Peter Brook's the Mahabharata (8K) (English/2024)を渋谷PARCO劇場で。 

173分、日本語字幕付き。1988年の舞台上演関係者によるトークで、新築されたばかりのセゾン劇場を一旦全部壊して本作のため火や水を使えるように改装したエピソードが語られ、劇場スタッフが全員アシャの服を着ていた個人的記憶と共に、バブル期の豊かさに思いを致すなど。今回の映画は89-90年のテレビシリーズ(5h18m)の散逸したフッテージを集めてレストアしたものらしいのだけれど裏がとれていない。それと2015年の舞台劇Battlefieldとの関係もさらに調べること。群像劇として奥行きをもって俳優を配置した舞台とは異なり、人物アップが多用され、どうしてもスケールが縮小された感じがする。舞台の方が断然いい。舞台を今見たらどういう感想になるか分からないけれど、映画としては、20世紀の美しい理想主義を遠い目で眺めるような気分。Deathless boyという人物ははたぶん独自のキャラクターなのだけど、かなり中二病臭がする。多国籍の俳優がその母語の影響を隠さない英語台詞が印象的。

Kootathil Oruthan (Tamil/2017)をオンラインで。 

タイトルはAayirathil Oruvanのインフレ版か。ニャーナヴェールの僅か3つしかない監督作の最初のものを見ておこうと思い。意外にもちんまりした出来。明らかにメッセージが先にあり、それを商業映画のフォーマットに何とかして乗せようと苦心した跡が感じられる。片思いの相手に振り向いてもらおうとあれこれ嘘を重ねて良いカッコをして、望み通りに相思相愛になれたものの、綻びが生じて噓がばれて全部おじゃんになってしまうというストーリー。そこからの立ち直りと恋人との和解まで全部フォーマット通り。しかしスーリヤがこれを絶賛しているポストが残っている。アショーク・セルヴァンは初めてだと思ったが、デビュー作の『キケンな誘拐』で見ていたか。トヴィノ・トーマスに似てるけど芸域はTTより狭そう。プリヤー・アーナンドは顔が変過ぎる。ガールスカウト姿の初登場シーンではどうしたものかと思った。貧困層への食の供給という本来のテーマが最後の10数分に押し込められてしまいチグハグな印象。その反動で続く2作品ではメッセージに全振りになったのかも。

ふと思いついて二部作の草分けとなった2作品を 

振り返ってみたけど、『Rakta Charitra』(2010)が合計253分、『血の抗争』(2012)が合計321分で、両方とも前後編が同じ年に公開されている。『Rakta Charitra』の253分なんてかわいいもんだという感じ。

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