@tacchan
映画は生涯勉強ですね。
終わりを語るのもありとするなら、逆にオープニングを延々とかたれるのも映画の魅力の一つ。
全部とは言いませんが、傑作は冒頭の数秒で決まります。
@tacchan
ショーシャンクもかな。
あるにはありますね。
あとミヒャエル・ハネケの『隠された記憶』と『白いリボン』みたいに仕掛けがある映画もありますからね。
@tacchan
まあ、それも映画を話すネタの一つですが、10分の1ですよね。
例えば『ラ・ラ・ランド』なら、他のミュージカル映画と比べて楽曲の配置とかでも語れますし、数多くの名画のオマージュ、そしてラストのグッド/バッドを述べるなら某フランス映画Sとデンマークの監督が作ったDも引き出すとか……とてもとてもどう終わったかだけでこの映画を語るにはもったいないですね。
『素敵なダイナマイトスキャンダル』②
最近見た日本映画で『今夜、ロマンス劇場で』の昭和30年代半ばの撮影所周りや『焼肉ドラゴン』の1969~71年の大阪の下町など、これらも日本の時代を描いていたが、
『素敵なダイナマイトスキャンダル』における各時代の描写はこの比にならないほど凄かった。
雑然としたデザイン会社の机で無造作に食べるカップ麺、こたつの上でも編集作業をする生活感、末井さんの奥さんのファッション、髪型、1980年前後のダサ可愛いエロ雑誌の素人の女の子、湖の湖畔のボートデート、ポカリスエットの缶からなど、あらゆるファッションや美術、小道具に時代の感覚がしっかりしっかり出ていた。
ストーリーがきちんとしただけならテレビドラマやアニメで十分。『素敵なダイナマイトスキャンダル』は久しぶりに時代の匂いがする映画を堪能させてくれた。
『素敵なダイナマイトスキャンダル』
「写真時代」や「パチンコ必勝ガイド」の編集長末井昭氏の同タイトルのエッセイの映画化。というか、「パチンコ必勝ガイド」を出すまでの末井さんを見事に映画化。
各時代のエピソードを出しながら時折トラウマのような実母の駆け落ち&ダイナマイト自殺エピソードを挿入。
キテレツな末井昭氏の人生と1955年から1980年代末期までの末井昭氏周辺の日本・時代の空気を見事に再現!
昭和30年代の岡山の田舎の雰囲気、空気、60年代後半の工場の現場やデザインの仕事の空気、70年代のキャバレーや雑誌編集部、喫茶店の風景など、微妙なくすみ具合がリアリティ。『ALWAYS 三丁目の夕陽』や『パッチギ』どころではない時代の生々しさが現れてた希有な映画だった。
この30年以上ににも及ぶ末井バイオグラフィーがどことなく寺山修司の『田園に死す』や天井桟敷チックな匂いもほのかにする。末井さんと寺山修司は邂逅してないはずだが不思議とそれを感じた。
リメンバー・ミー
ピクサーお得意のひねりと道徳心くすぐりはあった。『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』や『コープス・ブライド』との違いは音楽や「死者の国」などメキシコ的な文化をふんだんに取り入れ押し出した所。
中盤ぐらいまではピクサーにしてはぎこちなく引っ掛かりがある作品だったが、そのネタバレに当たる部分が豪快に効いた作品で、結果的にピクサーの作品として納得出来る。
音楽の素晴らしさはもちろんだが、邦題にもなっている「リメンバー・ミー」は『パッチギ』での「イムジン河」の泣き要素とフォー・シーズンスの「君の瞳に恋して」の製作秘話が重なったようなキラー・チューンでやはり作品の要になっていた。
映画が気になっている方は見て損はない。