『ファーストマン』
いやー、月面着陸の重みを映画館で感じさせる。ジェミニ計画参加から約9年もの間を一気に駆け抜ける。
アポロ11号に至るまでのドラマは若干駆け足気味で『ドリーム』や『ライトスタッフ』と比べると淡白だが、この映画的にはそういう感動ドラマを狙ったわけではない。
とてつもない距離と時間と時代、その間に起こった幾つもの苦難のミッションと妻&子どもたちの家族のドラマなど、そういうのを一切合切詰め込み、その要所要所を感じることで、終盤に訪れる月面のグラヴィティを感じさせてくれる。
それは『2001年宇宙の旅』が50年経った現在でも通じるように、『ファーストマン』は50年もの時空を越えて月面の地の重みを映画館で感じさせてくれる。
『ゼロ・グラヴィティ』のラストが地球の重力なら『ファーストマン』は月面と時代と家族の重さ。
これである。
スティーブン・スピルバーグ提供