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『スプリット』のジェームズ・マカヴォイ(大嘘)。

『いろはにほへと』(1960)

保全経済会事件をモデルにした経済サスペンスで中村登より橋本忍と国弘威雄の生真面目な怒りが強い作品。

何かを世に訴えたいモードの時の 橋本忍作品はカラ回り感が半端ないな~。

伊藤雄之助も佐田啓二も搾取される側には変わりないから対峙場面が盛り上がらないのはある程度致し方ないとはいえ、もうちょっとここら辺にケレンな見せ場が欲しかった。ただでさえ室内劇中心のせせこましい画面と展開ばっかなんだから。

伊藤への買収場面、佐田啓二一派らの切羽詰まった末の策略というよりは「この世に金で動かない人間はいない」という持論への純粋過ぎる信頼を表したかったのかもしれんが、正直今更「金?」とも。いくら破格の500万とはいえテレビや藤間紫の誘惑も振り切った伊藤にするにはあまりに短絡的な策に見えて苦笑してしまう。異様に自信満々な宮口精二の態度がますますマヌケな印象を与えるので本当に見てて困った。

「世紀の傑作『レディ・イン・ザ・ウォーター』を認められなかったから現在のシャマランは『スプリット』のようなアプローチを取らざるを得なくなったんだぞ!」と路上で訴えたくなるぐらいには悲しい気持ちでいっぱいです。

いや、で『レディ~』と大して変わらない内容だからね『スプリット』。なーにが「シャマラン完全復活」だよ。

『ブレイブウィッチーズ 
ペテルブルグ大戦略』

エイラ可愛い。

こういうので良いのよ、ほんと…。

エイラとサーニャの空気感が作用して502の面々もリラックスかつハッチャけた顔を見せてくれてひたすら楽しい。ぶっちゃけTVシリーズより良い仕上がり(ぶっちゃけ本作も13話扱いだけどww)。

ネウロイさんの空気の読みっぷりも毎度頭が下がる。

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』

『嗚呼!バラ色の珍生!! 』(古いね)みたいな親子話は心底嫌いなのでこれも好きになれるわけがなく…。

ヨンドゥに仕事を依頼するアイーシャ御一行様の場面、レイアウトが今一つでギャグが死んでる。金ピカ行列が後ろの荒くれモブと大差ない画面の埋もれ方してるのはいくら何でもあんまりだろ…。

各惑星描写の見せ方に魅力を感じられない一作目の難点が更に悪化してて頭抱える。カート・ラッセル惑星のつまんなさはキャラクター性のペラペラ感と相まって正しく機能してたけどww

『スプリット』

敬愛するシャマランの作品で初めて嫌いになった作品。

マイケル・ジオラキスの撮影を持ってしてもマカボイの下品な所作は耐えられずか…。アップへの無頓着さは『10 クローバーフィールド・レーン』と良い勝負だけど被害者描写の救いの無さで後味の悪い分、こちらがウンザリ度は上。

今までの監督作全てを狭い世界に押し込めてしまったのが何より辛い。どれだけ閉鎖的な状況や心理的世界を舞台にしても、映画が終わっても、そこから無限に広がり続ける物語を想像させてくれた紡ぎ手はこれで死んだ……、と見るのは早とちりか。

プレストン・スタージェスで銃撃と言えば『結婚五年目』の車内クレーン射撃場面だろうな。『バシュフル盆地』と対極に位置する一点豪華主義的ドンパチの狂気。

DVD『バシュフル盆地のブロンド美人』

ケツ撃ち100発100中女のイカれた教員物語。最高!

『フリー・ファイヤー』に負けずとも劣らない不毛な大銃撃戦をプレストン・スタージェスが軽快に演出。お得意のクド過ぎる反復ギャグも手伝って銃撃の快楽さえ肯定して描いてる分『フリー~』より悪質かもwww

ベティ・グレイブルとシーザー・ロメロの愛憎入り混じった殺人計画(ベティの一方的な殺意の片思い感よ!)も反復して描かれるが、これがまたコメディとしてもサスペンスとしてもベラボウに上手い。

冒頭のサルーンの歌唱から銃撃までの移動撮影、教室内でのコテコテな照明での場面転換……たまらん。撮影のハリー・ジャクソンはこの後も『彼女は二挺拳銃』や『女海賊アン』など女性主演の佳作に参加していてこの手のジャンルはお手の物。まあ『バンド・ワゴン』の人ですしね。

