆっくり観たらいいと思う。その場所に連れていかれて、匂いをかいで、戻ってこられる映画。

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牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版 

縄張りと女の奪い合いが争いの基本って、チンピラとチンパンジー同じじゃないかと呆れないこともない。しかし彼らはそのような世界で必死に判断して奪い合っているわけで、真摯に生きているのだ。そして小明。彼女のような人は存在する。小四にとっては不運この上ない巡り合わせだったけれども。

小明も小翠も、自分の軸がある女の子たち、しかもそれを男性に対して言語化できるひとたちだった。そして男の子たちは「どこでそれを覚えてきたの?」と聞きたいくらい、女が人間じゃない時代の考えに染まっていた。あの男女のギャップは意図的に作られているのだと思うのだけれど、どうなんだろう。これまた小四は立て続けにやり込められてて気の毒だった。あんなにピュアな顔でわけもわからずテンプレでおじさんみたいなこと言って怒られて、何が悪かったのかもわからなさそう。

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