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今年の4月以降の上半期でめぼしい公開予定作品がねーなー……って思ったら、

ラース・フォン・トリアー監督最新作『ハウス・ジャック・ビルト』があったああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
6月14日(金)公開かー!

生きる目的が出来た!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

まあ、アカデミー賞は作品力云々よりも配給・プロデューサーのロビー力だったり、アメリカ国内の雰囲気だから、良作だけど今のアメリカなのかな、と。

そう考えると、
『バイス』や『女王陛下のお気に入り』や『アリー/スター誕生』が今回のアカデミー賞でいまいち結果がふるわなかったのも分かる

日本では奇しくも週違いに同じ3月に公開する、
『グリーンブック』
『運び屋』
『ブラック・クランズマン』

白人視点で人種差別にリベラルな眼差しの『グリーンブック』、
差別・偏見に正直な白人視点の『運び屋』、
白人に対して怒りにまみれたブラックパワー全開の『ブラック・クランズマン』。
これらを重ね合わせると実に味わい深い。
さらに差別云々はないが、メキシカンのある種のレガシーでもある『ROMA/ローマ』を見て今のアメリカを思うと感慨深い。

思えばアルフォンソ・キュアロンの『トゥモロー・ワールド』や『ゼロ・グラヴィティ』も映画館のスクリーンで見てなんぼな映画だから、『ROMA/ローマ』もその例に漏れないね

『運び屋』と『ROMA/ローマ』、映画館での鑑賞がたった1回とか勿体ない。
ボクは複数回見たいね。

『ROMA/ローマ』② 

古くはブニュエル、最近ならイニャリトゥなどでそれなりにメキシコ映画は見たし、『ダック・シーズン』、『ルドandクルシ』、『太陽のかけら』などでメキシコの人たちの生活というのも見てはいたが、
『ROMA/ローマ』で描かれているメキシコシティ近郊のコロニア・ローマの生活の風景、生活臭が生々しい映画で、そういうのを楽しむ映画である。

テレビに映る怪しげな怪力男や映画館の映画、路上の物売り、そして飲食店ではやっぱりタコス、ブルジョアの家の広さ、廊下の犬の糞、それを洗った後の水浸しの廊下など大画面でメキシコを味わう映画である。

アカデミー賞における撮影賞と監督に納得である。

『ROMA/ローマ』① 

素晴らしい映画体験で、ハッキリ言って映画館で見て初めて意味をなす映画だった。

基本はメキシコシティの医者の家の女中目線の話で、主と女中の情事こそはないが韓国の『ハウスメイド』を少し思い出した。

不倫や暴力、少しグロがある割にはストーリーそのものは淡々としているが、それ以上に1970/71年のメキシコシティの風景から見る・感じとる情報量が多く、ストーリーよりもそっちが気になる。いや、むしろこちらを楽しむ映画である。言うなればピーター・グリーナウェイの『レンブラントの夜景』みたいにパノラマの70年のメキシコシティが味わえる。インフラが整ってない、ハリボテの小屋のような粗雑な住居も見られる郊外の様子は見所だらけ。

そんな中でのブルジョアの家庭不和や女中らの生活や恋愛を見る。

ちょっと重かった『運び屋』から2時間ブランクで『ROMA/ローマ』を見るのはちょうどいいかも。

ちなみに、『運び屋』の実際のモデルは90歳なので、今回のイーストウッドはイーストウッドなりの2,3歳歳上の老け演技、と見た。

クリント・イーストウッド監督兼主演最新作『運び屋』 

今年のアカデミー賞で顕著に見られた黒人や他の人種への配慮という潮流に真っ向にたてつく、お構いなしな作りに漢を見た!

ニガーだ、タコスだ、ナチだと、まあお構いなし(笑)。そこんとこは見事なイーストウッドのオレ流。

実話ベースとは言え美女にまみれるイーストウッドの羨ましきこと。

展開が早く、若干あっさり目な気もしたが、「贖罪」や「罪」というテーマを考えると「あっさり」と言ってしまうのは愚である。

今回の撮影監督は『ダラス・バイヤーズ・クラブ』等の人だが、人物への影の付け方は健在。映像にもイーストウッド節あり。

クリント・イーストウッド監督兼主演最新作『運び屋』② 

イーストウッド節はセリフだけに非ず。

今回の作品ではやたらとスマートフォン、ケータイ(ガラケー?)、インターネットに対する言及が随所でちりばめられ、案の定、イーストウッドが演じるアールがやたら忌み嫌い、罵る。
その姿はかつての『ダーティハリー』のハリー・キャラハンにも被る。
が、これまでならそういうデジタルに対してイーストウッドのオレ流で通していたのを本作ではいくつか時代への“折れ”が見える。頑固なイーストウッドがインターネットを認め(全面的ではないが)、メールを必死で覚えようとする辺りにイーストウッドなりに現代性を取り入れている。

また、本作の最大のテーマは「過去への贖罪」と「罪と罰」。“過去”は主に家族をお座なりにして仕事に没頭した過去であり、主人公アールの家族とアールを演じるイーストウッドの自分の家族をダブらせている。大胆にもアールの娘役にクリントの娘アイリスに演じさせ、かなりの自虐、また自分の家族への贖罪を描いている。

終盤の罪の意識も秀逸で、その潔さは『ミリオンダラー・ベイビー』の終盤のあれにも通じるものがある。

クリント・イーストウッド監督兼主演最新作『運び屋』① 

クリント・イーストウッド88歳にして、老いてなお盛ん! イーストウッド節がビシバシ、ズキュンと決まる!!

イーストウッドのセリフの大半がクズだ、クソだ、差別まみれのワルく、尖ってる。まるで、マカロニウエスタン時代の拳銃の乱射の如く、誰彼お構いなしに相手を罵る姿が痛快。

危険なブツを運び、その報酬として主人公の身の回りが潤うが、走り、潤う度にヤバい道にズブズブになり、麻薬捜査官にも目をつけられる。
その流れ、サマ、顛末が奇しくもマーティン・スコセッシの『グッド・フェローズ』や『カジノ』、『ウルフ・オブ・ストーリー』っぽくあり、スコセッシ風味をまぶしたイーストウッド節とも言えよう。

浦和美園に着いたがイオンまでちょっと歩くね

『運び屋』、手強いのかな。明日見る前に気合いを入れないとかな。

『グリーンブック』のブロンクスのイタリアンコミュニティに『男はつらいよ』の「とらや」界隈コミュニティにダブる

そこで『グリーンブック』のトニーとシャーリーの異文化交流ロードムービーを見ると考えさせられるものがあるんですよね。

これに対して『ブラック・クランズマン』はどこかアフリカ系アメリカ人の怒りや負の感情を感じましたね映画的表現としてはいいんですがね。

色々と他人(特に日本人)と文化が違うから気をつけないとかな。

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