ハンソロ SWストーリー
このあまりに有名なシリーズの人気キャラクターの名前を冠した映画の企画が立ち上がれば、当然商業的には堅い成功が見込める。それに乗っかろうとする輩が集合し特撮技術や俳優などハードは超一流揃いで選びたい放題、なはずだったのがソフト面が浅薄な掘り下げ方だったために結果として興行的に沈んでいきそうな予感がする仕上がり。続編ができそうな仕込みもあざとくて不快。ならず者になっていく若者を描く時に人生観を変えるような出会いや別れ、事件がこれなのかと思うとあまりに軽いではないか。彼がEP4で登場したときになぜ「俺はフォースを信じない」といったのかとかセリフひとつからでもいろんな過去が描けたはず、もったいない。
空飛ぶタイヤ
原作を読んでるので最初に気になってたのは長瀬智也が運送屋の社長ってキレイすぎじゃないかという点。でもそこそこ苦悩して成長していく2代目と見るとそんなに外れではない。ホントなら刑事役の寺脇康文あたりがピッタリだけどそれでは興行にならないか。長瀬の見せ場としては被害者の旦那に罵られて自宅に帰って家族を思って泣くシーンはなかなかのもの。最近のテレビのような大袈裟な演出ではなくちょっと抑え気味なトーンもいいです。なにより全般にわたり悪役重役の岸部一徳が憎たらしくていいです。こんな役員おるわーと普通の勤め人なら誰もが思う所をついています。昨今の危機管理ネタを思うとつくづく対応がマズイと傷が深くなることを改めて噛み締めました。
OVER DRIVE
邦画のモータースポーツものといえば草刈正雄の”汚れた英雄”あたりからバイクであれ四輪であれフォーマットがあってそれに乗っかる形で製作するとある程度お話としてはまとまるようになっている。天才的に早いけどエゴでツンデレな主人公、冷静で勝負強いライバル、過去の失敗やトラウマ、レース中のトラブル&ピンチ、葛藤、問題解決、逆転勝利、カタルシスみたいな要素です。どうしても女子を前にもってくるのは世界観としてしんどいが、本作は最初からそのあたりの存在を葬り去ってしまっている点は英断。ただまんまフォーマットに則っただけの作りなので各要素のつなぎが薄味すぎて細かい点で見せ方があったように思う。WANIMAのテーマ”DRIVE”が疾走感があって予告編から上げ感漂うからレースのクライマックスシーンでもっとグイグイ使うべきだったし、マッケンユーもスクリーン映えがよく、さすがサニー千葉の遺伝子と思わせるものがあって作品としてのパーツパーツは悪くない。ただ、誰向けに作ったの?という感じは見に来ていた観客を見ると思わずにいられないか。