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バイス 

filmarks.com/movies/78161/revi

予告編を見て期待したほどには面白くなかったです。いや、人物も題材も演技も面白いのは面白いんですが、全体にやたらと薄味で、すぐに見たことを忘れてしまいそう…。ドキュメンタリー番組的なつくりと、ちょっとした悪ノリの両方が、全体の雰囲気を軽薄にしているように感じました。

普通にしっかりとチェイニーという興味深い人物を描いてほしい。社会批判もやるなら、ギャグに振り切るならもっとやる、そうでないならシリアスにやるという感じにして、半端に内輪ネタみたいな雰囲気にしないでほしいです。

ブラック・クランズ・マン 

filmarks.com/movies/79339/revi

すごかった。圧倒的な迫力。そして怖いです。

今年のアカデミー賞は人種が焦点に当たったのか、人種差別を扱った作品がグリーン・ブック、ビールストリートの恋人たち、そして本作と並んでいましたが、いちばん強烈で恐ろしいのはこの作品だと思います。

ラストの演出がすごくて、ベタベタなハッピーエンドみたいな形で逆に「え、なにこれ? 夢オチか何か?」と不安を煽るくらいの展開にしておいて、それによって観客側に引いた視線を用意させてからの、一気に現代の実在の事件と繋げる技が、「あくまで映画なんだな」という冷めた態度を自分が持ってしまったことを自覚できるがゆえに強烈でした。

社会批判としての側面が強い作品でありながら、悪趣味にはならずにエンタメとしても成立させてしまっているのもすごい。

『ぼくのエリ』の原作英訳版Let the Right One Inを読んだのですが、真ん中あたりまで「けっこうそのままの映画化だったのかなー」と思って読んでいたら、映画では示唆されるだけであったエリの正体(日本公開版では示唆さえろくにされませんが)がかなりはっきり書かれていたり、あと事件の真相を探るおじいさんが第2の主人公級に出番が多かったり、さらに驚くべきことにバトルシーンみたいなのまであって、後半はけっこう違うんですね。と言っても主な筋は変わらず、映画はオスカーとエリの関係を描くパートを特に拾い上げた形みたいですが。

どちらかというと全体に静かで可愛い雰囲気(血みどろだけど)の映画版のほうが好きですが、原作にある、エリがキスをすることで自分の気持ちを追体験させるというシーンは耽美でいいと思います。「私になって」と言ってキスをするのもいいし。

映画また見返したいかも。リメイクというか再映画化というかの作品もありますよね。あちらはどうなのかな。

ブラック・クランズマン楽しみだなー。あとちょっと見たかったのに見逃してたアイ・フィール・プリティが、京都ではこれからまた上映されるみたい。

パティ・ケイクス 

filmarks.com/movies/74455/revi

これ、劇場公開時から「ぜったいいいやつでしょ! 見たい!」って思ってたのに、もう近所だと初めから1日に1回だけとかで、見る時間を作れなかったんですよね。

いやもう、よかったです。最後のライブで思わず泣いてしまいました。ラップでスターになることを夢見る女の子の話なのですが、もっと一気に人気になっていくのかと思ってたらけっこうずっとうまくいかないんですよね。いろんなことがうまくいかないし、神のように崇めているラッパーからも貶されてしまう。でもそんなやるせない出来事をいくつもいくつも経験して、自分の本当の姿と向き合い、そして最後の最後に心の底からのライムを繰り出すんです! それが熱い! そしてそこまで自分と向き合う末に出てくるパティの言葉が、それまでの「それっぽい」汚い言葉ではなく、純粋な憤りと美しい愛なのがたまりません! そして黒人青年バスタードがかっこいい!

29歳からの恋とセックス 

filmarks.com/movies/55066/revi

邦題がひどいですが、ガーウィグさん主演なら面白いはずと見てみたら面白かったですー。もう、博士論文執筆中アラサー女子院生が主人公のラブコメという時点でいいですよね。私も30代女性研究者なので、この設定にはかなり惹かれるし、共感もするのですが、日本だとなかなか大学院生の主人公ってこういう形では出てこないですよね。テーマがマラルメの沈黙とかいう、なんだかありそうなものなのもいいし、ラストが公開諮問で終わるのもいい。

小ぶりな作品ですが、ガーウィグさんらしい落ち着きのなさとキュートさが溢れていて、彼女のたぶん得意としている、まだまだ未熟なところの多い(年齢的には)大人が、少しずつ自分のあり方を見出していくといった方向性で、けっこう面白かったです。『フランシス・ハ』や『マギーズ・プラン』が好きなら好きなはず。

「何が映画か」に限らずたいていのジャンルについて、「何が◯◯か」には必要十分条件的な明確な定義を与えることなんてできず、せいぜい単にこれまでの歴史的変遷を見つつ、「今後はこれも◯◯に含まれるようになるかも」、「これは◯◯であってほしい」、「これは◯◯でないことになったらいいなー」とかと言って今後の社会の動きを予測したり、個人の選好を語ったりくらいしかできない気がする。絵画とか小説とかもそうだと思うし、もっとその下位分類的な、例えばSFとかもそうなのではないかと思う。

ぜんぜん都内じゃなくて、関西ですけど、わりと「会ってみましょう」的なの好きですー。

なみき さんがブースト

今映画ドンの人とあってのんでみたいな、と思ったのですが都内の人ってどのくらいいるんでしょう

このあいだ見たプリティ・ウーマンはもう好みのど真ん中だし、去年のクレイジー・リッチも大好きなんですが、そんな私が気に入りそうな、なんというか、こういう方向性の恋愛映画ってほかに何かご存知ありませんか? いっぱいありそうなのに、なんとなく思いつかない。

