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ファニーとアレクサンデル 

自宅では時間があったとしてもおよそ見る気が起こらなさそうなので行ってきました5h11minの旅。
長編の大河ドラマって、結構長いだけで面白く無い作品って多いですが、これは満足満足。前半は少々ウトウトしつつ鑑賞も4部目の不幸な結婚辺りから、目が覚めてきました。
セットや衣装が豪華で、かつ脚本もしっかりとした出来。という幸福な邂逅でした。それと、やはり再認識したのは、ヨーロッパ映画は良質な子供が主役の映画が多いという事。
今回の特集上映の機会に見られて良かったと思えました。

人間機械 

ユーロスペースにて鑑賞の激渋ドキュメンタリー。週刊エコノミストの映画評で見かけ興味を持ったので見てきました。
スウェット・ショップにカメラが潜入。ナレーション無し、時々現場の労働者の声を挟むシンプルな構成は、いのちの食べ方や廃墟遺産と似ている。見ているうちに日本のブラック企業もブルーかホワイトかのカラーの違いだけで、一緒の問題のように感じてしまいました。

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス 

大ヒットの前作から18年。
当時シネマライズで半年ぐらいのロングラン上映をしていた事を覚えています。
流石に皆さん高齢ということもあり、その間に亡くなっている方もチラホラと…
前作とのエピソードを行ったり来たりの構成なので、いきなりこちらから鑑賞するよりも、
前作見て気に入った方用な気がしました。個々のエピソードのシーンは少し単調な気がしましたが、やはり、ライブのシーンは、圧巻です。前作のハイライトは、カーネギー・ホールでしたが、今回はホワイトハウス。この20年での米国とキューバの関係の変化を体現しているようでした。

仮面/ペルソナ 

実はベルイマン未見でしたので、今回の特集上映良い機会だと思い数本足を運ぼうかと思ってます。
詳しい方から入門編の一本に挙げられた、まずはこの作品から。
いろんな監督に影響を受けかつ与えてるのは何となく分かりました。この作品初見ですが、ドライヤー、タルコフスキー、ドワイヨン、カサヴェテスなどの作品群が思い浮かびました。
後半にかけてのココロの心底の感情をゴリゴリとこそげ落として行く過程などが、ザ・ヨーロッパ映画という雰囲気だと思いました。ベルイマン作品、何だか気に入りそうな予感がしてます。他の作品も見るのが楽しみです。

グッバイ・ゴダール! 

これ見る方は、ゴダールの作品を見た事がある人が大半だと思うのですが、作風は柔いです。
とても噛み砕いたゴダールの入門書みたいな雰囲気を感じました。
構成がゴダールの作品のようになっていたり、フランス映画好きのツボを刺激する衣装やインテリアの色調がオシャレだったりする部分が、
映像表現的には面白い演出をしてると思います。
「中国女」の撮影の裏でこんな事が展開されてたのかと思いながら見ると楽しい。
この作品と同様の5月革命+L・ガレル主演だと「恋人たちの失われた革命」なんていう作品もありましたね。個人的には、後者の方が好きですが…(そもそも作風が全然違う!)

クレアのカメラ 

I・ユペールは、ホン・サンスの作品に2本目の出演ですね。この監督の淡々とした物語運びと君と僕との物語な世界観が、私が苦手とするアジア映画の対極にあって割と好きです。
映画祭の時期のカンヌを舞台に、展開する小さな物語。ユペールは、いつものクールな役回りではなくて、フランクなキャラクターの教師。キム・ミニは首になった映画のバイヤー。という設定。お互いの英語のやりとりがたどたどしくて、旅先で偶然あった出会った人同士のささやかなちょっと温かい交流が好感が持てました。
あと、スタイルが超良いから、キム・ミニが着ていた、素材が良さそうな麻のパンツや黒のワンピが素敵に見えました。

北朝鮮をロックした日 ライバッハ・デイ 

まず、ライバッハがどういうバンドであるのかを理解していないと、このドキュメンタリーの立ち位置が理解できないかも。
旧ユーゴスラビア時代から活動している割と、芸術志向なバンドです。過去にはビートルズのLet it beのかなり独特なカバーアルバムなどを発表しております。私は10代の頃に件のカバーアルバムを聴いておりまして、この映画のフライヤーを見かけるまでライバルがまだ活動を継続しているとは知りませんでした。
私達から見ると一回りした、共産主義やネオナチ風味の衣装やパフォーマンスも、北朝鮮の世相を鑑みると彼らの嗜好にしっくりくるレベルとなり、解釈に齟齬が生まれそうな予感が…
これ、北朝鮮が舞台じゃなくても、国際的なプロジェクト組む場合に、それぞれの文化的差異や仕事のやり方に対するスタンスの違いと思えばなんともないのかも。
日本人から見たら近くて遠い国ですので、内情をちらっと垣間見ることが出来て興味深かった。

エヴァ 

なんとなくモヤモヤ感が残るんだけど、ヨーロッパ映画って割とこんなの多いしなー。とすんなり納得しながら見てました。
最後の方のとあるシーンでの、I・ユペールのラスボス感が最高でございました。
G・ウリエルもかっこいいんだけど、今回はキャラクター的にはクズ男でした。
それにしても、ユペール様は何てスタイルが良いんでしょうか!もう驚愕ですね。勿論、一流女優さんですが、素晴らしい。と物語と関係ない部分で感心してしまいました。
近年I・ユペールを主演にした作品が多数公開されてますが、どの作品も監督の世界観の中に思いっきり投入してるなあと思いながら見てました。
個人的には、最近のでしたらアスファルトの時の彼女が好きです。

