イヤ、無限の住人はよく考えれば瑕疵だらけですよ?槇絵戦辺りまではザクザク原作のエピソードを切ってる印象しかなかったし、役者は概ね良かったものの、杉咲花の凛は若干行動動機があやふやだったり。
でもやっぱり凛と万次が別れてから二人の間に絆が芽生えていた事が解る情に溢れた回想、万次が凛を追跡する旅路に立ち塞がる逸刀流の刺客との戦い、天津が裏切りを察知した瞬間からはじまるバイオレンス、怒涛の一気呵成に惚れ込んでしまったのです!
修羅場寸前の家屋の屋根に佇む万次に吹きつく「風」の演出の的確さ、戦闘が始まってからもカメラの位置を取捨選択していく巧みさ、天津と万次のアクションが同時進行してる様を切り取る画面など好きな部分も増えていく。
戸田恵梨香の槇絵も初登場時に固さが見えた演技が「断髪」を経た姿を見ると、前のシーンとは比べものにならない美しさを発揮するし、アクションも広い場に出てからは武器の特性を発揮して縦横無尽に舞う‼
ラストの「復讐」もならではの傾いた表現が成されていて感動してしまった。
無理を通せば道理が引っ込む‼
「終わり良ければ全て良し!」最高でした。参りましたぁ!
無限の住人雑感
個々のエピソードが矢継ぎ早で盛り上がりきらず次に行くので見せ場が弱く感じてしまうし、長編が原作だから仕方ないところもあるけど説明過多で少々野暮ったい。
でもそれらをかき消すようなタイトルバックまでのバチバチの緊迫感を背負った大立ち回り、変わり武器を使った手負い覚悟の血みどろチャンバラで巻き返す。
思いの外景気の良い出血量と人体破壊で死体を積んでいく。
殺陣は同時進行だったり広いフィールドで隅々まで意識して展開され最高。木村さんと福士蒼汰、市原隼人、戸田恵梨香は印象に残ったし良かった。特に前者二人。市原隼人は見せ場が少なく物足りない。もっとください!もう少しらしい気迫があればなお良かったけど、これはこれで良い軽さなのかな。
あと万次のキャラクター。けして凄まじく強い腕というわけではなく、不死が強さを引き上げてるのが面白かった。人並みに油断するし、かわすのも下手。チャンバラの醍醐味ってかわした後の強烈な一撃だと思ってるんだけど、あんまり無い。受けまくる。それを我慢と根性と信念で決して倒れず向かい続ける。万次と木村さんの同一感が凄まじかった。やっぱり木村さんは私たちの憧れなんだ
雑感用。ふぃるまはtuttle。