『素敵なダイナマイトスキャンダル』
「写真時代」や「パチンコ必勝ガイド」の編集長末井昭氏の同タイトルのエッセイの映画化。というか、「パチンコ必勝ガイド」を出すまでの末井さんを見事に映画化。
各時代のエピソードを出しながら時折トラウマのような実母の駆け落ち&ダイナマイト自殺エピソードを挿入。
キテレツな末井昭氏の人生と1955年から1980年代末期までの末井昭氏周辺の日本・時代の空気を見事に再現!
昭和30年代の岡山の田舎の雰囲気、空気、60年代後半の工場の現場やデザインの仕事の空気、70年代のキャバレーや雑誌編集部、喫茶店の風景など、微妙なくすみ具合がリアリティ。『ALWAYS 三丁目の夕陽』や『パッチギ』どころではない時代の生々しさが現れてた希有な映画だった。
この30年以上ににも及ぶ末井バイオグラフィーがどことなく寺山修司の『田園に死す』や天井桟敷チックな匂いもほのかにする。末井さんと寺山修司は邂逅してないはずだが不思議とそれを感じた。