『いろはにほへと』(1960)
保全経済会事件をモデルにした経済サスペンスで中村登より橋本忍と国弘威雄の生真面目な怒りが強い作品。
何かを世に訴えたいモードの時の 橋本忍作品はカラ回り感が半端ないな~。
伊藤雄之助も佐田啓二も搾取される側には変わりないから対峙場面が盛り上がらないのはある程度致し方ないとはいえ、もうちょっとここら辺にケレンな見せ場が欲しかった。ただでさえ室内劇中心のせせこましい画面と展開ばっかなんだから。
伊藤への買収場面、佐田啓二一派らの切羽詰まった末の策略というよりは「この世に金で動かない人間はいない」という持論への純粋過ぎる信頼を表したかったのかもしれんが、正直今更「金?」とも。いくら破格の500万とはいえテレビや藤間紫の誘惑も振り切った伊藤にするにはあまりに短絡的な策に見えて苦笑してしまう。異様に自信満々な宮口精二の態度がますますマヌケな印象を与えるので本当に見てて困った。
DVD『バシュフル盆地のブロンド美人』
ケツ撃ち100発100中女のイカれた教員物語。最高!
『フリー・ファイヤー』に負けずとも劣らない不毛な大銃撃戦をプレストン・スタージェスが軽快に演出。お得意のクド過ぎる反復ギャグも手伝って銃撃の快楽さえ肯定して描いてる分『フリー~』より悪質かもwww
ベティ・グレイブルとシーザー・ロメロの愛憎入り混じった殺人計画(ベティの一方的な殺意の片思い感よ!)も反復して描かれるが、これがまたコメディとしてもサスペンスとしてもベラボウに上手い。
冒頭のサルーンの歌唱から銃撃までの移動撮影、教室内でのコテコテな照明での場面転換……たまらん。撮影のハリー・ジャクソンはこの後も『彼女は二挺拳銃』や『女海賊アン』など女性主演の佳作に参加していてこの手のジャンルはお手の物。まあ『バンド・ワゴン』の人ですしね。
一番好きなタクシー運転手映画は名取裕子のⅤシネ『夜のストレンジャー 恐怖』。
見れば視聴者の性別問わず男性不信に陥りそうになるサスペンスの傑作。
何かと気にかけてくれる清水健太郎まで気持ち悪く見えくる長崎俊一演出がヤバい。俳優:黒沢清の意味不明なカッコ良さも見どころ。激しくDVD化希望!!
『劇場版 FAIRY TAIL -DRAGON CRY-』
女性キャラのドカ盛りのエロさに胸焼けしそうww
キャラデザ&総作監督:山田裕子の艶マシマシな絵に『双星の陰陽師』や『PERSONA3 』の合田沙織による濃い色彩設計が加わって、どぎついエロスがアクション以上に画面を氾濫している。
原作最終章に向けたストーリーは行きて帰りしの単調さで、やや残念な方の米村正二が出てる、とはいえ入場者プレゼントの真島ヒロによる原案ネームを読む限り米村の脚本はネームにほぼ忠実なのだが…。
ルーシィメインだった『鳳凰の巫女』(藤森雅也監督による秀作!『終末のイゼッタ』ファンには強烈にオススメ)と対になる構成は流石だ。
序盤、ものすごく雑なジュビア×レビィがあったんだけど原案ネームを見る限りこの描写だけ足されたものっぽくて、真島ヒロは百合的に敵なのか味方なのかわからない感がますます強まった。そもそも百合の敵味方感が意味不明なんだがww
シネフィル