もののけ姫
美輪明宏のモロが聞きたかったので視聴。しかしよい子で無神経なアシタカがサンの承認がないうちからなにかと異性としてのサンに触れるので見ていて非常にイライラした。なんでカヤにもらった玉の小刀をサンに渡すんだよ! サンには「人間は嫌いだしアシタカには感謝してるけど距離感なくてキモいから会いに来ないでほしい ヤックルが来るのは構わない」ぐらい言ってほしい。
その点と、プロの声優を使わなかったせいで台詞が頭に入りづらいサンとエボシが残念だった(英語版を字幕で見たらいいのか、でもそしたら美輪さまのモロが聞けない)こと以外はとても面白かった。たたら場を作り上げたエボシ、戦いに囚われているけれどそのために人をまとめる力がすごい。ビジュアル的には、首を取り戻そうとするシシ神の動きとイノシシたちの戦化粧がよかった。
プリズナーズ
アームレストを握りしめっぱなしの2時間半。ロキがケラーの話をうわべだけでも聞いてあげてれば、かわいそうなあの子はあんなひどいめにあわなかったんじゃないか。あれマウンティングの悲劇なんじゃないのかね。ケラーの奥さんがまたちょっとメンタルが弱めだからなー。一家を率いる雄鶏が暴走したみたいなね...
思わせぶりだけど意味がないようなシーンがひとつもなくて、最後まで観ると全部カチッとはまるところにカタルシスがあった。『プリズナーズ』というタイトル、なんで複数形なんだろうって思ってたんだけど、確かに直接の犯人だけじゃなくて "とらわれている人たち" の物語。大人の男は強くなきゃいけないっていう呪いの話でもあるなあと思った。男性は人間なんだから別に雄鶏にならなくていいのにね。難しいかもだけど無理しないでください。
二番目の容疑者のキチガイの表現がすごかった。わかりやすい選択をしたのが意外だったけど... ああいうこと考えもしないくらいまで壊れてはいなかったのね。しかし中長期的にみて子供たちの将来が心配だわね... 両家とも長子にめちゃくちゃストレスかかりそう。つら。
つづき
4時間は短くないから休憩は入れたけれど、60年代の台湾の暮らし、ひとびとの気持ちのやり取りを見つめて飽きることがなかった。長いから迷っているひとは、午後早くから始めて、ご飯を食べたりお風呂に入ったりの間は一時停止して、ゆっくり観たらいいと思う。その場所に連れていかれて、匂いをかいで、戻ってこられる映画。
牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版
縄張りと女の奪い合いが争いの基本って、チンピラとチンパンジー同じじゃないかと呆れないこともない。しかし彼らはそのような世界で必死に判断して奪い合っているわけで、真摯に生きているのだ。そして小明。彼女のような人は存在する。小四にとっては不運この上ない巡り合わせだったけれども。
小明も小翠も、自分の軸がある女の子たち、しかもそれを男性に対して言語化できるひとたちだった。そして男の子たちは「どこでそれを覚えてきたの?」と聞きたいくらい、女が人間じゃない時代の考えに染まっていた。あの男女のギャップは意図的に作られているのだと思うのだけれど、どうなんだろう。これまた小四は立て続けにやり込められてて気の毒だった。あんなにピュアな顔でわけもわからずテンプレでおじさんみたいなこと言って怒られて、何が悪かったのかもわからなさそう。