Lenin (Telugu/2026)をオンラインで。
アキルの初めてのヒットということで、なおかつしきりとマハーバーラタの強い影響下にあるストーリーということが耳に入っていたので見てみたが、なんだかなあという出来。ファクション映画を中心として過去作品で見たあれこれがパッチワーク状になってる。特に「シンハードリ」「プシュパ」「ランガスタラム」など。マハーバーラタの筋を現代に翻案したものでももちろんない。ラーヤラシーマが舞台だが、いわゆるファクション抗争は背景でしかなく、基本的には愛と名誉を巡る欲望の衝突。ただなあ、一番の悪役の豹変の動機が弱すぎる。そこまで殺意を抱いていたなら、もっと早くに行動するだろうとも。女ファクショニストも、本性を表すところは芝居としては見せ場だけど、そこまでやっといて後から悔い改めたりするかね。18日間の込み入った祭りの式次第はもっともらしくでっち上げたものかと思ったけど、さらっと検索しただけでチットゥールにあるものがヒットした。祭りのクライマックスのアクションはそれは美しく、これを撮りたくて脚本を書いたんだろうなと想像されたけど、無理のあるストーリーだと思った。
『軍服を着た神様』(日本・2025)をポレポレ中野で。
全107分のドキュメンタリー。文化人類学者とその後輩のカメラマンが共同で撮ったもの。枋寮の東龍宮に祀られた田中将軍と北川将軍、同じく枋寮の先鋒祠に祀られた樋口先峰、台南北郊の飛虎将軍の4柱の神が中心となる。いずれも軍人が死後に祀られたものだが、軍人というのは必ずしも必須要件ではないようだ。旧植民地台湾でもと宗主国の人間が神になるのは、①その死が英雄的だったか②怨霊として祟ることがあったからか、どちらからしい。乗っていたゼロ戦が撃墜され、集落への墜落を避けて散ったパイロットが神格化された飛虎将軍、遠くフィリピンで戦死したのに位牌が流れ着いたことでその地の神となった樋口先峰、台湾出兵でパイルワン族と戦い戦死し、怨霊となっていた北川将軍など、髪になるまでのいきさつはそれぞれ。面白いのは、神になってからも衆生を救うなど修行をして下位から上を目指さなければならないというところ。導き手は観音だったり保生大帝など。中国大陸を共産党が支配しなければこういうのが無数に残っていたのだろうと思うとちょっとクラクラする。日本の佐賀県の精霊船なども出てきた。
Freedom Fight (Malayalam/2022)をオンラインで。
5作のアンソロジーで各約30分ずつありボリューミー。1話目の社内恋愛を扱うものはコミカルにしようという製作者の意思が透けて見えやや興ざめ。最終話はもっとも激烈な差別にまつわる直球のメッセージ作品で長く記憶に残るが、劇薬的。知り合いお勧めの第2話は、自分も歩いたことがあるカリカット“銀座”のSMストリートの実話に基づく話。最終話とこれとが排泄にまつわるもの。ナクサル・アジタまで登場してびっくり。女性差別以前に、ごくベーシックなことがうまくいかない(特に金を持ってないと)インド旅行のあれこれが思い出されて辛くなった。女性たちの中にトランスジェンダーも普通に混じっていたのが印象的。3話目のRationは分かりにくいストーリーだったけど、全部を見通してから振り返るとじわじわ来る。貧富の差を描くが、富める側が貧しい側の冷蔵庫の空きスペースをちょっと借りるというくらいの距離感。第4話は当主が若年性アルツハイマーに罹患した富裕層の家を住み込み家政婦の視点から描く。重労働、いつでも簡単に馘になる可能性を抱えた家政婦の状況に涙。