牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版 

縄張りと女の奪い合いが争いの基本って、チンピラとチンパンジー同じじゃないかと呆れないこともない。しかし彼らはそのような世界で必死に判断して奪い合っているわけで、真摯に生きているのだ。そして小明。彼女のような人は存在する。小四にとっては不運この上ない巡り合わせだったけれども。

小明も小翠も、自分の軸がある女の子たち、しかもそれを男性に対して言語化できるひとたちだった。そして男の子たちは「どこでそれを覚えてきたの?」と聞きたいくらい、女が人間じゃない時代の考えに染まっていた。あの男女のギャップは意図的に作られているのだと思うのだけれど、どうなんだろう。これまた小四は立て続けにやり込められてて気の毒だった。あんなにピュアな顔でわけもわからずテンプレでおじさんみたいなこと言って怒られて、何が悪かったのかもわからなさそう。

つづき 

4時間は短くないから休憩は入れたけれど、60年代の台湾の暮らし、ひとびとの気持ちのやり取りを見つめて飽きることがなかった。長いから迷っているひとは、午後早くから始めて、ご飯を食べたりお風呂に入ったりの間は一時停止して、ゆっくり観たらいいと思う。その場所に連れていかれて、匂いをかいで、戻ってこられる映画。

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