Madras Cafe (Hindi/2013)をNTFLXで。
邦題は『マドラス・カフェ』。これも駆け込み鑑賞。書かないと気が済まないから書くけど、日本語字幕良くない、特に暗号解読のシーン。ラージーヴ・ガーンディー暗殺を国際謀略というフィクショナルな仮説によってスリラーに仕立てるという意欲的な試みだが、その仮説に説得力があるかというと疑問。スリランカ北端の民族紛争が終結しないこと(そして武装勢力が支配を堅固にすること)が本当にインドの国力を弱め、諸外国がインド洋から東南アジアに至る覇権を伸張できることになるのか、そしてスリランカの首脳すらがそれを黙認するのかという疑問。また、そのような壮大な計画が、インドの野党党首の暗殺によって本当に可能になるのか、可能だとするなら、作中でもっと丁寧に解説してほしかった。ナラティブにもところどころ不可思議な飛躍あり。一番変なのは主人公が武装勢力の捕虜となるところ。経緯が不明。それからジャヤがヴィクラムに「デリーに来て」と言って次のカットで航空機が映るのに、その続きでヴィクラムはマドラスだかどこかにいるところ。(続く)
Madras Cafe (Hindi/2013)をNTFLXで。(続き)
それから、マドラス・カフェ(シンガポールやロンドンにあるという設定)に蠢く人々が結局誰だったのかがハッキリしないところ。観客は思わせぶりにその連中を何度か見せられているので、おおよその察しはついている。だからヴィクラムが最後にそこを見つけて、全てを白日の下にさらしだしてくれないとカタルシスが得られない。しかしそうはならず、よく分からない神父への打ち明け話で終わってしまう。ポリティカル・スリラーに虚構が混じるのは全然かまわないのだが、コスタ・ガヴラスの『Z』みたいにスカッとしたものにしてもらえなかったかと思う。