ジミー・ウォング先生が仕事中、倉田 保昭や合気道ババアに襲われる『ドラゴンVS不死身の怪婆』も素敵なタクシー運転手映画です。

一番好きなタクシー運転手映画は名取裕子のⅤシネ『夜のストレンジャー 恐怖』。

見れば視聴者の性別問わず男性不信に陥りそうになるサスペンスの傑作。

何かと気にかけてくれる清水健太郎まで気持ち悪く見えくる長崎俊一演出がヤバい。俳優:黒沢清の意味不明なカッコ良さも見どころ。激しくDVD化希望!!

youtube.com/watch?v=KVduIlQKWP

『ほん呪71』の「かくれんぼ」は良いですよね~。

観てはいけないものが最初から画面を右往左往してること。

いきなり異界(見た目はどう見ても平凡な風景なのに!)に撮影者と視聴者を巻き込むあの声。

バーバー さんがブースト

かくれんぼ、と停電はゾッとした
停電は、「観てはいけなもの」が映ってしまった恐怖

心霊DVD『Not Found 31 -ネットから削除された禁断動画-』

「UFOと交信する男」で脱力路線をそれなりに維持しつつ、堅実な取材素材で真面目な仕上がり。

人気キャラ杉本氏は、古賀氏らの直接的お弄りが鳴りを潜めた分、ガチモンの恐怖に巻き込まれる「心霊ホテル」前後編で大活躍。こちらも撮影が実に見事だった。霊の覗き見るような所作に対応した隠し撮りアクションの共鳴が本作の白眉。

心霊DVD『心霊 ~パンデミック~ フェイズ7』

木之本 桜とダース・モールが見守る?やるせない子供たちの顛末。

前後編「ひろがります」で事務所に現れた存在にスタッフ徳丸氏が声を荒げた瞬間、この作品が投稿系作品であることをあっさり捨てたことを刻印していて鳥肌が立った。「みまもるよ」との関連も含めてよく出来てる。

演技の素人臭さすら禍々しさに回収されてて個人的には興奮。渋谷交差点の撮影が素晴らしい。おそらくこのシリーズ、もう後戻り出来ないから後数本で終わると思われる。それぐらい覚悟を感じさせる秀作だった。

古参ファンの辛口が目立つアマゾンレビューや2ちゃんの投稿系ホラー版でも珍しくそこそこ好意的に迎えられてる『ほん呪71』。

『ほんとにあった!呪いのビデオ 71』のことならあれはもう名作中の名作でしたね。『監死カメラ』シリーズからスタッフ引き抜いた甲斐があったとう感じ。

心霊動画作品の感想って、ここに書いていいもんなんだろうか?

『劇場版 FAIRY TAIL -DRAGON CRY-』

女性キャラのドカ盛りのエロさに胸焼けしそうww

キャラデザ&総作監督:山田裕子の艶マシマシな絵に『双星の陰陽師』や『PERSONA3 』の合田沙織による濃い色彩設計が加わって、どぎついエロスがアクション以上に画面を氾濫している。

原作最終章に向けたストーリーは行きて帰りしの単調さで、やや残念な方の米村正二が出てる、とはいえ入場者プレゼントの真島ヒロによる原案ネームを読む限り米村の脚本はネームにほぼ忠実なのだが…。

ルーシィメインだった『鳳凰の巫女』(藤森雅也監督による秀作!『終末のイゼッタ』ファンには強烈にオススメ)と対になる構成は流石だ。

序盤、ものすごく雑なジュビア×レビィがあったんだけど原案ネームを見る限りこの描写だけ足されたものっぽくて、真島ヒロは百合的に敵なのか味方なのかわからない感がますます強まった。そもそも百合の敵味方感が意味不明なんだがww

中原昌也は『狩人の夜』がオールタイムベストであることを『作業日誌 2004→2007』などで公表してたので、文中でゴチャゴチャ言ってるわりに素直な選出だと思った。

余談だけど「秘宝的」な流れに背を向けるため結果的とはいえ「シネフィル的」選出になったことをもっとらしく語るのムーヴが古臭すぎてダサい。

『映画秘宝EX 究極決定版 映画秘宝オールタイム・ベスト10』で一番驚いたのは中野貴雄が“素直に”ベストで『カリオストロの城』を選んでたこと。2008年版で「カリ城選んだら馬鹿にされる云々」と『 念力珍作戦』を選ぶなど小賢しいことしてたのに…。

中野=小賢しさ、という認識なのでそれが素直さ醸し出されると体調不良を疑うぐらい勘ぐりしたくなる(失礼)。

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