オードリーは好きだし『プリティ・ウーマン』的な恋愛ものもなのに、『マイ・フェア・レディ』はあんまり好きじゃないんですよね。なんでか考えてみたら、全体としてあんまり締まりがなく感じるとかもあるけど、それはそれとして、オードリーがあの役をするにはお茶目さに欠けていて単にきつい感じな点とか、洗練され出す前の衣装がなんかピンとこない点とかが気になるのかも。20年近く前に見た印象なので、うろ覚えですが。

プリティ・ウーマン 

filmarks.com/movies/15872/revi

初めて見たんですが、もう最高ですね。あらゆるシーンが「あー、こういうのやってみたい!」ってなります。そしてジュリア・ロバーツの可愛いこと!

『クレイジー・リッチ』とかはこのノリだけど、最近のハリウッドではこの手のはあんまりないのかなぁ。私はこの古くさいベタなロマンスが大好きなんですが…。

ここまでとは言わずとも、私の人生にもロマンティックな出会いとかが訪れてほしいです。

グリーンブック 

filmarks.com/movies/80582/revi

差別問題を扱う映画って、悲劇っぽい調子になりがちに思うのですが、この作品はからっと明るく爽やかで、コミカルな雰囲気も強いのが独特。そんなふうな作品がつくれるくらい、客観視が進んできたということなのかも、とも感じました。そしてからっと描かれるからこそ、作中の差別にほとんど本能的に「こんなのおかしい」と感じさせられる。

それにしてもふたりとも可愛い!

ギルティ 

filmarks.com/movies/79879/revi

オペレーター室で電話をひたすらかけるだけでこれだけ盛り上げられるのはすごいですね。でもミステリ的にはわりと展開も読みやすく驚きがないのと、意外と会話自体以外での音が大きな伏線になるとかがなかったりするのとで、少し薄味でした。

サタデー・ナイト・チャーチのトランスコミュニティのお姉さんたち、あれみんなたぶん当事者ですよね。過去にタンジェリンとかナチュラル・ウーマンとか、当事者俳優にこだわる作品はあったけど、すごいですね。ディジョンさん超可愛かった。

映画としてもミュージカルとしても不満点があって物足りないのだけど、キャラクターや俳優は本当によかったんですよー。

グリーンブック、もとから楽しみで絶対に観にいこうと思ってたけど、ますます楽しみ!

サタデー・ナイト・チャーチ 

filmarks.com/movies/81820/revi

映画として洗練されているわけではなく、学校のことにせよ、恋の話にせよ、家族のことにせよ、もう少し時間をかけて描けないものかとは思うし、ミュージカルなのにそんなに音楽が印象的でなく、その点で『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』のようなインパクトもないし、改善点は多いと思うのですが、ただ、ひょっとして当事者の俳優を使ってるのかな、トランスコミュニティの人々の魅力と主人公の美しさ、何より最後の一瞬のかっこよさで満足する映画でした。

ユリシーズの横顔がとにかく美しいし、優しいイケメンのレイモンドがとてもいいです。

ビールストリートの恋人たち 

filmarks.com/movies/75320/revi

衣装も光の色合いも素敵で、そして主人公二人がとにかく美しく可愛かったです。『ムーンライト』でもそうだったのですが、普段なら私があまり可愛さを感じない筋肉質でけっこうしっかりした体つきの男性が、すごく可愛らしく見えるんですよね。いったいジェンキンス監督の撮り方の何がそれをもたらしているのでしょう。

女王陛下のお気に入り 

filmarks.com/movies/74129/revi

面白かったですー。でも『ロブスター』とかに比べると異常な感じがないですね。不穏ではあるけどわりと普通の映画。でもやたらと派手な音楽や変わった映像(今回は魚眼レンズみたいなものを多用)で、静かなはずのシーンを緊迫させていたり、登場人物たちの善悪とか誠意とかが物語上重要な役割をまるで果たさず、ひたすら女王のお気に入りになれるかどうかだけが問題になっていたりと、そのあたりに過去作と共通する要素も感じられます。

あとやっぱり噂には聞いていましたが、メインの三人の演技がいいですね! アン女王を演じるオリビア・コールマンが、めちゃくちゃなようでいてどこか愛らしく、とても良かったです。

心と体と 

filmarks.com/movies/73237/revi

これはもう、私の好みのど真ん中! もーーー、最高でした!! 公開前から注目していたのに、いろんなことと被ってしまって、劇場で見れなかったんですよね…。でも無理してでも劇場で見たかった!

もともと聞いていたのは夢のなかで鹿の姿で出会っている二人が現実で出会って、みたいな話ということだけでしたが、これは自閉症(かつサヴァン)の女性が大人になってから初めて経験する恋の話なんですね。何もわからない状態からどうにか不器用に相手の男性に触れようとする姿が、あまりにも可愛くて、切なくて、たまりませんでした。顔の伏せ方とか、目の動きとか、抑揚や姿勢とか、めちゃくちゃ上手ですよね、このひと。

もうあちこちで両手を握り合わせながら「あー、可愛い…!」と悶えていました。映像の静かな美しさも良くて、抑えたトーンの画面に血の鮮やかな赤が映えるのもいいし、ラストのベッドシーンで手が映るところとか、主人公が表情はあんまり変わらないのに少し息が弾んでるのとか、ほんとに可愛かったです。

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