バトル・オブ・ザ・セクシーズ 

ウーマン・リブの時代から一回りして違う解釈で、今の時代にとてもマッチした題材の作品でした。
女子選手達のウェアが70年代テイストたっぷりで可愛かった。セットやファッションの作り込みがとても丁寧で、その面でも見応えがありました。
また、S・カレルが嫌味なオッさん役が徹底していてマジで憎らしくて大変よろしいw。
本編と関係無いけど、B・プルマン久しぶりに見かけて、やっぱり好きな顔の系統だなあって思ってしまいました。

新生シネクイントもリターン割健在のようです。

シアターイメージフォーラムが9月から月曜サービスデー始めるようですよ。

椿三十郎(4Kデジタル・リマスター) 

用心棒が面白かったので、続編的要素があると聞いたこちらの作品も4Kで初鑑賞。
悪くないんだけど、
コミカルな要素が濃くなって、ちょっとやり過ぎ感が…
個人的には、用心棒の方が硬派は、テイストが濃くて好みでした。
でも、黒澤作品を結果的に晩年の作品から遡って見てる形なんですが、映画監督もやはり全盛期の物を見るべきなだなとつくづく午前10時の映画祭に行く度に思ってしまいます。

正しい日 間違えた日 

同じ登場人物でストーリー展開が異なるパターンを見せるタイプの作品。過去には、G・パルトロウ主演のスライディング・ドアやキェシェロフスキの偶然などがありますが、この作品もそれらに構成は近いかも。
前者達のように劇的に展開が変わるわけではないけど、ちょっとずつズレてる所が面白かった。それにしても、ホン・サンスの映画には優柔不断な男が良く似合う。

2018年上半期映画ベスト10 

Twitter にあげたやつのコピペですが…

1.パディントン2
2.29歳問題
3.早春
4.I am the blues
5.ラブレス
6.さよなら、僕のマンハッタン
7.ロング・ロング・バケーション
8.あなたの旅立ち綴ります
9.ロープ
10.5%の奇跡

To be continued ↓

1-5位は年間ベストに残したい作品。
6-10位は上半期だと残るが微妙だけど印象に残った作品。

次点は、気に入ったけど、ランキングに入れるかギリの作品。

【次点】
(順不同)
はじめてのおもてなし
ウィンストン・チャーチル
フロリダ・プロジェクト
ダンガル
しあわせの絵の具

いつだってやめられる 7人の危ない教授たち 

先に続編の方が公開されておりますが、こちらは数年前に映画祭で上映されていた物です。
続編から先に見てもよく分かるストーリー展開&濃いキャラ造形はそのままです。どんなシリーズ物にも言えるのかもしれませんが、魅力的な人物達が登場する事ありきだと思ううので、その意味でもこのシリーズは成功していると思いますよ。3部作の最後も期待してます。
是非日本で一般公開して欲しい。

用心棒(4Kデジタル・リマスター) 

初鑑賞。4Kデジタル・リマスターにて。
名前を知っている俳優さんは少なかったけど、どのキャラクターも、とても絵になる構図になってて素晴らしい。
ストーリーはちょっと長く感じたけど、隅々まで拘りと妥協一切無しな雰囲気は、見ている時から画面からバシバシ感じました。
難点は七人の侍の時も思ったけど、台詞が聞き取りにく部分があった点。それ以外は概ね満足。

ガザの美容室 

似たような題材で数年前にキャラメルという作品があったのを思い出しました。題名通りガザ地区にある美容室の中だけで展開される密室劇。舞台でも良さそうな設定でした。
客達と店主中々個性的な面子ばかりで、みんなの迷惑にならないようにと。教育を受けた日本人から見ると、自己主張のオンパレードな部分は興味深かった。
ガザを取り巻く状況をさらっと、知っていると彼女達が巻き込まれる騒動について理解が深まると思います。

ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ 

去年の見逃し作品だったんで、見てみました。みんなが知ってるあのお店に纏わるお話。これは映画としては面白かった。20世紀の大量生産&大量消費の時代にマッチしたビジネススタイルだったということがよくわかります。また、意外と創業が古くないというのも知らなかった。レイみたいな人物は、どんな業界でも、成り上がり系のタイプとしてよくいるタイプだと思うので、さしてその点には驚きませんでした。ビジネスの拡張には先見性とタイミングこれに尽きるな。という事がよく分かる作品でした。

それから 

白味が強いモノクロの映像が印象的な作品。アジア映画は、あまり見ませんが、ミニマムな構成の作品が多いホン・サンスの物はたまに見ます。この作品も僕と君との物語的な過去の恋愛と現在が行ったり来たり、また登場人物たちがシンクロする作りでした。基本的に会話劇なので、割と仏映画にありがちな展開なので、個人的には興味深く鑑賞してました。舞台となる出版社の社長が、どこからどう見ても屑な男という設定も仏映画あるあると思ってついニヤリとしてしまいました。

セ・ラ・ヴィ 

最初の方少し滑り気味で、若干の不安を抱えつつも、群像劇としてはまあまあの仕上がりかな。
注釈つけておくと、日本でウエディング・プランナーという職業のイメージって、若い感じだけど、この映画の主人公はハゲのおっさんですw。
せっかくJ・P・バクリ主演だったので、欲を言えばこの人の脚本で見たかった。
今回脚本書いてないんだね。この人とアニエス・ジャウイが書く脚本の映画好きなんだけどなー。(新作日本でも公開して下さい)

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