いろとりどりの親子
https://filmarks.com/movies/80661/reviews/59759337
ゲイ、ダウン症、自閉症、小人症、犯罪者と、さまざまな仕方で「普通」でない人々とその親の姿を切り取るドキュメンタリー映画。昨今の情勢でこうしたテーマを扱うとどうしたってクリシェに陥りがちに思えるけれども、ここに誰もが認める「正しいマイノリティ」からは外れるであろう犯罪者少年(児童殺人犯)を入れる態度がとてもいいですね。親が「普通」でない自らの子に苦悩し、それでもどうにか受け止めようとするという姿は同じですしね。
優しく、そして切実で、どの家族の姿もとてもよかったです。ただダウン症のひとが一緒に暮らす仲間を「家族」と呼ぶ箇所以外は、この映画での家族はもっぱら生物学的に繋がった親子を中心としていて、小人症女性の出産やゲイカップルが代理母出産で得た自分たちの子供と過ごす様子が感動的に語られる。製作者の思想が明示的に語られているわけではないけれど、どうしても「生物学的繋がりに根ざす本能的愛によって困難を乗り越える」的ストーリーを感じます。その点では養子でマイノリティなひととかが出てきたらもっとよかったと思います。
マギーズ・プラン
https://filmarks.com/movies/66656/reviews/59588079
グレタ・ガーウィグがもう、「こういうガーウィグが見たかった!」という感じでした。そして出てくるのが大学関係のひとだからか、言葉遣いが妙に回りくどかったり、「ジジェクが来るから学会に行きたい」みたいなネタがあったり、にやにやしてしまいます。
アリー/スター誕生
https://filmarks.com/movies/68556/reviews/59560667
レディ・ガガを見に行ったつもりが、ブラッドリー・クーパーの演技がよすぎて…! 優しげな様子も、どうしようもなく苦しそうな様子もやたらと説得力があって、何より目つきがいい。ライブシーンでもかっこよかったです。
ガガももちろんかっこよくて、スーパーの前で歌う序盤のシーンとはじめて大きなステージに立つシーンがほんとによかったです。
全体的にはかなり悲劇的な調子で、そのあたりのシーンで盛り上げてからだんだん苦しくなる方向性。それを最後に一気に盛り上げ直す形かと思いますが、じゃっかん展開が慌ただしい印象はありました。
ボヘミアン・ラプソディ
https://filmarks.com/movies/73709/reviews/58465791
とにかくフレディの孤独の描き方がよかったです。メアリーを見つめる目つき、家族だと思っていた仲間に別の家族が出来ていくあたりでの顔つき。ずっと感情的な面で頼れる相手がメアリーしかいない、その寂しさも夜中の電話や一方通行のやりとりで効果的に描かれていたように思います。その肌を焦がすような孤独に、どうにもフレディを自分自身のように感じてしまい、途中からハンカチが手放せませんでした。
クーリンチェ少年殺人事件
https://filmarks.com/movies/70161/reviews/58330575
みんな同じ顔に見えてなかなか人物や関係が飲み込めませんでしたが、でもすごかった! とにかくあらゆる場面の光と影が美しいです。じりじりとした切迫感、行き場のない閉塞感もすごい。そしてそれがいい。
ア・ゴースト・ストーリー
https://filmarks.com/movies/71977/reviews/58113162
淡々とした映画ですねー。台詞も少ないし、途中では台詞はあるものの、あれはスペイン語か何か? が字幕なしで続いていたりしていて、あまり言葉に依存しない作品という雰囲気でした。時間の進み方が独特で、監督の考える死後の世界の再現なのでしょうね、淡々としつつもそのおかげで退屈にはならなかったです。
という感じで見ていたのですが、ラストのあたりで二人の思い出がわーっと描写されるあたりで泣き出してしまいました。取るに足らない思い出なんですよ。でも取るに足らないものこそかけがえがないって、『わが町』でも描かれていたことが一気に胸に来てしまって…。
おばけ同士の会話が可愛かったり、シーツおばけの造形が素敵だったりして、いい雰囲気ですよね。途中どうしてもチープに感じる場面とかはありましたけど。
あとルーニー・マーラさんの圧巻の食事シーンと、相変わらず美しい裸の背中は必見です!
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https://filmarks.com/movies/79670/reviews/57671188
噂を聞いて気になりつつもよく知らないままに誘われて観たのですが、すごい! 話題となっているのはすべてがパソコン画面で展開されるという点で、そこも確かに演出として効いていて面白いのですが、それ以上に脚本が見事! サスペンスとしての出来がほんとによく、張り巡らされた伏線も巧みで、ラストは鳥肌を立てながら前のめりになって観ていました。
映画だと『ベティブルー』、『お熱いのがお好き』、『エマニエル夫人』、『赤ちゃん教育』、『フランシス・ハ』などが好きです。
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